みちしるべの伝説

音楽と希望は刑務所でも奪えない。

真鶴(まなづる)

2008年02月28日 | 
川上さん、相変わらず、ぽつん、ぽわん、ほよん、とした独特の語り口で、好きだなぁと思う。
当代きっての日本語の遣い手だ。普段目にしない、どこかに仕舞い込まれた言葉たち?も、川上さんの手にかかると、しっくりと馴染んでいる感じ。そして案の定、主人公の京(けい)さんも、好きになってしまう。いくら川上さんの世界の登場人物を好きになっても、詮無いことではあるけれど・・・。

描かれた世界は、自分のような淡々とした生活を送る身からは、知る由もない深い情念の世界。深い想いは重いに通じるのかな?
本作で一番多く登場した言葉は「かなしい」「痛い」だろうか。喪失の思い出のもたらす、かなしみ、痛みと、日常の生活や肉親との絆がもたらす癒しの濃淡が、この話を彩ってますね。

しかし、こういう話を読んでいると、普段は忘れている心の中の傷が、突然、顔を覗かせたりして、恐いことではあるな。
あと、真鶴(まなづる)は、かくも念の深い場所なんだろうか?一度、探検に行ってみなければ。

そうそう、最近の川上さんの話は、「まぐわい」が頻発する傾向にあるのだけど、「まぐわう」を「目合う」と書くんですね。なんという奥ゆかしさ。
と思って、グーグル遊びをすると、川上さんと瀬戸内寂聴さんの、なにやら面白そうな対談が・・・。こうして読んでみようかな?と思う本が繋がっていくのは楽しいな。


真鶴
川上 弘美
文藝春秋

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音楽ファンド

2008年02月27日 | 音楽
音楽ファンドと言うものがあるのだそうだ。
日経新聞の切り抜きです
好きなアーティストに投資して、アーティストの発展を見守るのである。メジャーデビューを果たして、人気が出てCDもたくさん売れれば、利益が出る仕組みだそうな。

実際のところ、自分の応援するアーティストは、世に出て、その良さが多くの人に知れ渡るといいのに、と願う気持ちと、知る人ぞ知る、こっそりと愛でる宝物であってほしいと願い気持ちの天秤で、複雑なのだが・・・。

自分が、真っ先に出資したいのは井波さんだろうか・・・。

などと思いつつ、どんなファンドがあるのかな?と思って見ていたら、これ、YOU RAISE ME UPなど、良いではないか。すがすがしい。旧き良き時代の香り・・・。男声コーラスって、あまり好んでは聴かないのだけど・・・。
jammin'Zeb、なんと発音するのだろうか?CD、衝動買いしてしまいそう。


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●レッスン エチュード1番の2回目

2008年02月26日 | ピアノレッスン
夜、レッスンへ。寒い、寒い・・・。

・ショパン エチュードOp.10-1
2回目。今回も左手単音バージョンで。
ゆっくり、アンダンテで心地よく弾いている。細かいところを気にせずに、健やかに気の向くままに、のだめ的だなと思う。
まだまだツェルニー的なので、表現づけなどとは程遠いレベル。
2週間前と比べると、随分、安定感が増したものの、まだ随所で音外し。特に30小節目、32小節目の黒鍵が続くところ、難しいな。

アドバイスとしては「山また山の曲ではあるのだけど、富士山のような独立峰の山と、アルプスのような山が連なる山とで曲想を変えてみよう」

相変わらず、練習するたびに、なんていい曲なんだろう!と、感激しながら弾いているのでした。

あと、発表会。
ずっと発表会は5月だと思っていたのだけど、実は4/12(土)であることが判明。出るか出ないかの回答期限は今週末とのこと。
左の小指は、治っているような、治っていないような微妙な感じ。リベルタンゴのような激しい曲をガンガン練習してしまうと、また痛みが再発しそうで恐い。
どうするか、悩ましい・・・。どうするべ・・・。
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電気ケトルはいかが?

2008年02月25日 | もの
これは便利だと思う。
ハリオの電気ケトル。

ものを増やすのに慎重な性質なので、けっこう迷ったのだけど、この商品は正解だった。
自室で使っているのだけど、一人分の珈琲やお茶のお湯なら20秒もあれば沸いてしまう。ガスで沸かすよりも早いですね。もちろん、電気ポットよりも、遥かに経済的で環境に優しい。

電気ケトルと言えばティファールのようだけど、対抗馬のアプレシアが樹脂性で、プラスチック臭が気になる話をよく目にするのに比べて、ハリオの強化ガラスの方が分があると思う。

欲を言えば、サイズかな。1.2リットルは一人用には大きすぎる・・・。

耐熱ガラス一筋というハリオ社のコンセプトがいいし、玻璃王バイオリンも、如何でしょうか?

そうそう、唯一の問題点と言えば、台所に向かう回数が減り、家族とのコミュニケーションが減ることでした。

これからは、温かいお茶をたくさん飲んで、茶じじに向かってまっしぐらですな。

HARIO パワーケトル EPK-12W

ハリオ

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(写真)雪の朝、像の足、現わる
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投資の話

2008年02月24日 | 雑記
かなりの長文なのでご注意を。
このブログにお金のことを書くのはそぐわないと思いつつ、自分の興味のあること、役に立ちそうな知恵や気づきは、分け隔てなく綴っておきたいので、今週、先週の週末の研究?の成果を記しておこう。陰でコソコソというのも、嫌なので・・・。

もともと、大雑把で鷹揚なO型の性格が災いしてか、ここ数年、こずかい帳をつけたこともなく、お金の管理は、かなり無頓着だった。無駄遣いと感じる出費をしなければ、それでいいや、というアバウトさ。
それが、昨年秋、ローンを背負って利息返済額の多さにびっくりしたこともあって、心機一転、この年始よりこずかい帳をつけ、すっかり放りっぱなしの株の値動きもチェックするようにした。

それで、再び愕然とした。年明け早々、株価急落と円高で、お給料を上回るお金が失われてしまっているではないか・・・。まあ、薄々気づいていたとはいえ、まざまざと数字ので見せ付けられるとな・・・。実に由々しき事態である!

これではいかん。目下の急務は、正月に書いた一年の計

・財・・・憧れのグランド・ピアノ生活実現に向けて、安定して5%で回せる投資センスは欲しいと思う。

である。この課題に何としてでも見通しをつけなければ、明るい将来はない。と言うことで、早速PCに向かい作業開始。

自分の株歴は、たしか二十歳の頃に、バイト代を貯めて株を買って以来だから、15年にはなるだろうか。それ以来、相場とはつかずはなれずの付き合いをしてきた。一時期は、けっこう没頭して、どうやったら上手い具合に取引ができるのだろうか?と、あの頃は、まだWindowsは無かったけれど、分析ソフトとにらめっこしたり、チャートに現れるサインをもとに機械的に売買した場合のパフォーマンスを計算してみたり・・・。もう10年前の話か・・・。

当時は、PCのスペックが低く、ネットもない時代だったからデータの入手も難しく、結局、確たる法則性が掴めず、疲れて、放り出してしまったんだったっけ・・・。まわりは皆、遊びたい盛りで、女の子のお尻を追い回してばかりいた中で、我ながら、なんとも変人だったなあと思う。

でも、変人と厭われようとも、長いこと株式相場を見てきたおかげで、チャートがすべてを物語ること、という確信に至ったのでした。
相場には上昇と下降の波があること、うまくタイミングが掴めさへすれば、きっと道筋は見える。

いざ、再チャレンジ!である。

15年分の各銘柄の値動きのデータを、エクセルに乗せて、売買のシグナルが出たら、機械的に売買を繰り返すとどうなるか?いくつかシュミレーションを繰り返す。シュミレーションと言っても、IFの関数を使うだけで手抜きだけど・・・。○日の平均値を上回ったら買う、逆に下回ったら売る などの、関数式を入れておくだけで、成功するのかどうかが分かる。つくづくエクセルは凄いと思う・・・。

それで、意外なことに、相場の世界の教科書には必ず出てくるゴールデンクロス・デッドクロス(GC・DC)のタイミングでの売買が、とても有効だとの結論を得たのでした。GC・DCはチャートに興味を持った人なら誰もが知っていることで、まさか!と思ったけど、不思議とうまく利益が上がるとの判定が出る。

シュミレーションの式にバグがあるかもしれないので、大きな声では言えないけれども、日経平均採用銘柄、20くらい試してみて、5週移動平均と25週移動平均のGC・DCでの機械的に売買することで、年平均7%の利回りは出るとのお告げ。あっ、あとロスカットルールと、利食い売りルール(乖離率が極端に高くなったら手仕舞う)は入れてるけれど。税金と信用取引の空売りにかかる費用も入れてないから、もっと利回り、悪くなってしまうか・・・。5%くらいか・・・。

5%でも、大儲けしようと思わなければ十分よいなあと思う。何より、人間の判断・感情を一切入れない機械的な売買というのが良いではないか。事務的に粛々と取引を繰り返していく。相場の値動きに一喜一憂されることもなく、心の平安が得られるのがよいなあ。もっとも、この先、過去15年と株式相場の環境が大きく変わらなければだけど・・・。

年金も自分の頃には、どうなっているか、かなり怪しいし、投資のリテラシーは持っておきたいと思う。だけど、ついついのめり込みがちだから、今後の研究?はほどほどにしようね。そらみみ君。

昔と違って、手数料の壁もほとんど無視できるし、ややこしい証券会社の営業マンを介さずに、さっさと注文できる。大失敗をしないのが、投資の要諦だけど、逆指値でリスクも限定できる。つくづくいい時代になったと思う。

あと道具の、分析ソフトは、ITickerを使用。まだ使いこなしているとは言えないけれど・・・。銘柄抽出も手軽ですね。

ちなみに、2008/2/22時点で、ゴールデンクロスのサインが出た銘柄、有望かな?
7552
8579
4521

チャートの形というのは、面白いものだ。期待と失望、熱狂と動転、様々な人間心理が形となって現れる。群集の心理の軌跡。
ゆるやかで、きれいななべ底形は、少しずつエネルギーが蓄積されてゆく感じで、好きな形。

有用な知識を学ばせてもらった本。
相場を科学する―なぜ上がり、なぜ下がるのか
倉都 康行
講談社

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この本に出ているマーチンゲールの手法は面白そうだ。


相場の心理学―愚者は雷同し、賢者はチャートで勝負する
ラース トゥヴェーデ
ダイヤモンド社

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10年来の宿題に、解決が見えたこと。自分としては実に画期的な出来事で、憧れのグランドピアノ生活に、一歩近づいた気分。
さあ、ピアノ、練習しようっと。
(しかし、そらみみ君、バグ、ないよね?)
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夜明けの縁をさ迷う人々

2008年02月15日 | 
異質で、グロテスク(怪奇なさま、異様)な世界の9つの物語。不思議な魅力を湛えた小品たちでした。
でも、物語の世界に入り込んで読むと、気分が悪くなるのではないかな?
少しずつ歯車が狂って、超現実の世界に迷い込んでいってしまいそう。メルヘンっぽくなくても、メルヘンと思って読みましょう。絵画で例えると、ダリだろうか。小川さんの手によって操られる、デフォルメされた人形たち。色のトーンはブルー。

9つの中では「イービーのかなわぬ望み」が一番好きだな。終わりのさらさら流れ去る感じが印象的。映画「海の上のピアニスト」と少し相似。


「なみだ売り」は涙を使って調律をする女の話。悲しみや、感動して流す涙よりも、痛みから流れる涙の方が純粋というのは印象的。
何かが狂って夜明けを迎えられない者たちを、小川さんは、受け止めてくれてるのだろうか?

夜明けの縁をさ迷う人々
小川 洋子
角川書店

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木喰~円の魅力再び

2008年02月13日 | 芸事全般
展覧会の紹介番組で、次の歌が紹介されてて、面白いと思った。

まるまるとまるめまるめよわが心 まんまるまるくまるくまんまる
(木喰)(もくじき)

まるまるまる、見事に、丸いことに拘った歌だ。丸さにかけて、右に出る歌はないんじゃないかな?
詳しいことは、この辺りを読むとして、木喰は、円空より少し後の時代、人の心を丸くするような、丸い仏像を彫り続けたお坊さん。(木喰の彫った仏はこの辺りで見られますね。グーグルでも
以前、円の魅力について書いた(ここの3/17)ことがあるけれども、円の魅力は丸い心に惹かれることでもあるんだな。

そもそも、丸っこいものを見て、心が和んでくる事自体が、神秘で不思議だと思う。

余談、そらみみと円が、円空で繋がっているのは、これまた不思議な偶然だな・・・。
コメント (2)
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●レッスン エチュード1へ

2008年02月12日 | ピアノレッスン
このところ仕事も落ち着いているので、平日だけど、夜、レッスンへ。寒い。まだ、時折、左手小指の痛みは感じられるので、リベルタンゴは引き続き休み。

・ショパン エチュードOp.10-1
2週間前、急に思いついて、取り組んでみる。左手は単音で。
このエチュードは、右手の壮大なアルペジオが、すこぶる気持ちよく、移ろい行く和声進行が魅力たっぷり。自分でも驚いているのだけど、暗譜完了。一つの音型が4オクターブ連続して続くので、実際の覚える量は1/4で済むということもありますね。

確か、5年ほど前、最初の数小節を譜読みしてみて、あまりの難しさのために、箸にも棒にも掛からないと言うか、門前払いであったのだ。それが、今回は、わりとスルスル読めて、短期間で暗譜まで漕ぎ着けた。ピアノの技量がアップしたことが実感されて、とても嬉しい。

ピアニストが弾く半分くらいのスピードで、表現付けもなくすっぴん状態ではあるけれど、練習していると、なんとも言えない幸福感が湧き上がってくる。ショパンの曲は別格だなあと思う。ショパンのエチュードは、練習したくて仕方ない気分にさせる力を持ってる。

そして忘れてならないのがツェルニーの功績。ここまで来られたのも、ツェルニーのおかげであるわけで、ツェルニー40番も素晴らしい練習曲だなと思う。

しかし、問題はこれからだな・・・。
あれっ?そういえば、先生のアドバイス、何だったかな・・・。

(2007/02/13 校正、誤字修正。ちゃんと読み返すべし)
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スヰート檸檬はいかが?

2008年02月11日 | 音楽
遊佐さんの歌声で蘇ったメロウでレトロな昭和歌謡のカヴァーアルバム。
遊佐さんの、独特の浮遊感漂う、ふわふわ歌唱だ。ユラリロ、ユラユラ~。なんという心地よさ。ああ、このふわふわに包まれてみたいと思ってしまう。ところどころ顔を覗かせる、遊佐坊と言われる所以のボーイッシュさと、やわらかで華やぎのある歌声が、なんとも言えず、うまくミックスされてて、たまらない。

どの曲も単純なメロディー、単純なコード進行、単純なリズムで、原曲では、恐らくちっともピンと来ないんだろうけど、遊佐さんの愛情が乗り移っているのだ。見事に息を吹き返して、魅力を放っている。単純さに宿る生命力を感じる。バックの隙のないアレンジも頼もしい限り。

ああ、大戦前後の昭和の文化も、良き時代だったんだな。昭和ロマンであるなあ。

mellow・・・熟した; 芳醇な; 肥沃な; 円熟した; 豊かで美しい ((音色など)); 一杯きげんの; 陽気な


スヰート檸檬
遊佐未森
ヤマハミュージックコミュニケーションズ

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春を呼ぶ日展東海展へ

2008年02月10日 | 絵・写真・美術館
名古屋に春をもたらす日展(東海展)へ。
いつも、この時期に見に行くせいなんだろうか?春を呼ぶような柔らかい絵が気にいることが多い気がする・・・。
所狭しと展示された絵画、工芸、見応えたっぷりですね。人も多かったけど・・・。
おおっ、いいな、と感じる絵に向かい、ぼおっと見るのは、幸せなことだな。
いろんな方々が、美(=心のありよう)の新しい姿を模索しているのだ。
様々な表現、アプローチが試みられて、豊かな時代だと思う。日本の未来は明るい?


「真月」(山本眞希)
天地人の美のハーモニー、今回、この絵が一番好きだったかな。お月様と月下美人と女性像の美の相乗効果と言うか・・・。うん、これはいい。


「舞妓像」(坂根克介)
姿勢がシャンとして、リンしてる姿はいい。色紙になりそう・・・。


「陽だまり」(大友義博)
母子のお昼寝。幸せですな~。色使いも好きだな。


「春の宵」(山田重和)
和紙の工芸の作品で、紙の質感がよい風情。


棘の旋律(塚原衣里子)
こちらも、工芸の作品。どんな旋律でしょう?

あと、
・水鏡(岡村倫行)・・・不思議な世界に引き込まれる。
・晃(山下保子)・・・現代版の聖母子像?

のあたりが、特に気に入った。
この先、全国を巡回なので、足を運ばれてみては?
日展のページで、主な出展作が見られて、図録を買わなくても、おさらいができるのは、素晴らしい。
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