みちしるべの伝説

音楽と希望は刑務所でも奪えない。

チェルニー城へ突撃敢行

2005年06月29日 | ピアノレッスン
春の夕べ小さく芽生えた恋心ピアノ弾くうち忘れてしまう
(俵万智)
(元歌は  そと秘めし春のゆふべのちさき夢はぐれさせつる十三絃よ  与謝野晶子)

季節がずれてるけど、まぁいいか。ピアノを練習していると、雑念や浮わついている気分も不思議と鎮まるのだ。それが、またピアノの良いところかな。イイコトがあるかも?と変に想像するのは、なんだか浅ましい感じ。それよりは腰を据えて、地道に何かやってる方が、精神的には落ち着くし、自分には合ってる。さぁ、練習にとりかかろう!(出典:みだれ髪チョコレート語訳2

深夜0時、全40面クリアー目指し、チェルニー城へ突撃敢行
(そらみみ)

今のところチェルニーの練習曲は、機械体操、ゲームの感覚で、わりあい楽しく消化中。その昔、テレビゲームにはまった経験が、このような形で、役に立つとは、思いもしなかったなぁ。ほんとうに。
何がどういう形で、将来に繋がるのか、まるでわからないところが、人生ゲームのおもしろさ。
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個性を極める格好よさ

2005年06月27日 | ライブ&コンサート
意中の「クオレ」観たさに、大阪のライブハウスへ。いつもながらに、クオレ・井波さんのピアノと声、魅了される。音の使い方、雰囲気に、なんだかとても惹かれるものがあるんですね。

この夜は、対バンの演奏も楽しく、いろんな個性が花開いていた。自分がライブハウス巡りをし出して、まだ日は浅いのなけど、なんて言うのだろうか、いろんなオブジェを見る感覚で楽しいのだ。
この夜の4バンドの個性を、たいへん大雑把に表現すると、「壊れかけ」てたり、「サバサバ」してたり、「張り詰めて」いたり、「野生的」だったりで、皆、いろんな形ではあるけど、それぞれのスタイルを追求してゆくと、不思議に味が出てくるんだなぁ。そして、皆さん、たいへん格好いいのだ。確固とした自分のスタイルがあることが、格好良いことの、一つの条件だと思う。

もともとは、好きな音楽、心地よい音楽を求めていたのけど、そういう視点で観てないことに気付いた。なんだか、音楽を越えて、個性の発表会なんですね。音楽は個性を乗せる一つの手段。音楽を「合う・合わない」「上手い・上手くない」「音楽性のあり・なし」といった一般的な座標軸以外の、「個性の極め度」のような座標軸があると、随分楽しく、ライブを見られるんじゃないかな?

対バンの感想。
「まちゅこけ」・・・インパクトは大変強かった。沖縄とスペインを足して2で割ったような、アマゾネスサウンド。迫力のギターに、思わず笑いが沸き上がってくるのが、我ながら不思議。(トムとジェリーの笑いと似てる・・・)
「浅田真央」・・・「涙をペロリと舐めたら、ビールの味がした」という歌詞が、なんだか妙に頭に残る。面白い詩に出会うのも、ライブの楽しみの一つ。

あくが強く、個性的なのは、関西だからかな?とにかく、大変楽しいライブだった。ライブハウスにはクラシックの美しい調べを味わうのとは、また別の面白さがある。和食とカレーぐらいに違うけど・・・。

in 大阪・十三・テハンノ
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蓮の花のトリビア

2005年06月26日 | 言葉のトリビア
古くからの友人T君に奈良の道案内を頼み、予習なしの、お気楽な奈良散歩。あまり時間が無くて、奈良公園をぶらっと。興福寺国宝館、東大寺へ。この日はとにかく暑い。陽を浴びると滝のように汗が吹き出る。
博識のT君は大手電機メーカーのエンジニア、会うたびに、楽しい話が出てくる。お互い仏教美術に特別に興味があるわけではないので、通り一辺倒に見学し(それでも国宝館の、愛らしい聖徳太子三歳像や、阿修羅像などは印象的)話題は共通の仕事(IT系)の話題などに向かいがち。

いろんな話の中で、一番のトリビアは、大仏様と自分の仕事は意外な関係で結ばれていたという事実。
自分は今まで、5年間ぐらい、Lotus社・Notesというソフトウェアでシステムを作る仕事をしているのだけど(Lotus社は、現在IBMに買収)、大仏様を含め仏教・お釈迦様にゆかりの植物「蓮(はす)」の英語は、Lotusなんですね。
迂闊にも今まで、社名のLotusは造語に違いないと思い込んでいて、辞書をひこうという発想がなかった。5年間、意味を知らずに接してきたこと、恥ずかしい。
Lotusはソフトウェアの世界の他に、F1レースの世界にも出てくるブランド名なので、「Lotus=蓮」は結構、常識じゃない?というのがT君の見解なのですが、どうなんだろう?
今、表計算ソフトと言えば、Excelだけど、Excelの天下の前、表計算ソフトと言えば、Lotus123だった時代もあったなぁ。

家に帰って、再度辞書を引いたら、Lotus=ギリシャ神話に出てくるロトス(その実を食べると現世の苦悩を忘れられるとされた)木の実かな? の意味もあり、Lotus社の社名の由来は、こっちじゃないかな?外国企業って、けっこう凝った名前多いような。Oracleもそうだし。駄洒落の延長でネーミングする日本企業の社長殿、品性が問われますぞ!

日常、よく目にする言葉の裏には、実は、いろんな意味が潜んでいて、面白いのだ。
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蛍三景

2005年06月23日 | 俳句・短歌
たましひのたとへば秋のほたる哉
(飯田蛇笏)

胸底の闇に蛍を飼ひながら緑の光を時々は吐く
(大口玲子)

物おもへば沢の蛍も我が身よりあくがれいづる魂(たま)かとぞみる
(和泉式部)

*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*

・たましいの蛍の句、作家の川上弘美さんが紹介されていた。たまらなくいい感じ。「た」って、やわらかな言葉だよなぁ。
・緑の光の蛍の歌、蛍ってやっぱり怪しくって、怪しさには緑が良く似合う。
・和泉式部の歌。・・・。

思い立って蛍を見に行った。
太平洋岸の平野部は、もう旬を過ぎていたようだけど、運のいいことに、数匹、光ってくれた。
緑の光に、しばし魅入られる。宮本輝「蛍川」に出てくるような蛍の大群舞を一度見てみたいと思う。



(追伸)
蛍に魅入られてしまったのか、ピアノの練習中も、蛍の影がちらほら。憂いのノクターンなどは、なんだか蛍の響きのように感じられるのでした。
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エースを狙え

2005年06月21日 | 
「声に出して読みたい日本語」の著者、斎藤孝氏の「コメント力」を読んだ。
会議、雑談、映画、美味しいものを食べたとき、などなど、いろんな場面で求めれらるコメント。この一言、二言の感想を、味のある面白いものにするポイント、法則のようなものについて、まとめられてました。(読むには楽しいけれど、すぐ実践できるかというと、甚だ疑問・・・)
カリフォルニア州知事選挙で、生卵を投げつけられた時のアーノルド・シュワルツネッガーの、必殺のコメント「奴にはベーコンの貸しだ!」などなど、思わず唸ってしまうようなコメント満載。

それらコメントの例の中で、子供の頃読んだ、マンガ「エースを狙え」(主人公、岡ひろみのテニスの話)の懐かしい台詞が紹介されていて、とても懐かしい。妹が持ってたのを、こっそり読んでたんですね。20年近くたってまだ、覚えているのだから、当時、相当インパクトがあった台詞だったに違いない。この岡ひろみのコーチ、宗方は名コメント・メーカーなんですね。
例えば、主人公、岡ひろみが思いを寄せる同じくテニス選手藤堂に対して、ビシッと一言だけ

 「男なら女の成長をさまたげるような愛し方はするな!それだけだ」

ベスト4をかけた戦いで窮地にある岡の「コーチ。つぎどうしましょう」に対して

 「それはおまえの体におしえこんである。あとは精神力だ。ここまでだと思ったときもう一歩ねばれ!それで勝てないような訓練はしてない」

む・む・む、格好良すぎ。極めつけは、恋愛に心揺らぐ岡へ、再びテニスに情熱を傾けさせるために

「意識していようといまいと、おまえはその手で無数の選手を打ちたおし、全員を踏み台にしてここまでのぼってきた。その選手たちの一人一人の踏まれる痛みを思ったことがあるか。」

著者の談ではないが、ほんとうに「宗教の域に達した言葉」だなぁ。この言葉、なんだか普遍性がある。生態系の頂点(いわば勝者)にある人間が、なぜ生をまっとうしないといけないのか?生きる意味は?の一つの答えのような気もする。生きてゆくために何かを食べるということは、人間が踏み台にして、失われた多くの命、天寿をまっとうできなかった命の無念、痛みがあるということだから・・・。(いきなり、ちょっと深刻な話をしてしまいました。すみません。)

「自分の未来に限界をおいてはいけない。しかし現在の限界を無視してもならない。」

ピアノ好きの自分としては、これなんかも、なかなか含蓄深い名言じゃないかな?憧れの曲、今は無理でも、いつかはきっと弾ける!と希望だけは失わないように!だよね。
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古道具 中野商店

2005年06月18日 | 
お気に入り、川上弘美さんの新作「古道具 中野商店」ようやく図書館の予約が回ってきた。
相変わらず、川上さんの古風な雰囲気の独特な文体は健在。「センセイの鞄」と同じくらい好きかな。

生きることが今一つ下手っぴいな主人公「菅沼ひとみ」ともう一人「たけお」の恋愛を軸に、ちょっと癖のある古道具屋の人たちとの間に持ち上がる、ありそうだけど、やっぱりちょっと変な、心温まる話でありました。

川上さんの手にかかると「エクセル」や「ピーシー」などの新しい言葉もなんとなく、柔らかな響きの古くからの日本語に聞こえるくるのが、不思議。古道具的に感じられるが不思議。主人公「菅沼ひとみ」、ぽつんと寂しいようで、温かいようで、応援したいキャラクター。
最後の一文、
 「新しくあけたワインの瓶が、茶碗のふちにあたって、かりん、と澄んだ音をたてた。」
とあるように、新しいもの(=ワイン)と古いもの(=茶碗)が、うまく混ざって、「かりん」と素敵な音が響いてくる、そんな味わいの物語。読後感も、なかなかよろし。派手さとか、ドラマチックとかでは無くて、野原にポツポツ咲いている、心温まるタンポポ?のような風景が広がります。

川上さん、日本語の使い方が、本当にうまいと思う。川上さんに手折られ、また編み込まれた、やわらかな言葉の世界、お楽しみあれ。

こんな言葉たちが登場していた
・悠揚せまらざる  ・あこぎ  ・店主端倪すべからず  ・さても  ・ちんまりと
・へどもど   ・滂沱の涙   ・剣突く  ・くさされる  ・うっちゃる  ・じくじ
・ちんちろりん  ・のらくら
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