みちしるべの伝説

音楽と希望は刑務所でも奪えない。

潮騒

2021年08月16日 | 音楽
遊佐未森さんの潮騒のアルバム、5年ぶりになるんだなあ。
弦楽カルテットとピアノのアンサンブルに、遊佐さんの透明で伸びやかな歌唱が重なって、好きだな。とても。

なつかしい何かと共鳴して、心にさざ波が立つ感じ。
凛としてしなやか。
静けさの中に、一筋、希望の光が差す。
真摯で祈りにも似た音楽。
逆境の時代にあってこそ、確かな足取りで前に進む遊佐さんの音の世界は一層、輝きを増す。

DVDのメイキング映像を見ると、本当に一音、一音、大切にして、丹精して紡がれたことが分かる。
プリペアド・ピアノの音作りは、興味深い。
そっと耳を澄ませば、くぐもったピアノの音の向こうに、いろんな音が忍ばせあるのに気づく。
それが、なんだか、とてもしっくり来て、いい感じなのだ。

デビューから30年?、自分のファン歴も30年マイナス1?ぐらい。
ずっと聴き続けることができて、幸せだな!



ちょうど、日経新聞夕刊の新譜のレビュー記事に、こんなふうに紹介されていた。
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1980年代後半からコンスタントに活動してきたシンガー・ソングライターの5年ぶりの新作だ。
弦楽カルテットとピアノを中心とした落ち着いたサウンドをバックに、清らかなボーカルを聴かせる。
潮騒、鳥の声、花の香、雲、月の光、朝露などの自然をモチーフにしながら、心の機微をしみじみと歌い上げる。
静けさの中に、りんとした意志の強さを秘めた癒しの音楽だ。
2021/8/3 日経新聞夕刊
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素晴らしい!さすが新聞記者さん。
思わず、うん、うん頷いてしまった。笑


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Kitori~ソノダバンド

2020年01月11日 | 音楽
朝ラジオから流れてきた、NHKのみんなの歌、コトリンゴみたいで、いいなと思って、ちょっと調べたら、

みんなのうた Kitri「雨上がり」


ピアノ弾き語り姉妹なんですね・・・。
ピアノ、本格的だ!
機会があれば、ライブに行ってみたい。

kitri(キトリ)『LIFE(ライフ)』MUSIC VIDEO


同じく、ラジオで流れてた、ソノダバンド「光、透明、または情熱」
なんだか、ザバダックの旋律を彷彿とさせる・・・、良さげなインスト!
と思いきや、残念、もはや解散後だったか・・・。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BD%E3%83%8E%E3%83%80%E3%83%90%E3%83%B3%E3%83%89

解散前に知っていたら、ライブに行っただろうに・・・。
知らずに通り過ぎてしまていること、たくさんあるなあ・・・。
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アリプロを聴いて死ね

2018年03月10日 | 音楽
ひょんなことで、職場のある子から紹介された、ALI PROJECTに、すっかり心を奪われてしまった。

アルバム「erotic heretic」
題名のとおり、エロチックで異端。凝ったタイトル!
幻想的で、変幻自在、極彩色で芳醇、世紀末の爛熟、退廃・・・。。
一度はまり込んだら、抜け出せなくなる感じ。
聴くと、囚われの身になってしまう。
中毒性がある。
「やばい」を通り越してしまっている。
こんな、独創的で、心ときめく魅惑の世界があったとは・・・。
瞬く間に、「アリプロを聴いて死ね」ぐらいに気に入ってしまった・・・。

Ali Project - 遊月恋歌 (Yuugetsu Renka, Evening Moon Lovesong)

しなだれかかる曲調と、ねじれ具合が絶妙すぎる・・・。
このアルバムの中で、実は一番好きかも?

Ali Project - Arabesque Romanesque (instrument)

心奪われる、魅惑の三拍子。
とてもメロディアスでロマンチック、幻想ゴシック様式?の傑作(←勝手なネーミング)
長らく探し求めていた音楽に、ついに出会った!
曲名も秀逸ですね。

Ali Project - Nostalgia

なんて甘やかなノスタルジで芳醇なんだろう!
ボーカルの美しいこと。
フランス近代や世紀末ウィーンの爛熟を思わせる魅惑の旋律。
心が浸食されてゆく。
終盤の盛り上がるところ、そう解決するか! もうメロメロだ・・・。
終曲に相応しい名曲。



EROTIC&HERETIC
クリエーター情報なし
ビクターエンタテインメント

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聴覚フィードバック

2017年07月22日 | 音楽
それからもう一つのキーワードが「聴覚フィードバック」
多少、脚色してますが、こんな話でした。
====
「聴覚フィードバック」は、人が話す時の声の音、歌う時の音程を瞬時に捉え、次の音をコントロールする仕組み。
しかし、記憶に騙されやすい現象がある。
人間の耳は、機械の耳とは違って、音を聞く時、完全に聴き取れなくても、前後の状況や記憶によって、補って意味を理解する能力が備わっている。
でも、その能力が、逆に、仇になってしまい、客観的に音を聴くことを妨げてしまう。
実際は、喋れてなくても、歌えてなくても、脳内のテンプレートにあるとおりに、喋れた、歌えたと錯覚しやすい。

このことは、楽器の演奏にも当てはまる。
弾けてなくても、弾いている最中は(脳が、都合よく、補ってくれるので)、弾けていると錯覚する。
(駄目駄目でも、それなりに気持ちよく練習できるのは、このためだ!
 だけど、もちろん、後で録音を聴くと愕然とするのだけど・・・。)

音楽家の耳に求められるのは、この記憶に騙されやすい、やっかいな聴覚の補正現象を意識的に排除して、客観的に音を正しく聴ける能力。

(NHKラジオ 人生を変える「声」の力 より)
====
録音して聴くと、なぜ、自分は、こんなに下手なんだ!と常々感じていたけれど、この話を聞いて、ガッテンがいったのでした。
演奏中の音を客観的に聴く能力は、我々がなんとなく「音感」の一言で片づけているうちの、一つの能力ですね。
音大では、当たり前で教わる内容な気もするけれど・・・。

声でも、演奏でも、聴覚フィードバックがない状態で、音を聴く、簡単な方法は、録音して聴くことなので、なるべく録音して、自分の演奏を客観的に聴くのは、やはり、とても大切なことだと、再認識したのでした。

以上、聴覚フィードバック、おしまい。
(声の講座の連作シリーズもおしまい)
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ハーモニーの起源

2017年07月18日 | 音楽
先日、ハーモニー(和声)の起源について、
興味深い話を聞いたので、メモっておきます。

=====
ハーモニーは西洋で生まれた。
生まれた理由は、建物が石で出来ていたから。
石造りの家は、音がよく響く。
甲高い声や、大声でがなり立てなくてもいい。
人々は静かで深みのある声で話すようになる。
静かな環境だと、音のピッチにも敏感になる。
正確なピッチ、澄んだ音が、ハーモニーを生んだ。

一方、東に行くと、家は、干しレンガ、木、藁など、音の響きにくい
建材で建てられて、街もうるさくなる。
騒音ばかりで、澄んだ正確な音が作れなかった。
東洋の音楽からは、ハーモニーは生まれなかった。
(日本の雅楽も、合わせて音を出すけれど、ハーモニーではない。)

(NHKラジオ 人生を変える「声」の力 より)

=====
音楽の起源、発展の歴史はとても興味深い。
文化人類学と音楽学の境界領域? 学問的には、どこで研究されているのかな???
もしも、ヨーロッパの人々が建材に石を選ばなかったら、和声は生まれなかった?
クラシック音楽も生まれなかったのかな?

NHK こころをよむ 人生を変える「声」の力 2017年 4月~6月 [雑誌] (NHKテキスト)
クリエーター情報なし
NHK出版

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ギターのお気に入り

2017年06月11日 | 音楽
このところ、ギターに惹かれていってて・・・、
ギターへの扉を開いてくれた動画を、ちょっと載せておきます。

難しいことは分からないけれど、こちらの椿姫に魅了されっぱなし。
眺めているだけで、なんだか幸せな気分に・・・。
窓から差し込む日差しが、反則だ!(笑)
F. Tarrega, Fantasia La Traviata, performed by Tatyana Ryzhkova


ソルの月光
心に染み入る、なんていい曲!
ギターの学習者なら、必ず弾くエチュードの1曲だとか・・・。
Fernando Sor: B-minor study - Per-Olov Kindgren


ベートーヴェンとドビュッシーだけではないのですね・・・。
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カー・ドゥ・ピラット

2016年07月17日 | 音楽
先日、ランチで、職場近くのフレンチを訪ねた。
それで、流れていた音楽に一目惚れ!してしまい、店員さんに聞いてみたら、
Coeur De Pirate(カー・ドゥ・ピラット)(海賊のハート!)というシンガーであるとのこと、親切に、教えてもらえた。

まず、音使いが、とても、いい。
温かくて、爽やかで、切ない。さらっと流れていく。
ピアノがベースの曲が多いし、グロッケン・シュピール?やアコーディオンが巧み。
メロディーも親しみやすい。

映画「アメリ」の音楽に近いような・・・。
一瞬、プロデューサーは、ヤン・ティルセン?氏と思ったくらい。

取り寄せてみたアルバムには、
元気な曲も、ワルツも、ピアノのインスト曲もありで、多彩。
映画「ピアノレッスン」に出てくるようなピアノも・・・。

歌い手さんは、飾らない声で、やや舌足らず系の普段着な女の子といった感じ。
休日の午後などに、本当に合うと思う。
とても、良質なポップスですね。
すっかり気に入ってしまった。

ネットで調べてみたら、この方、カナダ(ケベック州)出身のシンガーソングライターさんなんですね。
ケベック州と言うことで、当然、まったく分からない、フランス語なのだけど、
改めて、フランス語って、ずるいと思う。
言葉の響き自体が、お洒落だから。

少しずつ、買い揃えて、楽しもう!

====
少し脱線。私事だけれども・・・。
お気に入りのシンガーソングライター井波陽子さんは、もともと「クオレ」(イタリア語のハート!)名義で活動されてたし、今、潜り込まてもらえたオーケストラは「クオレ」。
それで、今度は、フランス語の「クオレ」がやって来て、クオレの偶然の一致が続く・・・。

Coeur De Pirate
クリエーター情報なし
Blue Wrasse


Coeur de Pirate - Coeur de Pirate - Full Album


=====
ちなみに、この音楽に出会えたフレンチのお店、エスカリエ(=階段!)
http://www.lescalier.info/
落ち着いていて、いい雰囲気です。
グレープフルーツ煮は、珍しかったな・・・。
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ご冥福をお祈りします。

2016年07月09日 | 音楽
七夕の夜、信じられないような訃報が飛び込んできてしまった・・・。
ザバダックの吉良知彦さんが、逝ってしまわれた。
56歳の若さで・・・。
1ヶ月前のライブでは、元気で、見事なギターの弾きっぷりだったのに。
信じられない。

自分にとっては、ライブに足を運ぶ、数少ないミュージシャンの一人なので、
残念でならない。

自然讃歌、異国趣味、変拍子、アコースティックなところ、
好きなところばかりだった。

縦横無尽で時空を超えるようなスケールの大きい曲から、
自然や小さな命への労わりの感じられる曲まで、
名曲を数え出したら、きりがない。
何事も阿らない独立独歩な気風、ロックの精神も魅力だったなあ・・・。

吉良氏の音楽は、流行りの商業主義に乗るような音楽ではなくて、
マイナーかもしれないけれど、知る人ぞ知る、稀有なミュージシャンだったと思う。
たいへんなメロディーメーカーだったと思うし・・・。
惜しい人を亡くしてしまった・・・。

この先、吉良さんのあの熱いライブも、心震わす新しい曲にも、出会うことは
なくなってしまったことを思うと、寂しい限りです。
ショパンの時代に生きてて、ショパンが亡くなったぐらいに・・・。

今、思えば、2年前、久しぶりにライブに行って、お見掛けした時、
後ろ姿が、小さくなられてしまったなあと、何と言うか、不吉な影を感じたのだけど、
まさか、こんなことになってしまうとは・・・。

zabadak - 遠い音楽

ザバダックの代名詞、名曲中の名曲。
20数年、色褪せることなく、静かに心に語り掛け、沁み通ってくるような本物の音楽。

Zabadak Poland Grass forest noren wake

ポーランド!5拍子に酔え。
自分がリコーダーと変拍子に目覚めたの原点の曲。
ガラスの森は、途中、いきなりバーンスタインのアメリカの鮮やかな殴り込み?が、参った!
この変幻自在さも、ザバダックの真骨頂だったなあ。

zabadak 五つの橋

五つの橋と、五つの丘を越えて、夢の旅は続く・・・。

改めて、素晴らしい音楽を届けてもらえたことに感謝!
そして、心から、ご冥福をお祈りします。

ほんとうに、全てが悪い冗談か、悪夢であればと思ったりもする。
しばらく、長調の曲は練習する気が、起きなさそう・・・。

しかし、後に残る者は、しょんぼりしてても始まらないので、
気を取り直して、前に進まねば。


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五嶋みどりさんのサン=サーンスが・・・。

2016年06月25日 | 音楽
最近、五嶋みどりさんのCD集をよく聴いてます。
まだ半分くらいしか、聴いてないので、途中報告ですが・・・。

フランス物のソナタ集に収められた、サン=サーンスのソナタに、すっかり、はまってしまう。
言わずもがな、至芸なみどりさんの演奏。
濃密で、切れ味鮮やかな弦の響き。

張りつめた弦の音色の向こうに異次元の世界が広がっていて、
その世界に飛翔するような・・・。
めくるめく音の世界・・・。
雄大でスケールが大きなラルゴから、血沸き肉躍る盛り上がりをみせ、
フィナーレはほんとうに胸がすく思い。
ついつい、何回も聴いてしまって、他に移れない・・・。(笑)
どことなく明るい気配があるのは、フランスのお国柄だからかな?
旋律も親しみやすいし・・・。

今年、出会った音楽の中で、間違いなく三指に入るに違いない。
このソナタはいつか、生で聴いてみたいなあ・・・。

それにしても、10枚組で、この価格設定は、ほんとうにいいんだろうか?
ありえない。
いい時代になったなあ・・・。



Various: the Art of Midori
クリエーター情報なし
Sony Classics
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きらクラのすゝめ

2015年01月10日 | 音楽
NHK-FMのクラシック紹介番組「きらクラ」が、このところお気に入りです。
聴き始めたのは半年ほど前だけど、このところ、すっかり馴染んで、楽しくなってきました。
まず、司会の「ふかわりょう」さんと遠藤真理さんのトークが面白いこと、お二方の息がぴったり合ってる。声もいいし。
あと、いろんな曲に出会えること。
楽しめるコーナーが用意されていて、ついつい耳を傾けてしまうようになっていること。
(きらクラどん:イントロクイズ、ただ当てるだけでなくニアピン賞もあったりする。
 BGM選手権:詩の朗読にぴったりのクラシック曲を募集
 勝手に名付け親:クラシック曲に副題をつける、などなど・・・。)

肩ひじ張らずに、気楽に楽しめて、初級から中級ぐらいへの橋渡しをしてもらえる感じ。
番組のエンディングに流れる、愛のあいさつ(遠藤真理さん編曲・演奏のチェロ版)の独奏も、素朴な味わいでとても素晴らしい。(CDを探したけど、まだ出てないみたいで残念)
http://www4.nhk.or.jp/kira/

番組で紹介されるピアノの曲は、まずまず、知っている曲が多いけれど、オーケストラや室内楽は、初めての曲も多くて、こんないい曲があるんだなあ!と、ささやかに感動しながら、聴くことも多いのです。
スタートから2年半のようだけど、長寿番組になってくれるといいなと思う。
今年の放送は、11日から。
楽しみなのだ。
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