もう、毎度、毎度、苦しさとの闘いだぜ。体力温存、疲労回復、弱気折伏？ついでにシューズ新調、で臨んだてぇのに、相変わらず辛いぞ、苦しいぞ。
疲れるから、ってアップのランも止め、少しでも走る距離を短くしたいとスタートブロックの前に並んでと、いじましい心遣い。いざ、スタート！ウハッ！重いぜ、身体、足、なんもかも。やっぱ、直前にまったく走らない、てのは無理あったんだな。ともかく、ペースが上がらない。なのに、スタートブロックが最鈍足のDじゃなく、C?って、何故だよ？勘弁してくれよ。これじゃばかばか抜かれるばっかじゃないか。後から後から追いこされるのって、精神的によくないんだぜ。ジジイ、なんでCなんかにいるんだよ、って蔑みの視線浴び続けてるようでさ。
Cブックのランナーたちについて行けない。ウオッチ見れば、6分/キロ、これじゃな！最初からこのペースで走ったら、後半落ちるから、目標の2時間5分なんて、世迷い事だぜ。あっ、そう、2時間切り、なんて目標は、さっさと諦めたんだ。現実を見よ！ってね。
1キロ、2キロ、おお、そうか、マラソンなのか、って体の奴もようやく理解したようで、どうにかペースは5分45秒。うん、まあ、このペースを保てれば、2時間ちょい超し、なんて上手く行くわけきゃないが、まず、ペースダウンをできるだけ先に延ばそう。って、思うそばから、ペース落ちてくもの、もう！
一番の足引っ張りは、尻りの痛み！左臀筋？いつやっちまったのか？もう、1カ月以上、直らない。多分、稲刈りか、薪割で、ぴきっ！っと行っちまったんだと思う。こいつが、邪魔をする。なまじ、負担を掛けぬように走れば、反対の右側がいかれちまうだろうと、敢えて、痛みを我慢しつつ均等に体重移動を繰り返す。うーん、一踏みごとに、痛てぇぞ、重いぞ。傷付いてる筋肉が走ったことで自然治癒、なぁんて、うまかぁ行かんよな。ゴールまでこの痛みにお付き合いするしかないぜ。
部品の一部に故障発生での走行、こりゃもう、我慢比べ、忍耐力テストだな。腕もしっかり振れる、右足は前に出る。だが、ストライドは伸びない。だから、ペースは上がらない。そのうち、徐々に疲れが蓄積、14キロ地点までの登坂で完全に足を使い切っちまった。長えぞ、坂！マルマル2キロ以上あるじゃねえか、ってそんなこたぁ、わかってたろ、すでに、3回目なんだもの。でも、もしかして、短くなってるとか、・・・ないってそんなこと！
坂道登攀は、6分20秒ペース、我ながら頑張ってるぜ。14キロ地点上がりきって折り返し、一転して長い下り。去年はここで、衝撃の事実に直面したんだった。さあ、下りだ、ペース上げるぞ！って気合い入れたつもりだったのに、なんと、6分/キロからまったく伸びない！おい、どうしたんだよ、こんなに頑張ってんだぜ？かぁぁぁぁっ！そんなに落ちてんのかよ、走力。それが現実！
今年は、どうだ？や、やっぱりぃぃ、足が出ない。スピード上がらない。折り返して1時間24分、残り7キロを6分で走っても、2時間6分だ。ここで上げなきゃ、ダメだろ。重い足を無理やり腕の振りで前に出す。おおおぅ、尻、痛いんだけどぉぉぉぉぉ。もはや、一部炎症部分にとどまらず、左臀部全体に鈍い痛みが広がっている。こりゃ、途中、ギブアップかも？それは許さん、としても歩くとか？それも認めんぞ！
弱気に流されれば、心はますます折れて行く。妥協を許せば、果てなし沼だ。ここは、なんとしても、頑張れ！6分ペースでもいい、そいつを守れ！腕だけは、しっかりと振る。足も極力前に出す。
馬見ヶ崎川を渡り返して、最後の3キロ！ほら、あと18分走れば終わるから。これまでだって、いつも苦しいラスト3キロだぜ。同じだぜ、足攣った時だって、ラストの3キロは何としてでも走れたんだ、平坦路のこのコース、絶対、走り通せる！とか、フルの苦しさを思い出せ！とか、必死で叱咤激励しつつ、運動公園に入った。
あと、500メートル、ここまで来れば、もう、だらしないフォームやしかめっ面で走るわけにゃいかん。だってコースの両側、応援の人、ずらり、だもの。気が入れば、身体は動く、足も進む。これまた、いつものことだ。スパートってほどじゃないが、ピッチを上げて、颯爽？とゴール。
苦しかった！辛かった！ダメだった！でも、なんか、そこはかとなく満足してんだよな。そう、自分と闘って、なんとか押し返せたから。勝った、なんて言わないぜ。どうにか、食い止めた！ってこと。惰弱な自分に負けなかったこと！
もう、これしかないな。記録更新なんてあちらの世界にぶっ飛んで行っちまったし、順位にこだわる意地も捨てた。と、なりゃ、最後の目標は、自分に勝つ！それしかないだろ！
よしっ、新たな目標が出来た。これからもこれで大会に臨もう。でも、自分との勝ち敗けって、判定難しいよな。やっぱ、数値目標必要なんじゃないか？いやいやい、完走ってことでいいのか？ああーっ！次の長井フル、この尻抱えて走るのか？うーん、今から、途中リタイヤの様子が目に浮かぶぜ！
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