ステージおきたま

無農薬百姓33年
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コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

国や民族の煽りに注意!

2021-07-15 16:06:25 | 世の中へ

 先の戦争で、日本の死者、戦闘員210万~230万人、非戦闘員で55万~80万人。ずいぶん多くの人が亡くなった。とんでもない戦禍だよなぁ。でも、この数字で驚いてちゃいけないぜ。

 ソ連(当時)の場合、戦闘員で870万~1140万人、非戦闘員の死者数も800万~900万に上るって言うんだ。さらに、ドイツは444万人から532万人の戦闘員、民間人の被害も150万人から300万人に及ぶ、ってよ。(『独ソ戦』大木毅著・岩波新書)

 凄まじい戦争被害だぜ。ドイツの場合、第二次大戦末期には全土が戦場になり、無差別爆撃も激しかったから、戦時を通しての死傷者だろうが、ソ連の数値は違う。ほぼ、1941年~1945年の独ソ戦での犠牲者だ。たまらんなぁ!たった数年で、こんなに多くの人が犠牲になったんだぜ。地球上で最悪の悲惨な戦いなのは間違いないな。しかも、非戦闘員の死者がやたら多い!

 なんでこんなめちゃめちゃな死者数になったかって言うと、それは通常の戦争ではなく、血で血を洗う抗争、そう、ヤクザみたいだが、が国と民族を上げて戦われたからなんだ。死闘にルールはない。捕虜は殺す。占領地域からは略奪する。住民は追放する、あるいは虐殺する。戦時国際法なんて関係ないぜ。もちろん、女性と見れば強姦して子どもともども殺害だ。

 あるのは、壮絶な憎しみと果て知れぬ敵愾心、とことんの復讐心のみ。

 きっかけはヒトラー・ドイツだ。ドイツゲルマン民族の優秀性を守るにゃユダヤ人は抹殺、劣等人種のスラブ人は奴隷化しなけりゃならん、って信じ込んじまったことだ。さらに、ボリシェヴィキはユダヤ人の隠れ蓑と規定したことも大きい。最初から抹殺、奴隷化を目指して戦ってるんだもの、いくらだって残酷になれた。

 一方ソ連も、それまでもせっかくの革命ぶっ壊そうって各国の策動に、被害被ってたのに、今度は、皆殺しだぁ!って攻め込まれたら、くそっ、負けるもんか!死んでたまるか、やっちまえ!目には目を、血には血を!革命守れじゃとても太刀打ちできないぜ。俺たちの国を死守するんだ、大祖国戦争だって、ナショナリズム全開にして煽りに煽った。

 もはや、どっちにとっも、大上段の正義=世界観を振りかぶっての戦いとなった。正義掲げる奴らは強力、残虐だからな。さらに拙いことに、どっちも独裁者が国を牛耳ってたってことだ。ヒトラーは完全死守せよ!スターリンも退く者は殺せ!お互いに敵の暴虐を目の当たりしつつ対峙してるから、これはもう、どちらか死ぬまで、暴力、凌辱、強奪、無差別処刑、なんでもありの修羅場になっちまった。

 人種の優越とか、愛国とか掲げると、人間、どこまでも無頼になれるって壮大な実験を行ってしまったわけだ。その結果が、数千万人もの死者!

 この歴史的な現実、意外と知られてないよな、日本では。どうしたって、身の回りから戦争見つめるからね。どこか、被害者意識で振り返りがちだ。軍部に騙された、無能な指導者に引きずられた、本当は、戦争なんて反対だったんだ、ってね。満州でしてきた侵略行為棚上げにしてソ連兵の暴圧に恨みのまなざし向ける、とか。

 この感情、戦後のドイツ人も同様だったらしい。体制が違うので、伝わらないが、ソ連のつまりロシアの人たちはもっと被害者意識を蓄積させていることだろうな。だから、この先、大きな紛争引き起こさないためには、この人種や国家の優秀性なんて意識にとらわれないことなんだぜ。国って奴は、危くなるとすぐに愛国心に頼るんだ。今や、世界中、愛国だらけじゃないか。中国、ロシア、トランプアメリカをはじめとして。

 だからさぁ、「反日」なんて言葉が、罵倒の意味合いで使ってる連中にゃ要注意!厳重注意!ってことだぜ。


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