みちしるべの伝説

音楽と希望は刑務所でも奪えない。

山桜

2008年06月29日 | 映画
淡々と、物静かに描かれてた。
主人公たちは、まっすぐで思い遣りが深い。
凛とした野江(田中麗奈)、寡黙な手塚弥一郎(東山紀之)よかったなあ。
気品のある登場人物たち、美しかった。

人生、回り道も悪くはないか・・・。
清々しくも、しみじみと温かな気分になる映画でした。
涙腺緩むシーンも多かった・・・。
藤沢周平の原作も読んでみたい。

公式サイト

時雨みち (新潮文庫)
藤沢 周平
新潮社

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対岸の彼女

2008年06月28日 | 
いい話だった。
別々に語られる女子高生2人と物語と、30代女性2人の友情の物語。
2つの物語が謎解きが明かされるように、少しずつ近づいて、最後に1つに繋がる。川の向こうの対岸の彼女として繋がる。心憎い展開。いろんな事件や思いが共鳴しあっておりました。

本作、心からの友を持つことの難しさと、素晴らしさがテーマだろうか。難しいが故により輝きを増す・・・。
登場人物のほとんどは女性。完全に男はおまけ。
とはいえ、性別を超えて、友情はよきものかな。

はじめの何十ページは、話に乗っていけず、これは、途中で投げ出すかも?と思ったけど、ある台詞がぐっときて、惹き込まれてしまう。

ひとりぼっち恐怖症?、子供に友達ができないことを気に病む小夜子へ、葵が発する言葉
「私はさ、まわりに子どもがいないから、成長過程に及ぼす影響とかそういうのはわかんない、けどさ、ひとりでいるのがこわくなるようなたくさんの友達よりも、ひとりでいてもこわくないと思わせてくれる何かと出会うことのほうが、うんと大事な気が、今になってするんだよね」

作者の角田光代さん、自身、バックパッカーで世界を巡り歩かれているだけあって、時折、現れる旅について語られる思いには唸らされる。海や川などの自然描写が素敵で、旅の経験の賜物なんだろうな・・・。

登場人物たち、皆、いろいろな問題を抱えているけど、問題にまっすぐ向き合っている姿勢はよいなあと思う。特に小夜子。
いじめ、不登校、公園デビュー、ママさん同士の付き合い、職場での人間関係・・・。嗚呼、ほんとうに、実はどうでもいい付き合いに、人(特に女性たち)はなんで、こうもエネルギーを使わないといけないんだろう・・・。



自分がやりたかったのはこういうことだった。(中略)
へとへとになるまで働き続け、その日の終わりに疲れたねと笑顔でだれかと言い合うこと

小夜子はようやくわかった気がした。なぜ私たちは年齢を重ねるのか。
生活に逃げ込んでドアを閉めるためじゃない、また出会うためだ。
出会うことを選ぶためだ。選んだ場所に自分の足で歩いていくためだ。

けっこうもらい泣き、してしまったな・・・。
このところ、どうも涙脆くて困る・・・。

対岸の彼女 (文春文庫 か 32-5)
角田 光代
文藝春秋

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続)旅籠屋さんのランチは素晴らしい

2008年06月27日 | 食べる
名古屋のローカルネタですみません。
以前、向かうところ敵無しのビュッフェ・ランチで紹介した旅籠屋さん、
今月からは、ビュッフェ終了で、オーガニック食材にこだわったランチに生まれ変わったのだった。

変わってしまった当初は、かなりショックで、残念だった。
だって、想像してみて下さい。
だいたい1食平均4種は平らげていたご機嫌のデザートたち、マンゴーのプリンも、ベリーのヨーグルトも、パンナコッタも、わらびもちも、シュークリームも、何もかもが、失われてしまったのだから・・・。
ピアノを弾くことを除き、ほとんど唯一の楽しみだったのに!(←平日の)

嗚呼、全く、なんてことだ!!!

だけど、時は流れ、きつくなりかけていたベルトのサイズも元に戻って、まあ、これはこれでよいなあと思えてくる。

日替わりランチはコーヒーが付いて780円。コーヒーとご飯は、お代わり自由。名古屋駅前としては、リーズナブルだ!
一品、一品は豆腐や野菜中心のちょっと一ひねりある嬉しいメニュー。
食材への配慮も、よし。
味そのものは、以前よりもUPしてそう。

それに、もう一つささやかに福音が!
今まで、苦手だった食材、生のオニオンを食べても平気だということ。
生まれてこのかた37年、生オニオンだけは、食べた後、胃がしんどくなって敬遠してたのに!
いったい、どこの玉葱を、どうやって料理しているんだろう?
旅籠屋さんの食材、信じるに足る!

と言うわけで、旅籠屋(なごやみせ)さんのランチ、確かに、向かうところ敵無しとまでは、いかないけれど、それでも、かなり、お勧めですね。

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●レッスン 悲愴ソナタ3回目

2008年06月25日 | ピアノレッスン
一応、ノルマのレッスン手記。
昨日はレッスン。夜10時からのレッスンは、眠くて、目がしょぼしょぼ・・・。

・チェルニー40-35(右手の練習)
×。初回なので、もちろん×。
頑張って、手に覚えこませ中。
解説によれば「きわめてむずかしい練習である。オクターブの分散は、指の力だけに頼ることはまず絶対に不可能で・・・」
この先、難曲が続く。ラスト6曲、いったいどれだけかかるのだろうか?

・ベートーヴェン「悲愴ソナタ1楽章」
練習開始から、かれこれ2ヶ月経過、早いなあ・・・。
こちらも、頑張って、手に覚えこませ中なので、曲作りには、まだまだ遠い。
それでも、つまり、つまりしながら、最後まで。
我ながら、情けないと言うか、ボケボケと言うか、笑えてくる譜読みミスが多く、「あれまあ、いかんですね~。」と和やかなレッスンであった。(全然、悲愴的でない)

でも、

五月闇 悲愴ソナタに染まりけり
(そらみみ)

途中の繰り返しは、先頭ではなく、トレモロのところでも可とのこと。
トレモロが難しい。
でも、本格的なトレモロは初めてで、慣れてないだけ。慣れればきっと弾けるようになる。
ピアノでも、フォルテでも、思うがままのトレモロが弾けるようになる。


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チューバはうたう

2008年06月22日 | 
安易にオケやブラスバンドに阿ることをよしとしないインディペンデントなチューバ娘の話。
音楽のもつ力、凄まじさ、素晴らしさが、余すことなく語られていたと思う。ポエジーに富んだ音の表現もよかったなあ。

この本の中で出てくる、東欧はバルカン半島のスーパー音楽集団「Muzicanti aurii」(←もちろん仮想)のライブの様子は鳥肌が立つな。このMuzuicanti aruriiは東欧音楽、ジプシーの音楽を受け継ぐ、超音楽集団という設定で、ツボでした。

願わくは、どこかのライブで、根こそぎ、持って行かれるような体験をしてみたい・・・。ただただ「凄い」としか表現できなようなライブを・・・。
と思って、ネットをブラブラしたら、なんと、この小説に出てくるムズイカンティ・アウリのモデルになった「シカラムータ」なるユニットを発見。
ザバダックで懐かしい太田惠資氏の名前もあるではないか・・・。こんなところで活動されてたんですね・・・。
ライブなら間違いなく、面白いのだろうけど、CDだと、ん~、どうかな???
作者の瀬川氏のブログも、発見。本当に凄い時代だと思う。(情報を手に入れるだけなら)

ここに描かれた音楽に比べると、自分のピアノなどは、まるでままごと遊びではあるけれども、
せめては、ジャンルに囚われない、いろんなピアノを弾いてみたい。


ならば、私が吹いてやる。私の肺は空気を満たし、私の内腔はまっすぐにチューバへと連なって天へと向いたベルまで一本の管となり、大気は音に変わって世界へ放たれるのだ。

チューバはうたう mit Tuba は新鮮な驚きに充ちている。作者はチューバの音の魅力を描きながら、しかし音の魅力に淫してはいない。ここでの音楽は感覚の愛撫ではなく、生への秘密の通路を開く何かなのだ


クラシックやら、ジャズやらのジャンルや、様式にとらわれた音楽に物足りなさを感じられている方には、たいへんお勧めの音楽小説です。
最近読んだ、音楽小説の中では、自分としては、ど真ん中のストライクでした。

瀬川さんの太宰治賞受賞のインタビュー記事

チューバはうたう―mit Tuba
瀬川 深
筑摩書房

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(写真の花)巴草 (トモエソウ)
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満月と夏至の境のボロン聴く

2008年06月21日 | ライブ&コンサート
昨晩は満月と夏至の間の日。ボロンのライブへ。
会場は、広めの民家といった感じ。座敷で足を伸ばして、音に聴き入る。
お香が焚かれ、暗い中、蝋燭が灯される。

今回は2回目。
はじめての時は、深いところから、ぐっと持っていかれる、そら恐ろしい印象が強かったけど、今回は、ゆるやかで温かい音楽が、自然と入ってくる感じ。
オレンジ色で土の香りのする音楽。インドや沖縄に源流があるんだろうか?
マンジーラ(インドの小さな鐘)の幽かな響きが、暗闇に溶けてゆくのは、神秘的。
歌詞にも、宇宙、自然といった、言葉も多く、なんとなく宗教色もあって、やっぱり怖い感じもあるのだけど、すっかり囚われてしまってるなあ・・・。

最後の曲の歌詞はボロンの音楽を象徴してるかな。
天空に輝く太陽と月と星々
風と森、大地に降り注ぐ光を愛し続け

この夜は大雨。天も涙していた。
いい音楽を楽しませてもらった。ありがたいことだ。

五月闇 光の王国 ここにあり
(そらみみ)
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源氏雑感

2008年06月19日 | 
今年は、源氏物語の千年紀のようで・・・。

昼休み、どういうわけか「乱れそめにし」の言葉が、頭から離れなくなって、でも全体が思い出せなくて、検索する。
そうしたら、
よく知られた「みちのくのしのぶもぢずり誰故に・・・」の歌だった。
作者は源融(みなもとのとほる)とある。
源融と言えば、あの光源氏のモデルと言われる人物ではないか・・・!

中学の頃、意味も分からず、覚えさせられたんだっけ・・・。
覚えにくかった。
その歌が、源氏物語と結びついて、こうして、しみじみと感じられるようになるとはな・・・。
教育って、その場では実らなくても、何十年か後のために種を蒔くようなもの、との説があるけど、自分は賛成。
意味もなく覚えたことが、あるときふと、輝きだす。
教育とは、ある意味、子供のためのタイムカプセル的プレゼント?かな?
いやいや習わされたピアノなども、まさしくそうだ・・・。

さて、人気投票によれば紫の上が、独走。これは順当。
この投票、圧倒的に女性の投票が多いのだろうけど・・・、葵の上の2位は意外な感じ。同性からは好まれるのかな?
自分は、猛烈に迷いに迷い、花散里かな?
それにしても、紫式部は、よくもまあ、これほどまでに魅力的な女人達を、生み出したなあと感服・・・。

少し前、瀬戸内寂聴「藤壺」を読んだところだった。幻の一帖を小説に仕立て上げたもの。
ちょっと、源氏、そこまでするか!と思いつつも、はかなげな藤壺が素敵だったので、よしとしよう。

藤壺
瀬戸内 寂聴
講談社

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田辺聖子の源氏、また読み返してみようかな・・・。
六条御息所や、葵の上との別れのシーンは、涙ける・・・。

新源氏物語 (上) (新潮文庫)
田辺 聖子
新潮社

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大口ピアノ事情+♪

2008年06月16日 | ピアノ
昨日、久しぶりに、隣町(扶桑町)のスタインウェイを弾きに行く。
昔は1時間150円で使えたこのピアノも、値上がりしてしまって、今では1200円に(町民なら半額)。
これでも、ピアノがスタインウェイのフルコンであることを考えると、まだ恵まれているんだろう。
以前が恵まれすぎていたわけで・・・。

予約状況は、土曜日を除いて、ほどんど空いている様子だった。ピアノ愛好者だけ優遇するわけにはいかないお役所の事情はあるにせよ、勿体無い・・・。
このピアノを寄贈された篤志家の方も不本意ではないのかな???

以前のように気楽にというわけにはいかないけれど、それでも、たまには練習&録音に活用するとしよう。
録音機材の性能向上で、ノイズレス電子ピアノよりも、生ピアノ録音のほうが、なんだかいいなと思えるこの頃。



それで、最近弾いてた曲、弾いてみました。
吉松隆「5月の夢の歌」♪・・・ピアノ会で弾いた曲。録音できずにいた。旧暦では、まだ5月だからセーフということで・・・。
マクダウェル「野ばらに寄す」♪・・・小池昌代さんの小説で知った曲。不思議な音遣いが、なんだか病みつきになってしまった。

(写真)イワガガミ@大日ヶ岳
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健やかなこと

2008年06月15日 | 雑記
梅雨晴れの健やかな空 猿の声
(そらみみ)

昨日は、猿がたくさんいる近場の遊園地へ。
天気良好、そよ風も気持ちいい。
チビッ子を連れた若夫婦が多くて、健やかさというものは、よいなあと思う。


1歳の姪は、ジャンプなどを仕込まれ、高いところが大好きになるような教育方針みたい・・・。
彼女、バレリーナに育つのかな???

(追記)
そうだ!ピアノの長期戦略として、彼女に踊ってもらえるように、くるみ割り人形なども、レパートリに入れたいなあ。
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あな恐ろしや

2008年06月14日 | 名古屋日記
奴が出てきた。
6月の季語の中で、恐らくは最強に恐ろしい奴。

ムカデ!

眠りに就く前、ピアノを弾いていたら、なにやら、足の指に、妙にチクチクチクッとさわるものがある。
ふむ?と思って足元を見やると、うぉっ! あの恐ろしい姿が、モギョモギョ動いているではないか!

間一髪?で刺されるのは免れたものの、ピアノの下に逃げ込まれ、取り逃がしてしまう。
すぐ、殺虫剤を噴射するも、結局、捕獲できず・・・。
逃げられてしまった・・・。
不覚・・・。

その晩、いつ襲ってこられるかと不安が過り、よく眠れず・・・。
それからは、奴が天上を這っていないか?常に警戒を怠らず、物陰から急に襲われたらどうしよう?とビクビくしながら、毎日を過ごす。
ピアノも、隙間からギロギロ這い出てきたらどうしよう!と心配で、集中できない・・・。
絶対何かが起こるはず!と恐れていた13日の金曜日にも、結局、奴は現れず・・・。

奴はどこに行ってしまったんだろう・・・。

改めて、自分の臆病さが情けなくなる。

皆様、この時期、ムカデ警報発令です。ご注意下さい。

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