ステージおきたま

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『ヴィンチェンツォ』にぞっこん!

2021-05-12 10:18:39 | 映画

  韓国ドラマ『ヴィンチェンツォ』、もう夢中だぜ。

 夜ごと、10時を回れば『ヴィンチェンツォ』タイム。1時間半ほど、安ウィスキー片手に至福の時だ。ちょい大袈裟だけど。はっきり言って、悪徳企業に立ち向かう弁護士ってありきたり。戦いの焦点が、違法新薬と公害被害だなんて、もう古典過ぎて笑っちまう。まっ、韓国の財閥嫌悪の根深さはわかるよな、程度のことだ。あと、「イタリアはマフィアだけだけど、韓国は財閥も検察も警察もマフィアだ」ってセリフには、いつまでも続く数々の汚職や腐敗への憤りも現れてたな。日本はなんだ?口から出まかせ詐欺師天国か?

 ストーリー展開も傍若無人だ。影の財閥会長が、こいつだってぇぇぇ?とか、検事長が息子をイタリアサッカーのアンダーチーム入れたいために裏取引きするぅぅぅ?とか、粗はそこら中に転がってる。リアリリティ派ににゃとても我慢できない代物だ。

 が、この見え透いた大胆過ぎる設定をものともしない強力な爆弾が次々の投下されてくるんだ。そこが一気に惹起?はぁぁ?

 主役の弁護士が、韓国生まれイタリア育ちでマフィアの顧問弁護士、なんて設定はなにかなかのもんだぜ、一筋縄にはいかないよな。その相方も、正義派弁護士の父親に反発して金と地位に固執する女性弁護士、てのも簡単に正義貫徹!お涙頂戴!には流れなすもんかい!って作る側のしたたかな意思を感じさせて、ウホッ、いいぜいいぜ!

 男は感情をほとんど表に表さない冷血漢、実はそうでもなくて、次第に心の氷結が溶けていくってところが見せ場ね、に対して女の方は、喜びも怒りもはしたなく露出する。この対比の妙もいいよなぁ。それと、男への恋心は微妙に屈折してすれ違う、この二人の関係もいずれ結ばれるんだろうけど、お定まりのめでたしめでたしでは落着しないだろうな、きっと。

 主人公のヴィンチェンツォ・カサノも悪くない、って言うか、出演者はもう、みな愛してるよぉ!って段階まで深みにはまってるんだが、中でも超個性的な女弁護士ホン・チャン!凄いぜぇ。カッコいい女、卑しい女、いけ好かない女、可愛い女、図々しい女、負けない女、鼻っ柱の強い女、理知的女、どう猛な女、・・・どんだけ顔があんだよ!美人女優で汚れ役や悪人はけっこうあるけど、このホン・チャンの目つき、口元の陰険さ、いやらしさ、敵役専門かよってほどだが、その直後にはもう抱き寄せたくなるほどの愛しい女に変身してる。実は、このドラマ、1回限りか?って心移りしようと思ったのを踏みとどまらせてくれたのが、彼女だった。なんて、いろんな表情持ってるんだ、しかも、変顔も全然嫌がらない!これは見る価値ありだぜって。

 でも、一番たまらないのは、演出の途方もなさだ。やり過ぎだぜ、とか、そりゃないだろ、って思うような驚きのシーンをこれでもか!って感じで連射してくる。例えば、7話だったかな?法廷シーンでの引き延ばし戦術、➀弁護士が仮病で倒れる、②法廷内を停電にする、ついには③スズメバチを廷内に放つ、の連続攻撃、あり得ないだろ。オープニングも対立するマフィアのブドウ園を丸ごと焼き払う衝撃のシーンだったし、公害被害者による製薬工場襲撃なんてのもあった。

 殺害シーンだって、アイスホッケーのヘルメット被ってスティックで殴り殺すとか、斬新だし。ビル解体を目論むヤクザにはイタリアンバーティで対抗するとか、毎回驚かされる仕掛けは二つや三つどころではない。さらに、小さな工夫も、ニヤリとさせる小ネタ満載だ。焼き芋は不幸を招くとか、鳩に寝室を占領されるとか、事務長が特殊メイクの達人とか、裁判所に乗り付ける車がランボルギーニだったりとか・・・もう、やりたい放題、面白けりゃいいだろ、文句あっか?の世界なんだなぁ。

 もう、これは麻薬だぜ。次から次と刺激の強い劇薬を心待ちする日々なんだ。

 そんな中、意に反して子を捨てた母親と成長した息子・ヴィンチェンツォとの歩み寄りと和解、にたどりつくはず、のせつない物語がはめ込まれていたりする。なんと小憎らしい作りじゃないか。どうしたって、次が楽しみになろうってものだ。昨夜は、銀行の融資をめぐる方向に一気に展開した。さぁて、どうなるのかなぁ?いよいよ、全面戦争に突入かな?

 


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