ステージおきたま

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最高の宣伝活動?『アーダコーダと魔女ナンダ』中学校公演

2012-08-18 10:23:46 | 教育
 中学生に子どもミュージカル?これはなかなか手強いぞ!

 中学生ったら、斜に構える年頃だし、自分の持ってる価値にやけにこだわる年頃だし、そのくせ高校の格差なんてことには結構敏感だったり、もちろん、食育なんてことにはほとんど興味ないだろうし、・・・・・・

 そんな難敵相手に『アーダコーダと魔女ナンダ』を上演するって言うんだから。あの被りもの見て、馬鹿にすんじゃないか?栄養の基本を問うクェスチョンタイムなんか、ふざけるなって怒るんじゃないか?不安はいっぱい!心配もしこたま!

 でも、やっぱり受けた。頼まれて断るってこと、スケジュール調整不能以外になかったことだし、逆に中学校だからこそ、やってやろうじゃないの!って気負いもあった。そりゃそうだ。公演が上手くいけば、これ以上の宣伝はないからね。

 農業高校の生徒集め苦戦が続いている。置農くらいに様々な場面で活躍してみても、生徒の様子が格段に良くなってきてはいても、地域の評価って奴はかたくななんだなぁ、これが。中学の先生や中学生の学校選びの基準は何か?それは偏差値、点数、ただこれだけ。そこでどんな教育が行われているか、そこでどう生徒が伸びるか、なんて関係ない。輪切りの学校選択は今も根強く持続している。

 だからこっちもあの手この手で生徒獲得を目指しているわけだが、これがなかなか思うように行っていない。そんな中で、直接中学校に乗り込んで全校生徒(今回は1,2年生+3年の一部)相手に、これが置農だ!って見せられるわけだから、これはなんとしたって利用しない手はないじゃないか。

 実際、2年前に演劇部の中学校公演が好結果をもたらしたこともあるのでなおさらだ。2年前はM中学校。学園祭のプレイベントとして全校生徒の前で大会作品『Catch & Row』を上演した。これが殊の外の成功で、数百人の中学生が食い入るように見てくれたし、その後片づけやミィーティングの様子など見た生徒や先生方に、これが置農か!と従来のイメージを覆す印象を与えることができた。なに?思いこみだろう?って。違う違う。実際、その後M中からの新入生は大きく増えたし、中学の校長先生からも、あの公演で生徒の置農を見る目が変わりました、と言ってもらえたんだ。

 ってことだから、今回も置農の現実をしっかり見て貰いたい。そんな強い気持ちで引き受けた。ただ、問題は食育子どもミュージカルだってことだよ。これ、小学生対象に作ってるからね、主役は森の魔女たちだし、森のムシケラたちや乙姫様やケーキやドーナッツ、串団子、ついには腸内細菌まで登場するはちゃめちゃぶりだから、このナンセンスを頭が固まりかけている中学生に通じるか?すぐに下向いたり、居眠りしたりする奴ら出てくるんじゃないか?最初から馬鹿にする奴だってきっといるだろうしな。

 でも、思いがけない観客の対応だった。まず、ほんどの顔がしっかり舞台に向き合っていた。それと子ども相手のクエスチョンタイムにもおすおずながらも手を挙げて付き合ってくれた。腸内細菌の応援歌では一緒に立ち上がって拳を上げてくれた子までいた。いやぁ、有り難かった。生徒たちの躾の良さ、それと子どもミュージカルが通用したってことに大いに満足した。

 その背景には、文化祭で学年ごとの演劇に相当力を入れているってことがあったようだ。数ヶ月後には自分たちも舞台を作る、その参考にしようって気持ちが多くの生徒にあったんだろう。これ、素晴らしいことだ。やっぱり演劇が身近なものになるには、自ら演じる場があるってことが一番なんだよな。

 今回、置農演劇部を熱心に呼んでくださったS先生は、以前いた中学校の卒業生が置農演劇部で大きく成長した姿を見てくれていたそうだ。そして、進路指導では常々置農に入って演劇やりなさい!って言っていてくださったということだった。そう、こういう人たちをこういう見方をたくさん作るってことが大切なんだ。で、今回、少しはそんな宣伝ができたんじゃないかと思う。来年度、この中学校からの受験生増えるといいんだけど。



 

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