みちしるべの伝説

音楽と希望は刑務所でも奪えない。

ヴラマンク展

2018年08月26日 | 絵・写真・美術館
今年は、各地の展覧会で、ヴラマンクの絵を目にすることが多くて、
どうも、気になって仕方ないので、見に行くことにする。
フォービズム(野獣派)の後の作品が、集められて、とても見応えがある。
予想していたよりも、はるかに素晴らしく、圧倒される。

力強く勢いがあって ダイナミック!
重苦しい雪の景色は、厳しくも、穏やで、奥深い。

この時代の画家には、珍しい気がするのだけど、
揺ぎ無く確固とした構成は、音楽由来かも?
(ヴラマンクは、音楽一家に育ち、父親から叩き込まれたバイオリンは、家族を養えるぐらいの腕前だった!)
フランス人だけれども、ヴラマンクの絵を例えるならブラームス?
低弦のうねりが感じられるような絵。

風や流れを感じさせる画風は、これも、当時最先端の自転車に乗り回し(競輪選手として賞金稼ぎしてたとのこと!)ていた経歴の賜物か??

流行に流されず、独立独歩で風景を描き続けたヴラマンク、
とても説得力がある!

個人的には、数年に一度の出会いだったと思う。
大収穫!

会場の静岡市美術館は、人も少なく、じっくり味わうことができた。
文筆家としても名を残しているヴラマンクの言葉がいろいろ添えられていて、
見応えのある展覧会だった。

画家にして、プロの楽団でバイオリンを弾き、ツール・ド・フランスに出られるくらい強靭な体力を持ち合わせ、
競輪選手として鳴らし、文筆家として著作も多く残し、
ヴラマンク、何と言う、マルチ・タレントぶり!





@静岡市美術館



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ZABADAK 私の罪は三千年ライブ 2018

2018年08月25日 | ライブ&コンサート
夏の終わりを飾るザバダックの郡上八幡ライブに、今年も、足を運ぶ。
ザバダックは不滅!の思い、新たに。

懐かしい「小さい宇宙」は、心に染みる。
「Easy Going」は、相変わらず、大変な盛り上がりだった。
オランさんの切なくも超絶技巧なアコーディオンも印象的。
ファンのバックコーラス・スキルが更にPowerUpしてたっけ・・・。。

小峰公子(Vo. / Acc. )
鬼怒無月(Gt. )、オラン(Acc. )、太田惠資(Vln. )

今回は、開場の1時間前にチケットをもらい、
その後、入場待ちの列ができ始めた直後に並べたおかげで、上席(椅子の最前列)が確保できた。
アンプなしの、生音だったので、前で聴けて、良かった!

今年は、豪雨明けで日差が出たせいか、とても蒸し暑かったけれど、
蒸し暑さなんても、ものともしない、演者の皆さんだった。

これからも、揺ぎ無く、ザバダックを応援するのだ!



@郡上八幡 照明寺
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ビュールレ・コレクション

2018年08月18日 | 絵・写真・美術館
ビュールレ・コレクション展を鑑賞。
休日の午後だったので、無茶苦茶ではないけれど、かなり混雑気味。
確かに、充実した内容だった。

個人的な一等賞は、
ポール・シニャック
「ジュデッカ運河、ヴェネツィア、朝(サンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂)
難しいことは分からないけれど、点描画?風で、明るく、透き通る感じは、いい。
持って帰りたい感じ。

次点、
コロー「読書する少女」
肖像画でも、慎ましく、詩情の感じられますね。

ブラック「ヴァイオリニスト」
バイオリンの倍音豊かな音そのものが表現されている感じもする。

2日前の岡山に続き、芸術の波が押し寄せている。



@名古屋市美術館
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アート・アクアリウム

2018年08月18日 | 絵・写真・美術館
このところ、「アート」に弱いこともあり、誘いがあったので、足を運ぶことにする。

金魚の美しさを引き立てるべく、いろいろと趣向を凝らした展示(~リウム)が盛りだくさん。
全体、色とりどりの照明に映し出された色鮮やかな演出の展示が多い。インスタ映えしそうな展示も随所に。
和太鼓か何かのビートの効いた音楽が流れていて、人も多かったので、どうも、落ち着いて鑑賞するという感じではなかった。
何と言うか、興行という感じ。

品評会のコーナーは、純粋にいろんな金魚自体を鑑賞できて、よかった。
「更紗琉金(さらさりゅうきん)」は、おっとり、優雅で、見目形麗しくて(太り過ぎてなく、コブや突起物もなく)、王道な金魚で、いい感じ。
これは、収穫だった!

この企画、確かに、金魚にとっては、ストレスフルで、過酷な環境のようにも思われるけれど、
「観賞魚としての・・・一番の晴れの舞台を用意したい。」という作者の思いも、一理はありますね。
動物愛護法は、ほ乳類、鳥類、爬虫類が対象で、両生類と魚類は対象外であるのか・・・。





@松坂屋美術館
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未来のミライ

2018年08月17日 | 映画
笑いあり、ほろっと涙するシーンありで、いい映画だった。
大切なこと、命の繋がりの不思議さ、を思い起こさせてくれる。
「ほんのささいな事が積み重なって、今の私たちを形作っているんだ」

絵の感じも好きだった。
(精緻な描写と、ゆるい描写の取り合わせのようなところ)
近未来の東京駅や新幹線は、なんだか銀河鉄道999を思い出すのだった。
曾祖父の台詞も印象的。
たしか、
「何事にも初めがある。」
「自分が怖がると、相手も怖がる。」
「怖い時は、遠くを見て」
などなど。

あと、率直な感想として、果たして、自分に子育てはできるのだろうか???と思ったり・・・。

「未来のミライ」予告2
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岡山県立美術館

2018年08月16日 | 絵・写真・美術館
ここも、後楽園のすぐ近くなので、覗いてみる。
「ポーラ美術館コレクション モネ、ルノワールからピカソまで」展を鑑賞。


とても充実した内容だった。
印象派のセクションは、珍しく撮影OK。
(印象派の後はNGだったけれど)
伝統絵画の展覧会での撮影OKは、自分は初めてで、ちょっと驚く。
分厚く高価な画集を買い求めなくても、いいな!と思った絵を、気軽に振り返ることができるのは、ありがたいですね。

ピサロは、質感、筆致が素晴らしい!
光の煌き、さわさわ葉が擦れる音が、キャンバスに閉じ込められているよう。

ピサロ/エラリー街道の眺め(部分)


ピサロ/エラニーの村の入り口(部分)


ルノワール/レースの帽子の少女(部分)
ルノワールの絵は、食べたら頬っぺたが落ちそうなドルチェ的と言おうか・・・。


ルノワール/ロバに乗ったアラブ人たち(部分)
エキゾティックな絵には、心惹かれる。

印象派の後では、ヴラマンクに惹きつけられる
明快な構成、力とある線、絵から立ち上がる勢いのようなところ。よいなあ。

先日、眺めたキスリングも、よくわからないけれど魅力的。

ピカソは、じっくり眺めてみたけれど、ほぼ分からない。
そこまで壊すなら、すっかり具象を止めればいいのに・・・、と思ったり。
(3歳児の絵とピカソの絵を並べられて置かれても、多分見分けられない(笑)

=====
番外編

昔ながらの市電に乗れるのも、岡山観光の楽しみですね。

その2
帰りに、明石で途中下車して、久しぶりに本場の明石焼きを頂く。
これからも、瀬戸内には、ちょくちょく行くだろうから、途中下車のテクニックを磨きたいところ。
特急券が途中下車可だったらいいのに・・・。

その3
歳を取ると、足腰から弱る。
定年したら、あれをやろう!と思っていても、定年のかなり前から、準備しておかないと、結局、やれない。と言う話はよく聞く。
100名山も残すところ1座となっていて、コツコツ積み上げるのが性に合ってる自分としては、47都道府県の美術館をすべてに、足を運ぶのも悪くない?
足腰が弱らないように、行動範囲が広がるように、目標をもって、いろいろと出掛けるべし。
あと、海外も!
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竹久夢二美術館

2018年08月16日 | 絵・写真・美術館
後楽園隣の竹久夢二美術館へも足を運ぶ。

やっていた企画展はKAWAIIのはじまり展


和から洋に移ろいゆく、大正ロマン、乙女な世界・・・。
悪くない。

音楽的には、当時の名曲集ピース的な「セノオ楽譜」の表紙作品が、たくさん展示されていて、中の音楽はどんなふうだったのかな?と興味深い。
でも、題名を見ても、知らない曲ばかり。
分かったのは、グリンカの「ひばり」ぐらい。
当時の名曲は、今の名曲ではないのかな???




こちらのカフェ、ハヤシライスを頂き、お肉の塊がゴロゴロ、美味しかった。


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岡山後楽園

2018年08月16日 | 
この日は、岡山の後楽園へ。
祖母が四国の人なので、小さい頃から数えて、何度、傍を通り過ぎていたかしれない、名勝。
ようやく足を運ぶ。
予想以上に、とてもいいところだった。
兼六園よりも、のどかで、気持ちが広くなる気がする。
兼六園が雅な京都だとすれば、後楽園は、おおらかな奈良?








ついつい撮ってしまう。


稲田や蓮畑に、驚いた。




ダンシング桜


園内に広がる稲田が、穏やかな古き良き日本の美しさを感じさせてくれる。


サギが餌取りしていた。いい感じ。


一応、烏城とも呼ばれる岡山城へ。
(中はエレベータだったけど・・・)


願いが叶いますように


こちらの願いも叶いますように


暑さの盛りの時期であるけれど、やや赤が差した木々を見ると、
秋が近づいてる感じがする。


落ち着く家屋も、あちこちに。

この日は、降ったり止んだりの天気で、暑さ控え目で助かった。

次は、偕楽園か・・・。
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女木島

2018年08月15日 | 絵・写真・美術館
翌日は、8時の船で女木島へ。
20分ほどで着いて、すぐバスで山上の鬼ヶ島洞窟へ。


鷲ヶ峰山頂より
雲多めだが、青空があると嬉しい。
すばらしいビューポイントだった。

=====

オニノコプロダクション



ここの洞窟は、行く前は、鍾乳洞?と思っていたけれど、人が作ったものとのこと。
でも、誰が何時、何のために作ったのか、何も分かっていないらしい。
できたのは、紀元前?との推定もあるようだけど・・・。
長さ数百メートルで、とても広い空間なので、大昔の人がいったいどうやって作った?
切り出した石は、どこに?
考古学者や、歴史家たちは、どうして、この洞窟の謎を解明しようとしないんだろか?
と、謎は深まるばかり。
まさか、こんな歴史ミステリーに遭遇するとは・・・。

=====

20世紀の回想(禿鷹墳上)
この日、最初のピアノ


鍵盤数は100近く?

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女根(めこん)(大竹伸朗)


緑の炎に焼かれ、宿命の重荷を背負う乙女かな・・・。


ここは、好きとは言えないけれど、とてもインパクトのある作品

=====

女木島名画座(依田洋一朗)


ここも一人貸し切りで、チャップリンも鑑賞。
古き良きアメリカの愉快な雰囲気が詰まってた。


レストラン IARA(イアラ)でランチ
美味しく頂きました。

ここの建屋の作品、不在の存在(レアンドロ・エルリッヒ)は撮影禁止。
雨と経年劣化で、白砂の状態が良くなかったとのこと。
建物の中のトリックアートは、ちょっと、どうなんだろう???

=====

均衡
これは、ん~、よく分からない。

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MEGI HOUSE
(愛知県立大学瀬戸内アートプロジェクト)
ここは、幾つかのプロジェクト?作品?が集まった、空間。
屋内から大縁側にかけて、船にまつわるオブジェが、いろいろ配置されていて、
じっと、座って、佇んでいると、まるで、海の上にいるような気分になってくる。
(奥の帆船は、20世紀の回想のピアノ!)


ピアノも置かれていて(右奥)、ピアノが共鳴していた。
なんだか海の上のピアニスト!
こちらのピアノ、演奏可とのことだったけれど・・・。
弾いてみたいとも思ったが、心がざわざわしたので止めた。



この日最大の収穫は、ここのプロジェクトの「星のオルゴール」
佇んで、しばらく。時折、心地いい電子音が鳴っているのに気づく。
あれは何だろう?と思っていたら、案内役の学生さんが、仕組みを説明してくれた。

全天の星の位置、明るさをオルゴールに見立てて、ここ女木島の子午線を、星が通過するたびに、音が鳴るのだそうだ。
この星のオルゴールは、県芸大の作曲の先生の作品で、東海地方の幾つかのプラネタリウムでも体験できるとのこと。
(緯度によって、見える星が違うから、音楽も変わる!)
今のバージョンは、まだ惑星が入っていないので、惑星対応バージョンへ進化予定。
一つの姿にとどまらず、変化、成長していくのが、ここMEGI HOUSEのコンセプトとのことでした。

コンサートやワークショップも開かれている。
https://www.facebook.com/megihouse.since2010/

先々の様子を、見守りたいプロジェクトだなあ。

=====
その後、案内役の学生さんと、同郷の好みもあって、長い時間、美術・音楽について、話させてもらえたのは、とても有意義だった。
島のアートや芸術全般について、直接、誰かとつっこんで話をするのは、初めてで、実は、そういうことを欲していたんだなあと、思い至る・・・。
ここ数年、瀬戸内アートの島めぐりをする中で、いろいろマグマがたまっていたみたい。(笑)

芸大の講義は、ほんとうに、楽しそうなので、自分の将来の夢としては、芸大に入って、興味のあることを研究することだなあと思ったりもする。
効率一辺倒のビジネスの世界からは見えない興味深い何かが、非効率極まりない芸術の世界には、潜んでいるのは間違いない。
役に立たないことほど、面白い!
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男木島

2018年08月14日 | 絵・写真・美術館
お盆休みにつき、瀬戸内の美術館巡りへ。
昨年に続き、今年のお盆も天候不安定で、アルプスは諦めて、西国へ。
行く気まんまんだったのに・・・。
昨年までの犬島、直島、豊島に続き、男木島(おぎしま)、女木島(めぎしま)へ!


10時 めおん号に乗って、男木島へ向けて、高松港出航!
そう言えば、ASUKAを眺めるのも初めてだった。


男木島の魂(ジャウメ・ブレンサ)


船を待つ待合室の天井なのだけど・・・。
=====


例のおにぎり島(大槌島)
山岳党としては、この島は、見るだけで嬉しくなる(笑)


男木島灯台
30分ほど、島の北端へ歩いて。
木々のトンネルがけっこうあって、そう無茶苦茶には暑くなかった。
日本灯台50選に選ばれるだけあって、品格のある灯台。

=====


カレードスコープ ブラック&ホワイト(川島猛とドリームフレンズ)
華麗なる空間万華鏡インスタレーション!
面白い!


一応、証拠写真(笑)


人間たちは何を織りなしているのか?




何が見えているのか?

=====


アキノリウム(松本秋則)
コエビさん曰く、芸術祭中は、大勢の人が押し寄せて、1時間待ちで、5分しか観られなかったりするとのこと。

午前に観て、あまりにも良かったので、
午後、再訪して、出航を待つ間の1時間半、ほとんど貸し切りで、涼ましてもらった。


竹や木工で作られたミュージックオブジェたちが奏でる、素朴で、優しく、愛らしく、心洗われる音楽。
単純な回転運動から、こういう音楽の世界が生まれるとは!
とても新鮮な音楽空間体験だった!
ウィンドチャイム、ししおどし、からころ回る風車、カリカリなパーカッションや、パンフルート的なの、いろいろだったけれど、
どの楽器も、発想豊かで創意工夫が凝らされていて素晴らしい!
彼らを家に置いて楽しめるといいのに・・・。

特に、このオブジェが、嬉しそうに羽根をバタバタさせて、大合奏になる感じは、忘れられない光景だった!

コエビさん曰く、完成当初からと比べると、竹も木材も乾いてきたことで、
より音が澄んで、心地よくなっているとのこと。
台湾から、飛行機に乗って、何回も訪ねるファンもいるとのこと。
ほんとうに、素晴らしいインスタレーションなので、その気持ち、よく分かる。
男木島にアキノリウムあり!
(この展示が、来年以降も残りますように!)
特に、素朴な香りの音楽に関心のある人は、非常にお勧めできる作品ですね。
=====


自転-公転(リン・ティェンミャオ)
機械の調子が悪いのがあって、それが、面白かった。
確実に進んでいても、勢いをつけて行きすぎたら、揺り戻しもある。止まるときもある。それでも地球は回る。
暑い!

=====


記憶のボトル(栗真由美)
確かに、インスタ映えする作品だと思う。


しかし、暑くて、早々に退散!

=====


部屋の中の部屋(大岩オスカール)
船だけが、普通だった。。。
ここも、暑くて、早々に退散!

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歩く箱舟(山口啓介)
五剣山(左)と屋島(右)の姿は、ここが一番かも?




源平合戦の舞台の屋島は
高松からだと、山か何か分からない、冴えない感じだけれども、
ここから眺めると、なかなか絵になる。

山に言えることは、人にも言える。
冴えない我が身も、いつかは?(笑)

=====


坂の多い路地の奥に、作品が点在してた。

=====

番外編

夜は、たかまつ祭りの 総踊りに遭遇


三越連、Goodだった。
若い人たちが、しなやかに、生き生きと踊りはじけるのは、いいものですね。



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