マル鉄・鉄道写真館

鉄道・バス・航空機・はたらくクルマなど、乗り物全般の歴史をご紹介しています。

配給回送:クモヤ+クハ481-800+クモヤ

2016-08-01 00:44:00 | 試験・事業車、配給、列車車両等
配給回送:クモヤクハ481-800クモヤ


今まで誤解されたままアルバムに飾られていた写真です。



撮影日未調査 東大宮~蓮田間にて

プリントからのスキャンなので画質が良くないのはご勘弁を。
クハ481を挟んでクモヤが回送する写真です。

今まで、クモヤ143+クハ481-800+クモヤ143だとばかり思っていました。
しかし、改めて見ると、前後はクモヤ145ですね。
この時代、関東はATCを搭載したクモヤ143ばかりでしたので、クモヤ145と言えば中京~関西独特の牽引車でした。地元ではまず見られ無い形式です。

まだ私が国鉄職員の頃の写真で、クハ481簡易貫通車800番代の改造車を輸送する情報を得て撮影に行ったものと記憶しています。
しかし、簡易貫通車はクハ480を名乗っており、特急「くろしお」の電化用として誕生した形式であることから、それは昭和52年頃の話なので、時代背景と辻褄が合いません。

今回、改めて調べましたら、状況がなんとなく見えてきました。

特急「くろしお」用として改造によって誕生したクハ480でしたが、「くろしお」を全381系化することによって不要となった485系は、福知山線電化によって必要となる特急「北近畿」で活用されることになりました。この際、短編成対応としてCP・MGが未搭載で誕生したクハ480では転用が出来ないため、CP・MG搭載工事を行い、形式をクハ481-800にすることになったようです。その工事を担当したのが大宮工場であることが分かりました。

大宮工場は、それまで機関車・客車・貨車の整備を行っていた工場でしたが、分割民営化に備えて電車の改造工事を実施するようになっていたようで、当時は全く知りませんでした。これは大船工場の廃止などの計画を見据えたものだったのかもしれません。


写真を見ると、テールランプの状況から大宮を出て北上していることになります。回送先となる関西とは逆向きのため、もしかしたら本線試運転の可能性も否定できませんが、それでしたら牽引車に関西のクモヤ145と伴走する必要もありませんので、場合によると蓮田折り返しで南下という可能性もあります。この点については記録も無く、当時の記憶もありません。

クハ481-800は大宮工場によって2両が誕生し、うち-802はクハ183-802へ再改造され、-801は特急「雷鳥」に使用され、廃止されるまで活躍しました。

情報の検索が便利になって、今やっとほぼ正しいと思われる当時の状況が見えてきました。
この時代にならなければ、誤解したまま保存された情報写真になっていたかもしれません。