ステージおきたま

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これでお終い!『生前葬につき』

2016-11-26 09:12:26 | シニア演劇

 またかよ!って言われるかもな。もう、お終い、これで最後だから。

 まだアンケートを読んでないので、成功とか、上出来とか言ってしまっていいか、ためらう部分はあるんだけど、まあ、カーテンコールダンスも満場の手拍子で応援してもらえたし、挨拶後の拍手も温かかったこと思えば、ほぼお客さんのあらかたは満足してもらえたのかな。平均年齢68歳、事務局Gを除けば、全員が演劇初体験、それだけだってかなり高いハードルなのに、たった8人で正味1時間40分の大長編、これ途方もないことだよ。まっ、そんじょそこらのシニア劇団じゃあり得ない冒険だろうね。

 そんな挑戦を見事やり通したわけだから、役者たちの頑張りは凄い。セリフの量だって半端じゃないのに、さらに、ダンスによさこいに白浪に歌だもの。必死の努力、横で見ていても十分にわかった。その精一杯の熱意が客席に伝わったのは間違いない。

 でも、作者や演出にもちょっぴり目を向けてもらうなら、適者適役がはまったってところも褒めてもらいたいな。なんだ、自画自賛ってことかよ。まあ、そうだ。

 生前葬を望む主人公銀之助役のKさんの年齢はもちろん85歳、これまで、これだと思えば何にでも突き進んできた人、まさに、適役。義妹のOさんは見かけも話し方も良家の奥様そのもの。女中さんのSさん、いかにも陰で仕切ってる姿が浮かび上がる。葬儀社アルバイトで弱小劇団座長の舞染さんをテンション高く演じてくれたFさん、軽やかな身ごなしと表現力の豊かさは持ち前のもの、お手の物。銀之助と舞染の間で右往左往する葬儀社正社員香田役のWさん、7月頃のエチュード稽古でも、本音と建て前を使い分ける女性をコミカルに演じていたことから、こんな人物設定にした。これは大正解。笑いのうちの3〰4割りは彼女が掻っ攫っていた。そして、お抱え看護師の薬師、美人できりりとしたAさんにぴったり。それだけじゃもったいないから、銀之助の陰では姐御風な口調になるなんてへんてこんな設定にしてみた。表向きのしっかり看護師はご当人の持ち味通り上手く行くはず、問題は姐御風だ、と思っていたら、なんと、極看の方はうまくできるのに、正統派看護師は本番直前まで嘘っぽかった。この点くらいかな、作・演出の思惑外れは。

 やっぱりねぇ、自分の持ってるもので勝負できれば、役者も本領発揮ってことなんだよ。そこんとこ上手く書けたし、上手く演出できた。ここらあたり、大いに満足してるね、僕としちゃ。

 そんじゃ、役者は自分を出せただけってことなのか、って問われれば、それはまったく違う。役と当人はやっぱり別物だ。ただ、役にふさわしいような傾向を持ち合わせているってだけだ。それも、当人はよく気づいていない。稽古は、夢中で自分の中を探り、役に向いた自分を引っ張り出し固定する作業だったと言える。それはやはり大変な仕事なのだ、努力なのだ、初めて舞台に上がった者にとっは。その努力をとことん突き詰め、とうとう自分の中に役を見いだせたから、この芝居は面白く生き生きとしたものになったってことなんだ。

 まず、当て書きされたセリフから始まり、段々と本人とはずれた人物を演じるようになっていく。それがアマチュア役者の役者修行ってものなんだ。さぁて、次は、どんな役になるのかなぁ?

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