みちしるべの伝説

音楽と希望は刑務所でも奪えない。

大和路~花~万葉集~入江泰吉

2006年11月24日 | 芸事全般
今年は、忙しい仕事の合間をぬって、奈良や京都の寺社を訪ねる機会に多く恵まれた(このブログには報告できていないけれども・・・)。あと、もともと、花の写真が好き。俳句やら和歌(万葉集)の世界もいいなぁと思っている。

そういう自分にとっては、まさにうってつけの一冊が、この本、万葉花さんぽ。
大和路を愛した写真家、入江泰吉(いりえ・たいきち)の花の写真、花に関する万葉集の歌の紹介、中西進氏の興味深いエッセイが三位一体になってる。お気に入りの一冊だ。

古くから日本に自生している草花は、不思議と安心感があるな。日本の風土に根ざしていて、無理がないからだろうな。静かに咲く花々の写真を眺めつつ味わう万葉集は、すんなりと入ってくる。いい歌がたくさん。

花々のことを知りたくて、百人一首からもう少し発展したい自分にとっては、ほんとうにぴったりくる一冊だ。この本に出会えて、運がいい。花、和歌、写真で繋がる古き佳き和の世界。

折りしも、11/25(土)の夜22:00~、テレビ東京系で放送される美の巨人たちは、入江泰吉。楽しみだ。

入江泰吉の写真は、奈良市の写真美術館でも楽しむことができる。
少し前、訪ねたのだけど、静かに落ち着いて写真を鑑賞できる、いい美術館。奈良に行くことがあれば是非。


入江泰吉・万葉花さんぽ

小学館

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名曲の懐の深いこと

2006年11月23日 | ピアノ
発表会のこと、もう少し書き留めておこう。
今回の発表会で一番印象に残った演奏は、小学校高学年?中学生?の女の子の英雄ポロネーズだった。

もちろんピアニストが弾くような完璧な出来栄えという言うわけではなく、テンポも半分くらいかな?じゃがいものような英雄ポロネーズだったのだけど(悪い意味ではないです。健やかな大地の恵みという意味で)、ややたどたどしくも、それでも頑張ってる演奏は、とても好印象だった。編曲ものではなくて、あの恐ろしげな左手連続オクターブも、ちゃんと形になっていた!聴きながら密かに声援を送っていたなぁ。

思うに、一流のピアノの曲って、どんなふうに演奏されても魅力を失うことがない懐の深さをもってる。ピアニストのように完璧に、インテンポで弾かなくても、技術が追いついていなくても、真摯に努力して弾こうという姿勢があれば、それに応えてくれるものをもってる。

ちまたにはピアニストの凄い演奏があふれているのだけど、それはピアノの魅力の一端でしかないように思う。もっと、自由で、いろんな英雄ポロネーズがあっていいのかもしれない。
芸術的に秀でた演奏はプロのピアニストに任せておいて、自分も挑戦してみようかな?と思ってみたり・・・。

語弊はあるけれども、発表会の勝ち負けは、誰かに、どれだけ弾いてみたいと感じさせたか?かな。彼女は一等賞だ。
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●発表会 舞台には魔物が住むという・・・。

2006年11月19日 | ピアノレッスン
今日は発表会。小雨で少し寒い中、行ってきた。
自分の番の前の前ぐらいまでは、緊張もあまりなくて、ピアノを無心に弾くチビちゃんたちは可愛いなぁと余裕もあったのだけど・・・。

・シューベルト「即興曲4番」Op90-4
スタートしてから、確か10小節目くらいのところで、少しこけて、よろめいて、あれよ、あれよという間に、修復不可能になって、次の音も出てこない。
まずい・・・。
あわわ・・・。
なんてことだ・・・。
止ってしまった・・・。
(そういえば、この様子を、見事にこけてゆく様子を、あれ?これは現実かな?悪い夢じゃないかな?と傍観する冷静なもう一人の自分がいたっけ・・・。)

結局、「すみません。もう一度やり直します!」と観客の皆さんに告げて、再チャレンジ。再チャレンジ後も、調子が戻るまでは、細かいミスが多発で、冷や汗タラタラ流しながら、必死にこらえて弾いた。
半分くらい弾いて、ようやく落ち着いてくる。あぁ反響板のあるちゃんとしたホールのピアノは、音に滑らかに包まれてるみたいで、気持ちいいなと感じられる余裕も出てくる。後半は、まぁ無難に弾いて、終了。

この落ち着きが最初からあったらなぁと思うも、なかなか、うまい具合にはいかないですね。

・メンデルスゾーン「ピアノ協奏曲第1番第1楽章」Op25(オケパート)
これは、今回、発表会のとりの曲だったので、ソロのように止まるわけにはいかない。プレッシャーあり。練習の時にはない音外しが、多々あったけれども、致命的なミスは多分、なかったので、まぁよしとしよう。最後の音とちりは冷や汗ものだったけど・・・。

シューベルト即興曲の敗因は、
・弾き込んでいた曲だから、多分大丈夫だろうという油断
・ゆっくり弾き練習を疎かにしたこと
・ハノンなどの暖気運転ができていない手で、急発進、スタートダッシュする練習が不足していたなぁ・・・。
だろうか。

今回の失敗にめげずに、また次を目指して、精進を続けよう。

in 岐阜市文化センター(2台のフルコンのピアノ(スタインウェイとヤマハ)があります)
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●レッスン 本番会場で事前練習

2006年11月16日 | ピアノレッスン
今日は夜、職場を早めに抜け、発表会の会場で、最後の合わせとソロの練習。
不思議と緊張せずに弾ける。心臓の鼓動がはちきれんばかりだった先回と比べて、この違いは何なんだろう?甘いコーヒーのおかげかな?

途中で落ちることはなかったけれど、後から思えば、メリハリがない音楽になってたなぁ。音量もテンポも。
音量の調節は、弾き慣れていないピアノだと、難しいものがあるけれど、せめてテンポは、大げさに緩急をつけてやろうと思った。弾き急いでしまうようなところもあったので、もっと休符を感じながら弾こう。
ペダルの位置も要注意。今日は、靴の先が奥にあたって、踏みにくかった。

とにかく、本番の会場の同じピアノを触ることができて、有意義な時間だった。
1時間、3000円?の価値はあると思った。

シューベルトの即興曲は、こんな空を手をつないで飛ぶイメージで弾けるといいなぁ。

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オムニバスもいいもんだ。

2006年11月14日 | ピアノ
レンタルショップを覗いたら、BEST PIANO 100なるCDが目に留まって、借りてみた。
6枚組みで有名曲?100曲がおさまってる。思いがけず、満足度が高かった。

ピアノを再開して数年になる自分の場合、どこかで聞いたことのある曲も多いけれど、ショスタコービッチのピアノ協奏曲やら、スクリャービンのノクターンやら、知らなかった曲もちらほら。未知の良い曲に出会うのは嬉しい。

耳に馴染みのない曲ばかりだと肩が凝るけれど、知らない曲と知ってる曲が、ほどよく混ざってるのがよいだろうか。
ドビュッシーやスクリャービンなど、全集で聴くのは、しんどい作品でも、なじみの曲の間に、何気なく置かれていたりすると、なんだか、妙にいい曲に感じられてくるから不思議だ。あまり知られてない曲を、どうやって自然に親しみが沸くように聴かせるか、選曲者の腕の見せ所なんだろうけれど、いい線を行ってるんじゃないかな?

6枚のCDは、リラックス・ピアノ、ロマンティック・ピアノ、ノスタルジック・ピアノなど、テーマに分かれているので、その時の気分で、流すのにもいい。あれを聴くぞ!と思って、CDをセットして聴くのではなくて、その時の気分にあった曲がが偶然流れてくるのが、無理がなくていい。こういうオムニバス物のCDの需要って、意外とあるんじゃないかな?少なくとも自分の場合、静かな夜、落ち着きたいときに流すピアノ曲集は、いくらでも欲しい。(PCとハイテクを駆使すれば、近いことはやれるんだろうけど、その環境を構築する気力なし・・・。)

奏者も、ポリーニ、アルゲリッチ、プレトニョフ、ブーニン・・・、役者に不足なし。知ってる曲を別のピアニストで聴くのも、また一興。唯一、難点は長いコンチェルトでフェードアウトされてて途中で終わってしまうことかな。

このシリーズの室内楽、ジャズピアノやらも、このBEST PIANO100と同じようなスタンスで選曲されてるのなら、入門編として、期待できそうだ。アマゾンを覗くと、他のメーカーからも同様の商品が出ていて、レンタル屋にも置いてあるので、いろいろ試してみようかな。

私事ながら、とりあえず、このBEST PIANO 100は、2ヶ月前に生まれた姪(将来、登山、ピアノ、バレエを仕込むことになっている)には、基本の100曲だから、しっかり聞かせることになっています。(自分が幼少の頃、両親が聴かせてくれたピアノはLP2枚のピアノピース集だったことを思うと、いい時代になったと思う。)

買っても3000円だし、レンタルとCDRで済ませたら1000円でお釣がくる。持っておいて損はないのでは?(ただし、ピアノ通ではない方にです。)

ベスト・ピアノ100
プレトニョフ(ミハイル), ワッツ(アンドレ), ブーニン(スタニスラフ), リンパニー(モーラ), オムニバス(クラシック), ショパン, リスト, ベートーヴェン, モーツァルト, ドビュッシー
東芝EMI

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●レッスン あと1週間 孤独な一人旅のようで・・・。

2006年11月11日 | ピアノレッスン
今日はレッスン。すっきりしない空模様でうすら寒い。レッスンに向かう途中の車で、このシーズン初めてヒーターを入れる。発表会までちょうど一週間だ。

・ハノン 7,8番
発表会前にてパス。7番は、6番までと違って格段に弾き難い。練習のしがいあり。

・チェルニー40-31(両手半音階の練習)
発表会前にてパス。

・シューベルト「即興曲4番」Op90-4
今日も、止らずに最後まで弾けた。どしょっぱなの音を間違えたけれど、それ以外は、大きな傷もなかった。
この曲は、8分以上の長い曲。途中、孤独な一人旅のようで、いつも妙に怖くなるところがある。そこで間違えることは滅多にないのだけど、怖くなる癖がついてしまってる。困ったなぁ・・・。
細かい指摘事項、気がつかずに埋もれてしまている音や副旋律、クレッシェンドの音量の配分、もう少し改良して、あとは、ゆっくりびき、ゆっくりびき練習だ。

・メンデルスゾーン「ピアノ協奏曲第1番第1楽章」Op25(オケパート)
今日は、どういうわけか、たいへんに緊張する。本番と同じぐらい異常に心臓がドキドキしてた。
いまひとつ、自信が持てなくて、その不安が何倍にも膨らんでしまってる感じ。
どんな曲でも、弾き始めが緊張するけれど、この曲のオケパートの場合、休みが多くて、弾き始めがたくさんだ。それで、よけいに緊張するんだろうか?うまく弾けますようにと祈りながら弾いている・・・。

唯一、気が紛れるのは、相方の演奏とずれないように、よく音を聴いているとき。あと、1234、1234と拍子を数えているとき。今日は緊張の中、大きな傷はなく弾けたので、まぁよしとしよう。

不安なところを繰り返しさらって、最後の仕上げの練習しないといけないのだけど、実は、食傷気味で、別の曲を弾きたくなってる。でもあと一週間だけは我慢、我慢。
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鐘とピアノをつなぐもの

2006年11月10日 | ピアノ的雑感
鐘の話の続き。発展編。
(最初にことわっておきますが、リストのラ・カンパネラではありません)

岩船寺でついた鐘の感触があまりによかったので、その時のことがよく思い出される。
どうして良かったのかな?
なんとなく考えて、あることに思い至る。それは脱力。(ピアノを志す者にとって、脱力は永遠のテーマ。)

鐘をうつ棒を、撞木(しゅもく)と呼ぶそうだ。鐘をつく時、撞木を引く綱を、全身で後ろに引いて、自然な勢いをつけて、そして、鐘をつく。鐘をつくときの一瞬は、体から力が抜けた、いい状態。

鐘をつく動作で、自然と体から余分な力が抜けて、脱力してしまっていたのではないかな?
鐘の音色が心に響くのも、変な緊張がとれた脱力の状態があったればこそなのではないかな?
鐘をつく、なにげない動作に、緊張をほぐして、いい心理状態に導くような、偉大な知恵が隠されている?
あの鐘をつく感覚で、ピアノの最初の一音を鳴らせられないかな?

(そんなことを考えて、発表会まで、あと一週間・・・。)
(鐘つきが、とても心地よかったので、これからは、いろんなところで積極的に音を鳴らすべし。と決意を新たにしたのでした。)

(関連リンク)
梵鐘
梵鐘の歴史と音色について
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鐘をつく

2006年11月08日 | 
この休み、大和路へ小旅行。
当尾(奈良の近くの京都府)の里浄瑠璃寺岩船寺を訪ねた。
紅葉は、ようやく色づき始めたという感じ。
浄瑠璃寺のもみじの、緑から赤に移り行く様子が、きれいだなぁ。

岩船寺では、生まれて初めて鐘をつく。
驚いた。
実にいい響きなのだ。
温かさ、柔らかさ、いろんな音色が入り混じりあってる。
さまざまな思いを凝縮したような玄妙で複雑な響き。
その響きは、静かに細く、細く、どこまでも続いてゆく。
最後の音を聞き届けるまで、その場を離れがたい不思議な感覚。

自分でついた鐘の音は、とても深くて心地よい音だった。
鐘の音も、ピアノと同じで、自分で鳴らすのと聞くのでは大違いだった。
不思議と心落ち着いてくる。
除夜に鐘をつくことの意味もなんとなく分かった気がする。

鐘ついて鐘の音だけの秋の暮
(そらみみ)

帰路、近鉄奈良駅までのバスは大渋滞で、20分程度の道のりが1時間以上かかる。JR加茂駅に出るほうがいいのかもしれない。
パンフレットのバスの時刻と、実際のバス停のバスの時刻がずれていて、あやうくバスに乗り損ねるところだった。危ない、危ない・・・。>奈良交通殿にイエローカード!

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