みちしるべの伝説

音楽と希望は刑務所でも奪えない。

7月の日経俳壇より(とことこ、さんざめく、はればれと)

2005年07月31日 | 俳句・短歌
じゃがいもの花とことこと北きつね
(小平 七木田 清助)

さんざめくアルルのカフェの星月夜
(高槻 日下 總一)

はまなすや川はればれと海に入る
(札幌 川島 郁子)

(日経新聞7月31、24俳壇より)

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基本的に美しい風景画が描けそうな俳句が好み。

北きつねの句、「とことこと」という表現、やっぱりいい味出てるし、心和む光景だ。

アルルのカフェの句、ゴッホの絵が元なんですね。「さんざめく」は普段使わないけど、好きな言葉。ゴッホの絵を見事に17文字に濃縮してる。

はまなすの句、漢字変換できず本当は、ここにあるように漢字。選者、黒田杏子氏の談「河口の明るさ。海原のまぶしさ。はまなすの咲く頃の北国の太陽のかがやき。人々の心の晴れやかさ。季節のよろこびが歌い上げられている」、なるほどと思う。とてもいい句。北海道に行ってみたくなる。
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●レッスン & レ・シルフィードなどなど

2005年07月30日 | ピアノレッスン
今日はレッスン。昼間のスタインウェイ練習の効果か、調子よし。

・ハノン40番 半音階
短3度、長6度はようやく合格。ふう~。2ヶ月くらいやってたからなぁ。左手のドタバタがとれて、滑らかな感じや、体重の掛け方がいい感じになったと褒められて、嬉しい。
でも短6度は下りの左手がドタバタになってNG。うまくいかない下りは、うまくゆく上りと比べて、親指が寝てしまっているので、もっと立てるようにとのアドバイス。
しかし、うまくゆく短3度との違いは、右手とどれだけ離れているかだけなのに・・・。不思議・・・。

・チェルニー40-19
右手アルペジオ練習のこの曲もようやく○。
ひそかに憧れているショパン・スケルツォ2番には途方も無いアルペジオがあるので、アルペジオ練習のこの曲は、けっこう燃えていたのでした。それにしても弱い音で速いアルペジオって、大変だ~。

・ショパン「ノクターン10番Op32-2」
中間部は、もう一息なんだけど、まだつまずいてる。
・中間部の後、再現部のフォルテシモAppassionataをどうやって表現するか?
・62,70小節目のdelicatissのおしりの部分の表現、もっとゆっくりさせるか・・・。

この曲、バレエの「レ・シルフィード」に使われているんですね。でも、自分の演奏では、テンポのアップダウンがありすぎて、とても踊ってもらえないだろうな・・・。
この10番ノクターン、1番7番ワルツのような素敵なメロディーの曲にまざって、ノクターンで唯一、採用されてるんですね。艶かしい旋律と言い、ドラマチックな中間部と言い、名曲だと思うのだけど、ノクターンの中で人気が無いのが不思議。

ちなみに、「レ・シルフィード」の中の1曲、イ長調のプレリュードは、太田胃酸のCMで使われているけれど、「胃腸の調子」と「イ長調」を掛けているんですね。(こういうトリビアは、けっこう好きだ)

昼間、スタインウェイフルコンで練習したのだけど、気持ちよくて、長いような5時間もほんとうに、あっという間に時間が過ぎてしまう。極上のタッチと音色に慣れてしまったせいか、いつになく教室のグランドピアノが物足りなく感じる。

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引き返すのは難しい

2005年07月28日 | ピアノ的雑感
相変わらず半音階練習をやっている。
半音階のなんだか不穏な響きで、鍵盤を行ったり来たり。けっこう食傷気味。

もう1ヶ月もやっていて、多少はマシになってきている?感じだけど、相変わらずターンの失敗率が高い。
上昇から下降に運動の方向が変わるところ、引き返すところが、弱点なのだ。

ミスるたびに、駄目だな~と、気落ちしながら、あることに気付いた。

山登りで、引き返すのが難しいことに。
天候が悪かったり、体調が良くなかったり、いろいろ引き返すべき材料があっても、
引き返す決断をするのは難しいのです。
ピアノも登山も同じであるか・・・。

思えば、日本が戦争に突き進んだのも、引き返すのが難しいからからなのだ。
見事に、運動量保存の法則は不滅だなぁと思う。

もっと言えば、人が年をとって頑固になるのも
若い頃のちょっとした癖がとても目立つ癖になるのも、
生活習慣病も・・・。
皆、根っこは同じかな?

引き返すこと、改めること、大切だよな、と思いつつ、あれまぁ!また失敗。
そんな他ごとを考えていては、上達しないよなぁ・・・。
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なでしこ

2005年07月26日 | 俳句・短歌
野辺(のへ)見れば 撫子の花 咲きにけり
わが待つ秋は近づくらしも
(万葉集)

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たおやかなな花の風情には、万葉集のおおらかさが似合うだろうか?
正式名は、河原撫子(かわらなでしこ)。
大和撫子(やまとなでしこ)も、この花のことですね。
万葉の昔も今も、この花の姿は変わらない。

花弁の繊細な切れ込みを見ていて、アルペジオを連想する自分は、
ピアノに毒されているかもしれない・・・。
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1300mの高原へ

2005年07月24日 | 
どういうわけか伊吹山へ。山頂は大勢の観光客で賑わっていた。
標高1300m足らずのわりには、山頂は森林限界を超えて高原の趣。
生憎、見晴らしはきかなかったけど、いろんな花が咲き乱れていた。
のんびり高原の涼風に吹かれるのも気持ちがいいもんだ。
その辺が、人気の理由かな?はるばる四国からの観光バスも何台か。

山頂直下の駐車場から山頂まで3ルートあるけれど、訳あって全コース制覇する。
結果、一番良いコースは、琵琶湖が見下ろせる40分かかる西コースと判明。
(次点は20分の中央コースかな)

ドライブウェイで便利に上まで上がれるようになっても、山の風格(豊富な植物、恵まれた展望(きっと)、どってりと構えた山容)は、さすが深田百名山に選ばれるだけのことはあるなぁ。

伊吹山ホームページ

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其のままよ月もたのまじ伊吹山
(芭蕉)

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途中、見かけた句碑。芭蕉に同感。たのもしい山であることよ。

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赤い竪琴

2005年07月23日 | 
津原泰水(著)「赤い竪琴」
「竪琴」に惹かれて読んだのですが、とてもよかった。
端整で味わい深い大人の恋愛小説でした。プラトニックだからこそ、どうしようもなく迸る情熱を深く描くことができるのかな?こういう静かで深い話、好きだ。

硬質の文体がポロン、ポロンこぼれ落ちる竪琴の音とマッチしてる。全編、静かな竪琴の音の通奏低音が流れてるようです。
「きらきらきらららしどれみん。」なんて洒落た言葉遊びも、心憎い。

ところどころ現れる、格調高い詩も上品な雰囲気に花を添えてますね。
「吾(われ)、永劫に汝(な)がうちに潜まむ 玄」

主人公が楽器職人ということで、音楽ネタがところどころ現れるのも、音楽好きには面白いですね。
文中登場するイングリッシュ・ヴァイオレットという楽器、共鳴弦による深い響きが得られるんですね。同じように共鳴弦を使うハルダンゲル・ヴァイオリンと仲間の楽器ですね。
それに「イングリッシュ」という言葉の意味も知って、賢くなりました。
「英国」の意味はNG。

正解はドイツ語で「天使の」の意味とのことでした。イングリッシュ・ホルンも同様ですね。

音楽好きの方には、一押しの小説です。
静かに味わって頂ければと。(おわり)

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うすい氷が張つてゐて

2005年07月22日 | ピアノ
鍵盤(キイ)の下にうすい氷が張つてゐてそれを割らないやうなタッチで

<エリーゼのために>冒頭(でだし)のアウフタクト足腰に知るまでの十五年

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河野美砂子「無言歌」を読んでます。河野美砂子さんはピアニストにして、歌人。きっと日本に唯一の存在。
河野さんの第一歌集、ピアノ好き&このところ短歌に興味が深まりつつある自分としては、興味津々。
短歌の形をとることで、何気ない言葉が、説得力を持って感じられるのは、不思議。
繊細なピアノの響きと、短歌って、相性が良いように思うのだけど・・・。
気になる歌は、ちょくちょく紹介してゆきます。

・うす氷の歌。弱い音を弾く時は、この歌を思い浮かべて、練習するべし。
・エリーゼの歌。ピアニストでも、冒頭のこの9つの音がわかるのに15年とは・・・。指先ではなくて足腰というのも、実感が湧きませんか?やさしい曲だからといって、傲らないこと!

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下から上を見ると

2005年07月19日 | ピアノ的雑感
ピアノの上級者から「この曲なら弾けますよ~」と言われることがある。
でも、実際のところは、どうなんだろう?と思う。

胸に手をあてて思い出してみると、自分の場合も、仕事で後輩に「大丈夫!出来る、出来る!」と同じようなことを言っているんですね。
でも、言われた後輩達は、結構、疑心暗鬼で、なかなか信じられないし、
大丈夫と請合った自分も、まごまごしてる後輩を見て、なんで、そんなことが出来ないんだ?と内心ハラハラしてたりする。
自分も新人の頃は、先輩たちの仕事振りを見ては、あんな風にやれるのか?と随分、不安を抱えていたのを忘れて・・・。

実際、技が会得できてしまうと、その技を身に付けるための膨大な試行錯誤って、忘れがち。
ちょっとしたコツとか、見方とか、バランス配分とか、分かってしまえば大したことの無い事でも、
掴むのに、体得するのには、以外とたいへんなエネルギーが要ったりする。
(人間、嫌なことは忘れるように出来てるからな・・・)

山登りでも同じ。頂上から見下ろすのと、ゼイゼイ、ハアハア言いながら頂上を見上げると、同じ標高差でも、実感は全然違う。
(下から見ると、まだあんなに!って思える)

その辺、よく頭に思い浮かべないと、リーダー失格ですな・・・。
(もちろん、勢いも大切だけど・・・)

と言うことで、ピアノと仕事と山の共通点でした。(おわり)
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リベンジが得意技なり

2005年07月18日 | ピアノレッスン
昨日、人前で弾く機会があったのだけど、最近のワーストの出来で、ちょっと気落ち気味です。まったく・・・。

リベンジが得意技なり我がピアノ
なんて感想、最後にしたい
(そらみみ)

超危険!ワルツ遺作は封印すべし
14年後の、再会約して
(そらみみ)

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今は、駄目駄目でも、チェルニー、ハノンを気長に練習したら、奇跡が起きて、10年後は、かなり弾けますかね?(>チェルニー先生)まぁ、楽観的にいこう。ワルツ遺作は、10年後でも、弾いていたいだろう心酔してる曲、一生もんの宝なのだ。クラシックのいいところは、流行廃りがないから、長期戦で気長に付き合えることだね。(14という数字は、ワルツ遺作の、縁語で、深い意味はありません)
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半音階は再び牛歩

2005年07月18日 | ピアノレッスン
一昨日はレッスン。昨日は人前でピアノを弾く機会があって、なんだか練習の焦点の定まっていなかった。だからかな?再び、牛歩である。こう進みが鈍ると、かたつむりや牛のように鈍いものに親近感が沸いてきますね・・・。(苦笑)

・ハノン40番 半音階
短3度、短6度、結局、駄目。ターンが駄目なんだ。特にターン直後の左手。手になじまん・・・。ハノン、チェルニーは割りと苦にならない方だと思ってたけど、さすがに、こう上達しないと、嫌になる。不協音が、もぞもぞもぞ~っと、いったりきたり、とちって、やりなおしばかりで、あ~、悪夢見そう・・・。

・チェルニー40-19
19番(右手アルペジオ練習)、前半は見違えるように弾けるようになってきた。でも後半が、まだボロボロで、依然、○もらえない。

・ショパン「ノクターン10番Op32-2」
依然として、中間部は、つまずかずには弾けない。中間部の前半はヘ短調、後半は半音上の嬰へ単調での移調奏。なかなか覚えられい。指摘事項としては
 ・中間部、トップの音を、もっと際立たせて
 ・ラスト71小節目以降、右手はずっとスラーであるよ!切れないように。

・坂本龍一「DearLiz」
通して弾いた。でも、何回かつまずいてしまう。この曲は歯切れよさが命なのだ。最初をモゴモゴっとやらないように、和音をバシッと出す。そして調子に乗ること。先生は難しい曲というけれど、自分には合ってるのかな?譜読みから2ヶ月で、かなり弾けるようになってきてて、この曲の進捗は自分としては割と順調。合う合わないがあるんだなぁと思う。
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