みちしるべの伝説

音楽と希望は刑務所でも奪えない。

この世界の片隅に

2016年11月28日 | 映画
かなり、いい映画だった。
おっとり、ほのぼのとした、主人公の語り口に、すっかり魅了されてしまった。
第二次大戦のとんでもない時代の中、前向きさを忘れず、明るく、健気に生きる姿には、心を打たれる。
野に咲くタンポポのような、素敵な主人公だった。
すっかりファンになってしまった。

広島の言葉が、とても、穏やかで、可愛らしく響く。
今の競争主義の世の中では、主人公のようなタイプの人は、あまり見掛けなくなってしまった気もする。。。

以前、観た「夕凪の街 桜の国」でも、すっかり広島弁に魅了されたけど、
原作者は、なるほど、同じ「こうの史代」氏だったか・・・。

コトリンゴの浮遊感のある歌声も、作品にぴったり。すずの語り口にもぴったり。よかった。
個人的には、小さい頃、戦艦好きだったので、巡洋艦「青葉」に再会するとは、思わなかった。
伝説の艦長に率いられた、不死身の巡洋艦・・・。いかん、脱線だ・・・。

山には登れない身体なので、観に行くことにしたけれど、本当に観てよかった!
この映画からも強く感じたことだけれども、
When life gives you lemons, make lemonades.
(人生がレモンをくれるのなら、レモネードを作れ!)
の心意気で臨むべし。

とにかく、好きなものに出会えるのは幸せなことだと思う。


呉市美術館より頂きました。
http://www.kure-bi.jp/?cn=100504

映画『この世界の片隅に』予告編


バイオリン的には、まな板バイオリンが、良いですね・・・。

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岩手山の思い出

2016年11月27日 | 
先日、登った岩手山で、やっぱり書き残しておきたいことがあるので、書いておこう。

この日、登りに選んだのは御神坂(おみさか)ルートだった。
一般的な馬返しルートに比べて、静かな山歩きができると思ったから。
御神坂登山口にレンタカーを置いて、登る。
樹林帯を抜けると、澄んだ秋空の下、これ以上の展望は望めないでだろう!素晴らしい景観が広がった。
一年に何日あるか分からない、素晴らしい登山日和。
単独行の登山者同士、思わず、「素晴らしいですね!」と声を上げずにはいられなかった。
それで、たまたま、その方(仮にSさんとしておこう)と知り合うことになった。
Sさんは、シルバーヘアーで、穏やかで丁寧な物腰の方だった。
何となく気が合って、途中から山頂までの2~3時間、つかず離れずで、道中を共にすることにする。

岩手山頂では、下山ルートを相談すると、網張(あみはり)ルートを勧められる。
網張ルートのコースは、ちょっと長いけれど、岩場もある面白そうなルート。
網張温泉の最終のバスの時間はギリギリになると思われたけれど、せっかくだからと思い、網張ルートを下りることにする。

Sさんは、腰に不安があり、登りと同じ御神坂(おみさか)を降りられるとのことだったので、山頂で、お互い、先の道中の無事を祈って、別れた。

Sさんのお勧めのとおり、網張ルートは、変化に富んだ景観が広がっていて、この日の山行の満足度は、何倍もなった。
しかし、時間的には、やはり、ぎりぎり。
途中、かなり飛ばして歩いたけど、網張温泉のお湯に浸かるのは、諦めないといけない雲行だった。
新幹線に乗る前に、さっぱりしたいのだが・・・。

網張温泉に着いたのは、バスの出る20分前だった。
20分では、温泉は無理だなあ・・・と、諦めて、バス停を探しかけていたら、なんと、山頂で別れた、Sさんに再会する。
「時間がぎりぎりのところを、網張ルートを勧めてしまい、もしバスに乗れなかったら、申し訳ないから・・・。」とのことで、わざわざ迎えに来てもらえたのだ!

こういう親切に遇うことは、なかなか無いので、びっくりしつつ、申し訳ない気もしつつ・・・。
御神坂の登山口まで送ってもらえるとのことだったので、Sさんの好意に甘えて、車に乗せて頂くことにする。
レンタカーの返却時刻も迫っていたので、20分でも、とてもありがたい。
一人旅だと、不安も多いので、思いがけず受ける親切は、身に沁みて嬉しい。

車の中では、その方の奥さんと思しき方の遺影が置かれていたのが、妙に印象に残る。
仲睦まじかっただろうに・・・。
複雑な心境だったけど、なんだか、とても羨ましく思えた。少し胸が熱くなる感じ。

御神坂登山口で「また、どこかの山で!」と挨拶を交わして、Sさんの車を見送った後、はたと気がついた。
そう言えば、Sさんは、宮古に住まわれていると言われていたっけ・・・。
と言うことは、大震災で、奥さんを亡くされたのか???

いろいろなことが頭を過って、突然、意味もなく、涙がこみ上げてくる。
多分、想い想われることの深さ、重み、喜び、哀しみのようもの。
旅の途中、全くの不意打ちだった。

まさに、「ふるさとの山(=岩手山)に向かひて、言うこと無し。」
印象に残る山旅になった。
遠路はるばる訪ねてよかった。
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●ピアノを弾くのが楽しくなってきた。

2016年11月26日 | ピアノレッスン
この日はレッスンだった。
このところ、山歩きやオケの練習に追われて、月1回通うのが、やっとな状態。
今回も準備不足ではあったけれど、有意義なレッスンだった。

最近、よく感じるのは、先生の指摘を注意深く守って弾くと、より喜びや感動が増すということ。
何にせよ、粗雑に扱えば、粗雑な反応しか返ってこない。
丁寧に接すれば、何かいいものが返って来る。
特に、名曲には、そういう心を動かし、喜びが増すような、いろんな仕掛けや工夫が、いろいろと盛り込まれていると思う。

この日、見て頂いた、バッハ=ジロティ編のG線上のアリアも、指使いの細かい点に、ジロティのこだわり、工夫が盛り込まれている。
人間の手の構造の制約のなかで、それを逆手にとって、美しくなるような見事な編曲と調和。

今の先生に学べるうちに、いろんな曲をレッスンしてもらい、どう弾くべきか?を読み取る力が、身に着くといいのだけど・・・。
バイオリンの不調をよそに、最近はピアノを弾くのは、とても楽しいんだな。

でも、時間が・・・。
ベト7の譜読みが大変・・・!
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遊佐未森せせらぎツアー

2016年11月22日 | ライブ&コンサート
夜、遊佐未森さんのライブへ。
素晴らしく、いい時間だった。
それこそ、ゆるやかに、夢と希望に包まれた、幸せなひと時だった。
「幸せ」とは、こういうものだったか・・・。

じっと目を閉じて、聴くと、いろいろ心に響いて来る。
久しぶりに聴くから、日々うまく行かないことも多いから、遠くまで歩いて来たから、
いろいろ共鳴するんだろうか???

遊佐さんの音楽に出会って、早いもので、もうそろそろ30年。
30年間の時々のことも蘇ってくる。
聴き続けて良かったし、歌い続けてもらえていることも、ありがたいこと。

新譜の「せせらぎ」の曲にも、すんなりと馴染んで、すっかり好きになってしまった。
無条件で好き!と感じるものが増えるのは、嬉しい。

よく知られた「地図を下さい」の歌詞に耳を傾けてみると、
主人公は、欲しいものを諦めて、地図を求めたんだな。
幸せの在りかを記した地図を。

「ロカ」は、この世に存在する5拍子の中で、一番幸福な5拍子かも?
「赤いジャム」と遊佐さんの赤の衣装が、よく似合っていた。

サポートのティコ・ムーン吉野さんのハープもたくさん聴けた。
ハープの芯の詰まった高貴な音色も、大好き。

幼さと成熟の見事な調和が、遊佐さんの歌声の魅力だろうか???

「男たちの切ない足取りにも、娘たちの苦しい胸の奥にも、
子供たちの果てない希望(あこがれ)にも、」
灯りが灯りますように!

悪いことがあるから、いいことのありがたみが一層感じられる。
今宵のこの幸せのパワーでもって、傷も癒えますように!

せせらぎ
クリエーター情報なし
ヤマハミュージックコミュニケーションズ



このアルバムもいい!

@BL cafe
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雨上がりの天王山

2016年11月20日 | 
この日は、早朝、美濃の天王山へ。
たかだか500メートルそこそこだけど、かなりの急登で、いいトレーニングになる山。
最近、よく足を運ぶようになった。


早朝6時45分。登り口の大矢田神社
美濃の紅葉の名所
霧が出て、天気は今一つ?


途中、大かえでの下で
日が出てきたみたい。


朴の木の落ち葉がたくさん。


山頂はもうすぐ


山頂に着いたら、大雲海にびっくり
500メートル級の山で、これほど見事な雲海を眺めたのは初めてだと思う。


名駅の高層ビル群が、雲海の上に浮かんでいたっけ・・・。


高賀三山方面も大雲海だった。


こういう綺麗なお椀の蜘蛛の巣を見るのは、はじめて。


神社に戻る。


8時半過ぎにクルマに戻る。

早朝の3時間、気持ちのいい汗をかいた。

=====
しかし!
下山時、滑って、転倒してしまう。
立木に激突。
わき腹を強打。ひどく痛めてしまう。

いろんな動作をするときに、激痛が走る。
ピアノの蓋を開けられない。バイオリンの弓を動かすのも辛い。
ズボンが脱げない。靴下がはけない。寝返りをうつのが辛い。
咳、くしゃみは御法度。

幸い、これ以上ひどくなる気配なし。
日にち薬かな?
この程度のけがで済んだのは運がよかった。

歩き慣れた道の方が、よく転倒するなあ。
実は、体中、痛い所だらけ・・・。
そういえば、負傷した日は、よく眠れるなあ。
傷を治そうとして、眠気誘発物質がたくさん出るんだろうか???

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秋佳日・位山

2016年11月13日 | 
好天に誘われて、訪ねてみた。
位山(くらいやま)は飛騨の名山らしいが、人も少なく、静かな山歩きを楽しめた。


スタート地点。いい山になりそう。


スキー場斜面脇の登山道は、展望は素晴らしい。


兎にも角にも、この山の魅力は、北アルプスの大展望に尽きる。


笠ヶ岳のあまりに均斉の取れた山容が、目を惹く。


乗鞍の優しい女性的な山容


男性的な御嶽。乗鞍よりも遠いはずなののに、迫力のある図体に驚く。


笠ヶ岳、槍ヶ岳、穂高連峰
涸沢岳と前穂吊尾根を従えた、奥穂高はまさに王者の風格が漂う。


朝方、高山市街は雲海の底だったっけ・・・。


一応山頂
ここは展望なし。


加賀の白山遠望


白山展望地は、静かで、忘れられた土地の趣だった。


ススキの群落も、綺麗だった。

遥かに遠く、純白の大日岳と、雪を寄せ付けない岩壁の剣岳は黒っぽく見えたのも印象的だった。
北アルプス最奥の山、水晶岳との懐かしい再会も、嬉しかった。

双眼鏡で検分すると、いろいろ細かな発見もあったっけ。
西穂高山荘と思しき赤屋根
涸沢岳の奥の北穂・・・。

道はよく整備されている。
あまりに良すぎるので、往復9キロほどの道は、快速で進む。
トレランの大会が開かれるのも頷ける。
きわめて、ゆるる、な感じの道で、落ち葉が膝にやさしく感じる。
ただし、スキー場脇を除いて、展望はなく、その点は残念。

個人的には、200名山への挑戦、始動。

=====
<アクセス>
・東海北陸道経由140キロ、2時間半
・41号経由120キロ、3時間
・モンデウススキー場からの往復4時間
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◎停滞

2016年11月11日 | ヴァイオリン
ここ数ヶ月と言うか、1~2年、ヴァイオリンの調子が思わしくない。
上達が感じられない・・・。急ブレーキが掛かっているような感じ。
録音を聴くたびに、落ち込んでしまい、精神衛生上も、よろしくない。
ヴァイオリンの上達しなさ加減は、このところ、すっかり悩みの種になってしまった。
山登りをして、なんとか、ヴァイオリンの憂さを晴らしているのだけど・・・。

とほほ・・・。

だけど、ため息をついていても、仕方ないので、
基本に立ち返って、都度のレッスンの内容を、ちゃんと振り返って、身に着けてゆくべし。
と言うことで、ヴァイオリンのレッスン記。

=====
・音程改善
 ・力を抜く。特に1の指。
 ・親指の付け根を下げる、離す。肘は奥に。左手首を上げる。指は上から。
 ・カエルの指先へ!?
 ・小指が薬指にくっつきすぎると、薬指の音程が下がる。小指の独立。

・大切な音のビブラートは、音の際まで!
・大切な音が、しっかり発音できているか?
・ピアノのところ。ぼんやりではなく、くっきり、すっきり発音できているか?
・白い音(八の字でたっぷり、膨らみをもたせる音)、頭が不自然にアクセントにならないように。
・フレーズの終わりのスラー
 弓配分。おしまいの音の弓は少しだけ。

・駄目なところの、原因(移弦?になっているところの動作だけを取り出して、さらってみること。

・マルテラート
 発音。弓を置く。弓を浮かせない。全ての音を同じ音価で。

=====
ヴィヴァルディのト短調1楽章は、発表会の中断を挟んで、もうかれこれ10ヶ月になるけど、いつまで続く?
(好きな曲だから、いいけれど、毅然とした1楽章は性格的に苦手かもしれない。)
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がっかり

2016年11月09日 | 雑記
3時過ぎのオフィス、いつもは政治には少しも関心のなさそうな、若い子が、トランプが勝ったことを、口にする。
そのくらい、今回の選挙戦は関心が高かったか・・・。

それにしても、とんでもない番狂わせだ。
内心、アメリカ人の見識にがっかりする。

上に立つ者には、一種のカリスマ、品格が求められると思うので。
この人なら、ついて行ってやるか!とか、不利益を被っても仕方ないな!と思わせる何かがないと、と思うので・・・。
(だから、自分は選挙の時は、政策は二の次で、面構えや人柄で選ぶようにしてる。)
(どんなに正しく、素晴らしいことでも、下衆な人に言われると、受け入れたくなくなるから。)

まぁ、ドイツの人々だって、ヒトラーを指導者に選んだのだから、アメリカ人を非難するわけにはいかないけれど・・・。
この先、ひどいことになりませんように。

しかし、そもそも、自分の中のトランプ像(品性のかけらもない、悪役スター?)は、マスコミが作り出した虚像かもしれないし、
本当は、大統領に相応しい資質を持ち合わせているんだろか???

あと、大統領選でも、こういう番狂わせが起こるわけで、
例えば、我が身にも、どんでもない壮大な番狂わせが起こるかもしれない、と思うことにしよう。
(いい方向の番狂わせが!)

とにかく、ほんとうにがっかりしたので、政治のことを書いてしまった・・・。
それから、もうアメリカ英語は覚えてやるもんか!
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みのりの秋の音楽会

2016年11月06日 | ライブ&コンサート
この日は、お気に入り、井波さんのライブへ。

心から好きな音楽があること、そしてそれを生で楽しめるのは、幸せなことだと思う。
対バンのいわいあや子さんの夜、そして井波さんの昼は、言い得て妙だった。
いわいさんの個性に照らし出されて、今まで、気付いていなかった井波さの魅力に、気付かされる。
俳句ではないけれども、ライブでも、取り合わせの妙と言うことはありそう。

アンコールで、いわいあや子さんの伴奏にいなみさんピアノが入って、
音楽が、和やかな雰囲気に変わったのも興味深かった。
慣れ親しんだ、ピアノの音色のせいか? 独特のまろやかな井波節のせいか?
恐らくその両方だろうけど。

あと、いわいさんのMCが妙に心に引っかかったのだった。

「自分を卑下することは、一緒に誰かを卑下すること。
 自分を育ててくれた親を卑下すること。
 卑下することは、地雷を踏むよなもの!」とかなんとか・・・。

久しぶりに聴いた「ガーデン」
楽曲の持つ、広い世界も素晴らしいけれど、
ガーデンの「命を燃やして明日を望み、今日を慈しみ 、昨日に愛され・・・。」
この歌詞は、素晴らしい!
母の気持ちも込められていたか・・・。
自分が映画監督で、「秘密の花園」を映画化するなら、間違いなく、この曲を使うだろうに…。



=====
この日は昼まで、オケ練だったので、慌ただしかたけれど、足を運んで、よかった!
家に籠っていても、結局は、惰性で、楽器を練習してただけだろうから・・・。
個人的にはクオレづくしの一日だった。
限りある時間なので、日々を、なんとなく過ごしてしまうのではなく、なるべく濃く、深く、刻んでいけたらと思う、今日この頃。

@串太郎@摂津富田
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