みちしるべの伝説

音楽と希望は刑務所でも奪えない。

ケルトの祈り~アヌーナを聴く

2009年11月27日 | 音楽
アイリッシュのコーラス・グループ、ANUNA(アヌーナ)
千年の時を経て蘇る中世ケルト音楽の神秘・・・。
聴いて来た。

息をのむ美しさで、言葉もないというか・・・。
ケルトの深い森の奥、深く立ち込める霧、深い闇に最初に現れる朝の兆し、神秘的で限りなく透明な湖・・・。
そういう世界の音の精が、姿を現したような感じ。
音楽が音楽になる前の原始の音の世界?
慣れ親しんだ音楽とは、全然、別の芸術に触れた感じ。

思えば、西洋の正統派な音楽には、なにがしかの作為があることに気付かされる。
今夜は違った。押し付けがましくないし、媚びてないし、背伸びもしてない、大げさでもない。

正面から聞こえてくる普通のコンサートと違って、客席から立体的に響いてくる演出はとても新鮮で、不思議な感覚・・・。
こんなのは初めてだった。
人の声は、ただ普通に響くだけで、十分美しい。女声も男声も。
ビブラートのない、すっきり、のびやかな歌唱、なんて素晴らしいんだろう。

運のいいことに、今宵名古屋は、来日公演の初日。
この先2週間ほど、神戸、松本、横浜、筑波、焼津、東京、各地を巡回か・・・。

もう一度、行ってみようかな・・・。
ん~、駄目だ・・・、取り憑かれてしまったかも・・・。

(追伸)焼津公演、申し込んでしまった・・・。(笑)

@名古屋・しらかわホール
今回のパンフレット

ウィンター・ソングス

プランクトン

このアイテムの詳細を見る
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●レッスン 月光ソナタ終楽章、3回目

2009年11月24日 | ピアノレッスン
この日はレッスン。

・チェルニー40-37(上声部の跳躍練習)
×。結局、駄目だった。ん~、なんてこった・・・。まあ、練習不足なんだけど・・・。

・ベートーヴェン:月光ソナタ終楽章
なかなかバシッと弾けない・・・。
 ・左手が旋律のところ、遅くなってしまってる。
 ・変に溜めてしまわない。一気に。
 ・意識が先に、先にいってしまっているところあり。しっかり音を感じるべきところは感じて。

このところ、スケ2を再び取り出していたりで、寄り道が多く、本業の曲が疎かになってしまてる・・・。
ピアノ会も近づいているのに・・・。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

京都へぶらり(洛北・巡礼の旅)

2009年11月23日 | 
この日、京都へぶらり。
訪ねたのは、曼殊院~圓光寺~詩仙堂。
どこも、良いところ。人が多いのは、仕方ないけれど・・・。

曼殊院(まんしゅいん)
庭園では、曇ってて、人が多くて落ち着かなくて、それほど良さを感じない。
良尚親王の隷書は、ついつい見入ってしまう。あと禅カレンダーにも・・・。
拝観を終えて出たところで、日が差して、あぁ、これだ、これ!と思う。
光に透かされて、紅葉が赤に輝く様子は本当に素晴らしい!

圓光寺

和やかに迎え入れてくるような温かさがある。
ここの水琴窟は素晴らしい。七色の玉が華やかに弾けるよう。聴き応えあり。
見晴台からの京都を一望する眺めもいい。

詩仙堂


侘びの中にも粋な調度のしつらえ、見飽きない感じ。
とんでもなく人が多かったので、少ないときに、じっくりと書院を観察してみたいなあ・・・。

他、今回の写真はこちらです。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

正弦曲線

2009年11月22日 | 
自分は弦楽器の音色がとても好き。
なので、この音楽ブログに、「弦」にまつわるあれこれを集めるのは、理にかなったことでしょう。
現代数学の「超弦理論」のお次は、古典数学の「正弦」へ。
堀江敏幸氏のエッセイに「正弦」を語った興味深いエッセイがあったので、メモります。
氏は、芥川賞作家で、クラシック音楽への造詣も深い方ですね。

堀江敏幸「正弦曲線」 優雅な袋小路-正弦曲線としての生
 三角関数を習ったとき、そのなんたるかを理解するより先に、サイン、コサイン、タンジェント、という魔法のような言葉の響きに私はまず魅了された。カタカナ表記では、三文字、四文字、六文字と順に語数が増えていく。最初の二つの「ン」のやわらかい脚韻が最後にぴたりと締まる音のならびの、切れ味とリズム。直角三角形の、直角ではない角のひとつを基準にして辺と辺の割合を考える際の視線の飛ばし方の不思議が、三つの呪文にさらなる力を与えていたといっても過言ではない。
 サイン、コサイン、タンジェント。
 巨人、大砲、卵焼き。
 ひとつまちがうと、一気に日本の1960年代に戻ってしまいそうだが、しかしさすがに歴史の重みからいったら比べものにならない前者には、そのような、ふわふわもちもちした物語の介入をきっぱりと拒む、端正な抽象化の匂いがある。そればかりではない。サインは正弦、コサインは余弦、タンジェントは正接と、いずれも漢字2文字熟語からなるうつくしいべつの顔を持っていたのだ。カタカナの音のつらなりがどんなに心地よくとも、正弦という字面のすばらしさはまことに捨てがたかった。
・・・中略・・・
日々を生きるとは、体内のどこかに埋め込まれたオシロスコープで、つねにこの波形を調べることではないだろうか。なにをやっても一定の振幅で収まってしまうのをふがいなく思わず、むしろその窮屈さに可能性を見いだし、夢想をゆだねてみること。正弦曲線とは、つまり、優雅な袋小路なのだ。


盲点だったと思う。「弦」で接していた音楽と数学。
なんて優雅なサイン、コサイン、タンジェント!
ただの弦ではなく「正しい弦」ですぞ! 「正弦」の言葉の奥に広がる魅惑の世界。
芸術=制約の中での自己表現?に収束する最後の締めの一文も、ゾクッとする。

物静かで明晰な思索は、読んでて、うっとり。
こんな一文を読むと、堀江氏のファンになってしまうな・・・。(と言いつつ、この本、読み切れてないけど・・・)
弦の響きに親しむ時、また新たな倍音が加わりそう。

卑近な例で申し訳ないですが、最近、吉野屋の注文で、「なみ、たまご、けんちん」という3語パターンが定番になっていたので、ささやかに縁を感じつつ、格調高い「サイン、コサイン、タンジェント」から見ると、海賊版の海賊版の海賊版ぐらいに情けないですね。(笑)

正弦曲線
堀江 敏幸
中央公論新社

このアイテムの詳細を見る
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

遊佐さん秋の銀河手帳ライブ

2009年11月18日 | ライブ&コンサート
仕事をきっかり6時に終え、ダッシュで会場に向かう。

本日の遊佐さんは、赤とオレンジの、まるで南イタリアを思わせる明るい衣装。
衣装、そのままに明るい気持ちになるライブだった。

少しお酒を入れて、ほわんとした体で、遊佐さんのほんわりした歌声を楽しみ、幸せであるなあと思う。
遊佐さんと楠さんとのほのぼのトークに心が和む。
お二人の、微妙にずれているような噛み合っているようなトークは、ほとんど名物の域に達してますね・・・。
(今回はマイケル特集?)

席は2列目。近いがために遊佐さんと目が合ったのでは?とドキっとしてみたり・・・。
ピアニストの靴が山靴のような凄い靴で、あれでペダルが踏めるのか?と訝しんだり・・・。
なども、あったけど・・・。

これを書いていて、そう言えば、仕事で嫌なことがあったことを、すっかり忘れてしまっていたことに気づく。
遊佐さんはミューズの化身でありますね。


名古屋ブルーノート 18:30~

銀河手帖(初回限定盤)(DVD付)
遊佐未森
ヤマハミュージックコミュニケーションズ

このアイテムの詳細を見る
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

虹立ちて

2009年11月15日 | 音楽
ラジオから、Somewhere Over The Rainbow が流れてくる。
なんて、やさしい歌声なんだろう。肩の力が抜けるなあ。
イズラエル・カマカヴィヴォオレ(Israel Kamakawiwo'ole)、もう亡くなられてるんですね・・・。

Israel Kamakawiwo'Ole 'IZ' 'Somewhere Over The Rainbow' HQ


歌詞はこちら

Facing Future

Mountain Apple

このアイテムの詳細を見る



虹たちて忽ち君の在る如し
虹消えて忽ち君の無き如し

虹消えて音楽は尚続きをり
虹消えて小説は尚続きをり
(虚子)


虚子の虹の俳句、恋心を歌たった名句。
何も言うことはなし。

それにしても、なんて、いい歌なんだろう。

Somewhere Over The Rainbow What A Wonderful World

ブラッド・ピット、ついつい見惚れてしまうなあ。
もちろん女優さん(クレア・フォラーニ )も。
ジョー・ブラックをよろしく?


Over The Rainbow - Aselin Debison Fan Music Video

CDに比べると、かなり音が悪いですが・・・。

Sweet Is the Melody

Sony

このアイテムの詳細を見る

アゼリン・デビソンのOver the Rainbowも愛聴してます。
カナダの大自然の中、そよ風が吹き抜けていく・・・。

この曲を口ずさんでいると、
どこまで歩いて行けるような気がする。
どこまでも走って行けるような気がする。

この歌を歌うために、ウクレレを練習するのも、ありかもしれない。

(追伸)
NHKのリーマン予想の番組を見ていて、びっくり。
虹とリーマン予想につながりがあるんですね・・・。
と言うことは、虹と音階もつながりがあるのか??
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

音楽に連なる俳句

2009年11月14日 | 俳句・短歌
5・7・5のたった17文字で世界を鮮やかに描き出す俳句。
その潔いところが、好き。

最近、俳句収集は、さぼりぎみでしたが、
セントラル愛知交響楽団のパンフレットで見つけた俳句が、極めてツボだったので、このブログに飾ることにしました。

出典はこちらです。
聖五月森をフーガの駆け巡り

ハイドンの聞こえくる窓走り梅雨

夏空に百人(もろびと)の声ひびきけり

仲秋や祈りの声は闇に消え

ざわめきを海に沈めて秋深し

五線譜の彼方に続く冬銀河

鳥引きて湖(うみ)に波音戻りけり
 (俳句:齊藤一郎・俳句監修:片山由美子)


そらみみ特選は、「五線譜」の句だろうか。
ほんとうに見事。
思い浮かべて下さい。空に流れ出す音楽が、星空に連なり、やがては銀河になる情景を。
ロマンチックすぎ。

「仲秋」の句も「仲秋」「祈り」「闇」の取り合わせが素晴らしい。
祈りが闇に消えた後の静寂。こういう静かさの中に神は宿る?
ピアノでも、最後の音は、こんな感じで、余韻を感じたい。

「走り梅雨」は、「ハイドン」のおかげで、なんだか明るい梅雨空に感じられる。
そうだ。ハイドン・パパのユーモア、弾いてみたかったんだっけ。

「聖五月」の句、五月の森と掛けて、フーガと解く。山歩きする身には、この感覚は良く分かります。
森って、フーガ的なんです。

ということで、久々の俳句鑑賞でした。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

天から降る音の粒子

2009年11月12日 | 音楽
日経の夕刊、経済欄は素通りしても、文化欄はなるべく読むようにしているのでした。
今日は、名フィル(名古屋フィル)の公演の感想で、改めて、音楽っていいなあと思うのでした。

2009/11/12日経夕刊 天から降る音の粒子(音楽評論家:上田智美)
思いもかけず私のうち深くを揺るがしたのはリャードフと武満徹の作品である。
 まず前者の『魔法にかけられた湖』の第1フレーズが奏でられたとたん、キラキラ繊細にさざめく音のヴェールにすっぽり包みこまれてしまった。オープニングは日常から非日常への懸け橋を担う大切な場面だが、今回ほど瞬時に魔法をかけられたようなワクワク感を味わうのもめずらしい。指揮者の卓越した業か曲の抱く魔力なのか、おそらく双方がみごとに調和した幸せな例だろう。
 ゆらゆら揺らめく水面に反射する光のスペクトルがあまたの鈴のように一斉に鳴り響き、細かく砕けた音の粒子が天から降り注いでくるようだ。このふしぎな感覚は、次の武満の『ア・ストリング・アラウンド・オータム』において、もはや音楽という枠を超えた次元に私をいざなう。
 ふと思い浮かんだのは、この宇宙のすべてを11次元の空間のなかで震える「ひも」の調和振動と考えるストリング理論だ。物理学者ブライアン・グリーンいわく、極微小なストリングは時間と空間の「破片」であり、ストリングの存在する規模では時間も空間も溶けてつかみどころのないものになってしまうらしい。今井信子のヴィオラ=ストリングが、オーケストラの響き=宇宙のなかで静かにたたずみ沈黙し、ふたたび沈黙をやぶって絶え間なく揺れ動く。その緻密なゆらぎとともに宇宙のなかに溶けこんでしまうかのような玄妙な趣に包まれた。


音楽評論の正しき姿。
素晴らしい音楽から、より素晴らしい世界への誘い。
音楽の果ては、物理学や数学との境界もおぼろげになって、宇宙と溶けていくのだ。

「時間と空間の破片」とか、「時間と空間が溶ける」とか、最先端の物理学が詩の世界に近いのはふしぎ。

いつの日か、こんな境地で、音楽を楽しめる日が来るといいなあ・・・。
ピアノを続けることの楽しみは、こういう世界に近づけること。

また音の魔法にかかってみたい。

アルバムの綴り~ロシア・ピアノ小品集
トロップ(ウラジーミル)
コロムビアミュージックエンタテインメント

このアイテムの詳細を見る


このアルバムに入っていたリャードフの小品、好き。

超弦理論・・・な、な、な、なんじゃらほい???
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●レッスン 羊4回目&月光ソナタ終楽章2回目

2009年11月10日 | ピアノレッスン
一応、ノルマのレッスンメモです。

・チェルニー40-37(上声部の跳躍練習)(カッコウエチュード)
×。残念。上声部をもっと出して!
チェルニーだからと、油断してしまっていた・・・。

・バッハ(エゴン・ペトリ編):羊は安らかに草を食み(BWV 208)
4回目。重音のところの旋律の浮き出しもよくなって、良いのでは!との仰せ。
先生は、はっきり合格を出してくれないけど、合格だろうか・・・。
でも、来月のピアノ会に向けて、練習は継続せねば。
この曲は、ほんとうに心が安らかになる曲で、末永く弾き続けようと思う。

・ベートーヴェン:月光ソナタ終楽章
2回目。
 ・最初のテーマの右手、はっきり出るようになったけど、もう少し弱く
 ・同じ音型が繰り返されるところ、同じように、ちぐはぐにならないように
 ・全般、ぱさつかないように
といったところ。
普段はスローテンポで練習しているためか?、どうも曲全体の流れが掴みにくくなってしまっている・・・。
ミスタッチが多いところ、打率向上させよう。

あと、再び「壁を下さい」問題が再発なのでした。


婚活のしわ寄せで、ピアノの進みが遅くなるかも?と雑談。
帰ったら真夜中の0時。眠かったのに、なんだか目が覚めてしまう・・・。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

京都大原巡礼・音楽に親しむ旅

2009年11月03日 | 
ぼやぼやしてるうちに、1週遅れになってしまいましたが、
11/3の文化の日は、京都の大原を訪ねました。
地下鉄烏丸線の終点からバスを乗り継いで20分ほど。
この日は、とても寒かった。
紅葉は、ようやく色づきはじめ、といった感じ。
多くのカエデは、まだ、青々していました。

三千院は、その落ち着いた佇まいや庭の雰囲気良く、いいところだなあ。
特に、一番奥の二十五菩薩石庭は見飽きることのなく、去り難し。



宝泉院

では、音にまつわる体験が2つほど。
その1 理智不二の水琴窟。竹筒に耳をあて、地中深く、理知と慈悲の調和の音を楽しみます。
その2 石の楽器。木琴のようにバチで、石を叩きます。とても不思議な調律が施されていて、
 (正確には、そういう長さ?質量?のいい音がする石が選ばれている)
 普段の平均律に慣れた耳には、とても新鮮な響き。
 ついつい、童心に帰って、ドレミファソラシドを探してしまいました。

来迎院
では、定番ですが、鐘をつきました。
鐘の音の、震えが、細い糸のように、少しずつ静まってゆくのは、無限に通じる体験ですね。

香雲ミニコンサート
あと、折良く、蓮成院というお寺で、香雲ミニコンサートが行われていたので、覗いてきました。
この日はピアノ・バイオリン・フルートのトリオ。
ピアノがデジタルだったのは、残念だけど、日本のメロディーは、どうして、こんなに胸に沁みるんだろう?
春のうららの隅田川や、ふるさとやらの穏やかなメロディーが琴線に触れるのです。
素直で、おだやかで、なだらかな日本の野山のような音楽。
音楽面でも、どうも日本回帰が甚だしい・・・。



「香雲(こううん)」の意味は、
立ちのぼって雲のように見える香の雲
桜の花などが一面に咲いているようすを雲に見立てていう語
だそうです。

ちなみに大原の地は、声明(しょうみょう)(仏教音楽)の聖地というか、修行の場であったそうです。

訪れる前までは、知らなかったけど、図らずも音楽の地、巡礼となりました。

のんびり京都の里の秋、いいもんですね。

写真は、こちらのflickrに、まとめました。よろしければどうぞ。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする