マル鉄・鉄道写真館

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183系0番代:前面貫通扉を開ける

2017-07-22 07:38:00 | 試験・事業車、配給、列車車両等
183系0番代:前面貫通扉を開ける


特急電車の前面貫通扉の起源は、581系寝台特急電車に遡ります。その後485系クハ481200番代、そして、183系や381系へと波及していきます。
この貫通扉、そもそもは将来の分割併合に備えたものとして位置付けられていたようですが、183系に導入された理由は、東京~錦糸町間に総武快速線の地下線区間が開業したため、災害時における避難用出口として、当時の法令基準において必要だから設置されたことに他なりません。そのため、581系(583系)やクハ481200番代とは、明らかに目的が違うと言えます。



昭和52年頃 品川駅にて 貫通扉を開けた183系

写真は、幕張電車区からおそらく大船工場へ検査に向かうための回送列車と思われます。
品川駅で見るのが珍しかったために何となく写真を撮っていたら、運転士が何を思ったか、突然貫通扉の開け閉めを行い始めたのです。当然そのようなことをする必要性がなく、運転台へ出入りしながら、明らかに私たちを意識して行っているようでした。サービス精神としてやってくれたのかもしれません。

当時、併結運転を行っていた特急電車は、「かもめ」「みどり」以外にはなく、東北方面から貫通型を取り寄せて設定されたのですが、肝心の貫通扉は使われなかったようです。

確か、紀勢本線の「くろしお」増発時において、381系100番代増備までのつなぎとして485系を使用した際、改造により誕生したクハ481800番代(簡易貫通扉設置車)と200番代により、初めて貫通扉が使われるようなったと記憶しています。

その後においては、「シュプール」の485・583系の併結や、房総地区における183系の基本+増結、「雷鳥」「しらさぎ」による基本+増結など、結構メジャーに見ることが出来るようになっています。

途中駅での併解結のある列車では見ることは出来ますが、房総地区での併解結は電車区内で行われていた筈ですので、なかなか見ることのできないシーンではなかったでしょうか。



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2 コメント

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Unknown (風旅記)
2018-05-11 01:58:33
こんばんは。
特急形電車の貫通扉を開けている姿、初めて拝見致しました。ヘッドマークサインの部分はどのようになっていたのか、幌枠はどこにあったのか、興味は尽きません。
私も車両を撮ることが多々ありますが、時に乗務員さんに親切にして頂くことがあり、嬉しく思った思い出がいくつもあります。こちらの時にも、珍しいものを撮らせてあげたいと思われたのではないでしょうか。
肌色に赤の映える、伝統的な特急のカラーも既に過去のものとなりました。ありふれていた頃には考えもしませんでしたが、もうお写真のような車両が見られないとは、信じられませんし残念です。

いつも楽しく拝見させて頂いています。
もしよろしければ、当方の拙ブログに貴サイトへのリンクを掲載させて頂ければと思います。
ご検討くださいましたら幸いです。

風旅記: http://kazetabiki.blog41.fc2.com/
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Unknown (キハ181つばさ)
2018-05-12 15:10:40
風旅記様
国鉄時代晩年~JRになると、貫通路を使用する特急が増えてきましたが、大体は車庫から出る時点でセッティング済みであるため、このような中途半端な状態のものを見ることは難しかったと思います。その点で貴重な機会を与えてもらったと思います。
気動車特急をはじめ、全国に溢れていたこの特急色が1両も無くなってしまうなんて、国鉄時代にはとても想像がつきませんでしたね。
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