みちしるべの伝説

音楽と希望は刑務所でも奪えない。

遊佐さん銀河手帖ライブ

2009年07月20日 | 音楽
夕方、名古屋クラブクアトロへ、遊佐さんのライブに出掛ける。
今回は、実にいいライブだった。

開場前、階段に並んで待つのは惨めな感じで(遊佐さんのライブに集まるのは、たいていが切ない感じの男たちで・・・)、開演直後も電気の大きな音に違和感があって、サイレントのチェロやベースも楽器の骸骨みたいに見え、今回はつまんなくて、もう遊佐さんのライブは最後かな? などと後向きであったのだけど、途中から、ぐんぐん引き込まれてしまい、終わってみれば、とても素晴らしいライブとなる。

ここ数ヶ月、猛烈仕事モードで、すっかり忘れていたのだけど、確かにあるのだ。
こういう優しさ、温かさ、思いやりが調和した世界が。
心の窓を曇らせなければ、きっと。
遊佐さんの音楽は、希望の世界へのみちしるべ。
扉を開いて、希望の光を見失わず、確かな足取りで前へ!
そういう温かいメッセージにあふれているように感じたライブでした。

個人的に泣ける曲筆頭の、クロの"つぶらな瞳"や星になるところ、Island of Tears and Hope の別れの船出には、やはりホロリとする。
扉も良かったし、I'm here with youも名曲。
ミナヅキのアジサイのしっとりとした情緒よし、快活なリズム感のTell me whyよし。

弦楽器なんでもござれの渡辺等氏は見事で、マンドリンのトレモロには惹きつけられる。

遊佐さんには青も似合うし、オレンジの衣装でフランダンスを踊る遊佐さんは、ブーゲンビリアの花の精の化身かと思った。ユラユラゆれる踊りを眺めていると、なんだかインドの古典舞踊を見てみたくなる。

遊佐さんの音楽の源には、エニシダやあじさいやら、いろんな美しい花たちからあるんだなあ・・・。

まあ、ライブの印象は、その時の気分に左右されるので、今日はいいものを受け入れられる心の状態だったんだと思う。
ありがたいこと。
さあ、明日から、システムリリースの8/15に向けて、頑張らねば。

銀河手帖(初回限定盤)(DVD付)
遊佐未森
ヤマハミュージックコミュニケーションズ

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鉄のバイエル

2009年07月19日 | ピアノ
鉄のバイエル(鉄道発車メロディ楽譜集JR東日本編)を少し前に手に入れたのでした。
駅のフォームで流れる有名なメロディーを弾いていると、気分は、すっかり東京人。

この楽譜、ピアノ用に首都圏の駅の発車メロディーをまとめたもの。
自分は東京に出ることは年1回あるかないかぐらいだけど、それでも親しみのあるメロディーが次から次から流れてくる。すべて耳コピらしいけれど、素晴らしい(?)仕事だ。

お気に入りの駅メロ?は、
Ciello Estrellado と Verde Rayoで、

Ciello Estrelladoの、Estrelladoは星空かな? Cielloは何だろう?

Verde Rayo は、スペイン系の言葉? 緑の稲妻でいいんだろうか?東京駅の地下フォームに、緑の稲妻が鳴り響いていたとは!

そう、あと、鉄のバイエルというネーミングも面白く、これは、無印バイエルへの挑戦状と見た。
JR東日本の駅メロの音楽的水準は、無印バイエルの上を行っていることは間違いなく、自分がピアノの先生だったら、この本を教材に使いそう。
無印バイエル、危うし!かも。

東京には、なかなか行けない地方の皆様、ピアノで山手線一周されてみては?
この楽譜で楽しく脱線!できることは、請け合いです。

鉄のバイエル―鉄道発車メロディ楽譜集 JR東日本編
松澤 健
ダイヤモンド社

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新幹線編も欲しいなあ。
JR東海がJR東日本に吸収合併されないかな・・・。(笑)

JR東日本 駅発車メロディメドレー


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忘れ難いヒロイン

2009年07月18日 | 俳句・短歌
詩の紹介です。
北村薫氏が141回の直木賞受賞となったけど、少し前に読んだ氏の本で紹介されていた詩がとても印象深かったのでした。
ただし、暗い話なので、気落ち気味の方は読まれませんように。
集団
ホアンはテレサを愛していて テレサはライムンドを愛していて
ライムンドはマリアを愛していて マリアはホアキンを愛していて ホアキンはリリーを愛していて
リリーは誰も愛していなかった
ホアンはアメリカ合衆国へ行ってしまい テレサは修道院へ
ライムンドは思いがけない事故で死に マリアは独身でとおし
ホアキンは自殺し リリーは平凡な男 J・ピント・フェルナンデスと結婚した
カルロス・ドルモン・ジ・アンドラージ(田村さと子・訳)

この詩に対して、氏の寄せた感想は、
愛する者たちが、次々と挫折する姿はわたしたちを引き付けます。いってみれば、これは愛に収斂(しゅうれん)して見せた、理想と現実のドラマです。理想は人間にとって、手の届かぬ高みにあるものです。だからこそ、ここにある痛ましさに、胸を打たれるのではないでしょうか。そして<<自殺し>>の次にあるのは、誰も愛さぬリリーが、<<平凡な男>>と結婚したという、まるで田舎町の新聞にでも出てくるような事務的な言葉です。
 リリーは、きっと恐ろしく、ものの見えている女性なのでしょう。理想というもの、もろさ、あるいは極論するなら、うさん臭さを知っている。だから、孤独なのです。リリーは、その認識によって、すでに生きながら<<自殺し>>ているのでしょう。
 この詩の怖ろしさは、そういう独りぼっちの人間だけが、結婚し得るところにあります。
 (中略)
 愛の詩は、世の中に数多くあります。しかし、このように見事に、夢見ぬ心を、愛の荒涼を、歌いきってしまった例は少ないのではないでしょうか。
 ここには、紛れも無く、ある方向から見た人生の真実があり、哀しみがあります。リリーは泣かずに、死の時まで生きて行くことでしょう。しかし、それを見つめる読者の心は震えます。
 ここにも忘れ難いヒロインがいる、と、わたしは思いました。


氏の明晰な文筆、冴えている。
見えすぎるということは、怖いことであり、哀しいこと。
この文章に触れて、リリーの詩は、忘れ難いものになったのでした。
常々、人の営みも一種の芸術のように感じられるのだけど、リリーが”心の鎖”を断ち切る時の音は、どんなだっただろう?

10年ほど前のちょうど今の時期、自ら命を絶った友のことが思い出され、複雑な思いになるのでした・・・。
歳を重ねると、だんだんと生者と死者の境が薄らいでいく。

蝉時雨 音の向こうの黄泉の国

愛すべき妻なし子なし蝉時雨

暗い話で、申し訳ありません・・・。

詩歌の待ち伏せ〈1〉 (文春文庫)
北村 薫
文藝春秋

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詩歌の待ち伏せ〈上〉
北村 薫
文藝春秋

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受賞作は読んでいないのだけど、六の宮の姫君は、氏の文学の素養に圧倒されつつ、健やかで爽やかなミステリー。文学の香り高い傑作でした。

読みたい本、たくさんあるのだけど、時間がない・・・。とほほ・・・。
まあ、本は映画と違って、旬を逃してもいいから、安心だけど。



六の宮の姫君 (創元推理文庫)
北村 薫
東京創元社

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鷺と雪
北村 薫
文藝春秋

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新しいことを

2009年07月12日 | 近況
実は、ある楽器を始めようとしています。
仕事と休日の単調な繰り返しに、どうも飽いてしまって、何か新しいことを始めたい気分でもあるのです。
ピアノはもちろん止める気はさらさらなく、地道に続けて、自分がどこまで伸びられるのか、実験は続くのですが・・・。
新しいことにも挑戦したい!

それで、今日は教室を見学に行ってきました。
相性の良さそうな先生に出会えるかな?

La Noyee - Yann Tiersen


嗚呼・・・、ハートを鷲づかみ、なのでした・・・。
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アメリの楽譜~図書館の楽譜

2009年07月09日 | 音楽
先の記事のつづき。
早速、アメリの楽譜を捜し求めるも、絶版か・・・、残念・・・、と思いきや、幸い名古屋市の図書館で発見、入手したのでした。
お気に入りの音楽の楽譜がすぐ手に入るなんて、運がいい!

名古屋市の図書館はネットで予約できるし、楽譜もいろいろありそうなので、活用度大かな?
例えば詳細検索で、書名:ピアノ、分類コード:763、で検索をかけると楽譜類が700冊、出てきます。

それにしても、ヤン・ティルセンのライブ、とてもいい。
ピアノ、アコーディオン、バイオリン・・・。
縦横無尽で、なんて自由なんだろう!
型にはまらない大きなところが、たまらなく魅力的。
荒野を吹きすさぶ風の音楽だなあ。

これを間近で感じたら、さぞかし血湧き肉踊っただろうに・・・。
普段、行儀のよいクラシックピアノを弾いてる反動?

伝説のザバダックが海を渡ってフランスで蘇ったような・・・。

Yann Tiersen-live aux eurock rue de cascades


Yann Tiersen-live aux eurock 2001


映像の関係で、後光が差しているようでもありますね。

好きな音楽に出会えて、ありがたいと思う。
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ピアノ事情

2009年07月05日 | ピアノレッスン
ピアノブログを謳っている以上、書いておかねば。このところのピアノ事情を。

8月まで仕事のラッシュ状態で、休日も怪しく、予定が立たないので、レッスンはお休み。
平日は時間がなくて弾けないけれど、時間のある休日は、ぼちぼち、というのは嘘で、引き篭もって、けっこう弾いているのでした。

今月末のピアノ会の出し物、3曲も決定。
重いのは間に合わないので、お気に入りの映画のメロディーと慣れ親しんだショパンで。

今日は、終日、昔弾いた曲の思い出し弾きや、レッスン再開に向けて曲の仕込みやら、いろいろ。
ピアノを弾く時間は楽しい時間で、ありがたいことだと思う。

レパートリの曲を忘れないようにする。
いつかレパートリに入れたい曲を、少しずつさらう。
たくさんの曲をやるのが上達の早道だと思う。

・マズルカ41番(ショパン)・・・ピリスさんのリサイタルに触発されて
・ワルツ5,7,9,10,14番・・・5番の最初の主題はやっぱりたまらない・・・。好きすぎる。
・エチュード1,2番・・・2番は今の仕事の状況とシンクロ。片付けても片付けても、
もぞもぞもぞもぞ押し寄せてくる仕事・・・。
・仮面舞踏会・・・真央ちゃんの曲。ピアノスタイル版で。魅惑のメロディーで、この不穏な押し寄せ感も、今の仕事みたい・・・。
・ティコ・ティコ(ラテン)・・・速弾きの限界に挑戦!
・ロミオとジュリエット(映画)・・・ニーノ・ロータのこの旋律を奏でるのは長年の夢でした。悲しみと慈しみの心で弾く。
・アメリのワルツ(映画)・・・フランスの切ない街角だ・・・。
・ピアノレッスン(映画)・・・同じく、フランスの切なさがたまらないのです。
・スターライト・ワルツ(ギロック)・・・年甲斐もなく、気分は、舞踏会デビューの女の子。
・リベルタンゴ(ピアソラ)・・・復活を目指して。ラテンは血が騒ぐぞ!
・月光ソナタ3楽章(ベートーヴェン)・・・いきなり本丸へ突入?恐らく凄まじい高揚感がやってきそうな予感。
・間奏曲Op118-2(ブラームス)・・・滋味深く、それでいてロマンチック。ブラームスのクララへの深い想い・・・、

すっかりフランス患いになってしまった・・・。
アメリのワルツ(La valse d'Amelie)


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