泡 盛 日 記

演劇人(役者・演出家)丹下一の日記です。

湘南で晩ご飯

2010-11-06 22:14:02 | 丹下一の泡盛日記
本来はこの週末はプレイバッカーズの合宿だったが、ついにキャンセル。
土日が空いているなんてあり得ないくらい久しぶりのこと。

朝ゆっくり起きて仏壇部屋に寝かせているみるくに会う。
中華風の粥を食べて、かみさんと呆然とコーヒーをすする。

午後、みるくの最期に立ち会ってくれた病院に支払いへ。
保険がきかないのでかなりな金額になるが、かまわない。
自分たちの心の為のお金なのだ。

その後、かみさんのおばの引っ越し先へ。
アリーシャと豆太郎も連れて行く。離れていたくない気持ち。
湘南海沿いに車を走らせる。


天気のいい週末なので大渋滞。
大分時間がかかったが、とりあえず新居でテレビは見られるようにセット。

外に出るともう陽が沈んでいくところ。美しい夕暮れの海岸で2匹を海岸で走らせる。


江ノ島では今頃プレイバッカーズはじめ参加者たちが晩ご飯かな。
富士山が静かに大きい。
湘南に暮らしながら海岸で犬たちを走らせるなんて、ものすごく久しぶり。
みるくは今年の夏、海で泳いだそうだ。
よかった。楽しい思い出がたくさんある夏だったんだね。
波の音だけ。しばし犬たちと過ごす。


みるくは無償の愛をくれた。
そして、この1週間、天女座から戻ってからは特にスキンシップが多かった。
火曜日の晩は一緒に寝た。
かみさんもそれは感じていたそうだ。
みるくにはわかっていたんだろうか。
昨夜帰宅して、門を開けても吠える声が聞こえない。
台所に立って、かちゃりと音を立てた瞬間にだ~っと駆け寄ってくる足音がしない。
そして自分を見上げる笑顔がない。
その寂しさ。


かみさんがこのまま遠出をしようというので調べたが、ちと,無理で。
その気持ちは自分も大賛成でそのまま茅ヶ崎辺りへ。
こじゃれた寿司屋で晩ご飯。
自分は日本酒。かみさんはお茶。

このわたなんか頼んで贅沢だ。
こんな夜に贅沢ができることがありがたい。
地鯵が旨い。噛み締める。
二人が座っている椅子の間に彼女の存在を(二人して)感じている。

その後、東逗子駅前でタイマッサージ。誰かに体をケアしてもらうのも久しぶりだ。
からだが濡れた綿のように重くなる。
帰宅して珍しくビールベースのレッドアイ。
かみさんは明日教会に持って行くパンをつくりだした。

みるくは大きな学びをプレゼントしようとしてくれている。
それがわかり出している。

たくさんのメッセージを頂戴しました。
心より御礼申し上げます。
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「台湾懐郷曲」大成功

2010-11-06 10:11:04 | 丹下一の泡盛日記
1時間半ばかりベッドに横になり少し眠る。
目覚ましよりも早く起きる。気合いは充分。

荷物を抱えて朝のラッシュの中を杉並公会堂へ。
寒雲さんがプロデュースした台湾独奏家室内楽団のコンサート「台湾懐郷曲」でMC、そして舞台監督も。

過去の例から予想していたことだし、待っていたことでもあったのだけど、
荻窪駅にたどり着いて路上を公会堂に向かい歩き出した途端、自分には
目の前を大興奮で大喜びのみるくがぴょんぴょん跳ねるように走っていくのが見えた。
こちらにもどってきてはあのこぼれるような笑顔を向ける。
「ここは初めての場所です!」と言ってるのがわかる。
ついてきているのだ。
その途端に涙が止まらなくなってしまい,時間に余裕もあったのでカフェに入る。
足下にちょこんと座って自分を見上げている。
今日は一日ずっと一緒なのだろう。


リハーサル中の台湾の有名な歌手「低音歌王」こと郭金發さん。
国を代表するような有名歌手なのにものすごく腰が低く礼儀正しい。
本当に力のある人はこうなんだ、ということを態度と存在感で教わった。

仕込みはかなり大変。それは現場に入ってからの変更が続いたためと、
途中6時間も劇場が使えなかったことによる。
その間、別のスタジオで一人で横になり、目を閉じていた。
そこらじゅうの匂いをかぎまわっている好奇心一杯のみるくを感じる。
そして、それは一瞬だったが、今あの辺だ、と思ったその方から、
犬の足がフローリングの床を急いで歩く時に爪が床に触れる
かわいた足音をはっきりと聞いた。

目を開けてしまったらいなくなりそうな気がしてじっと耳をすましていたが
もう聞こえては来なくなり彼女の存在も消えた。

コンサートは満席で大成功。
自分はど頭に大きなミスをしたが、すぐに訂正し笑われるだけですんだ。
今回は基本的に台湾の庶民的な歌が中心で、歌詞も、もちろん曲名も台湾語。
北京語とは全く違う原語なので、メモをみながら必至に発音したのが受け入れられたのかもしれない。
発音というより声調が問題。なんとか言えると客席から「おお!」という波動と拍手が来る。
ゲストの歌手・陳さんが袖に引っ込んで来た自分ににやっと笑いながら「台湾語うまいね♪」。
赤ちゃん言葉のMCなんだろう(^^;;;

寒雲さんもまた声が深くなっている。
来年、CD発売予定。
リハーサル中の寒雲さん。


終演後、全速力でばらし、寒雲とタクシーで新宿へ。
打ち上げは新大久保と歌舞伎町の間にある台湾料理屋。
ここは一度来たことがある。
そして、自分が育った町。
実は先日「不夜城」という小説を読んでいてあまりにも地名が親しんだ場所ばかりなので一気に読み終えてしまった。
新宿だけでなく、落ち合う先が「おとめ山公園」だったり、ちょっと離れて東中野の飲み屋ストリートだったり。

なので打ち上げの店の場所がすごく不思議。
その場所に戻って来た自分がいる。
そして店の中に日本人は自分一人。
北京語で話していた全員があっという間に台湾語に切り替わる。
台湾語はまったくわからん。。。そして「乾杯」だけは覚えた♪

この人たちは生まれた時からバイリンガル。
その上に日本語や英語も話すから本当にすごいと思う。

面白い質問があった。
「この中の誰が奥さんなの?」。
日本人が単独でいる宴席ではなかったのだろう♪

終電が早い自分のためにホテルも用意されていたが、今日は帰らなければならない。
後ろ髪惹かれつつ山手線。元町中華街からタクシー。
帰宅して、真っ先にみるくに触る。
今日一日、存在を感じながら触ることができないのが辛かった。
新宿で紹興酒をグラスで4杯以上飲み干して「強いね!」とほめられたが、
途中で買ったウォッカでブラディーメアリー。
泣きながらみるくを撫でていた。
最後に自分の言葉をきいて耳を立てた。その立ったままの耳はまだ柔らかい。
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