たけちゃん活動・生活日誌

県議としての活動に追われてきましたが、引退後の生活の様子や、感じていることを発信しています・・・。

公共交通の危機

2008年05月02日 | Weblog

どう守る地域路線バス

 

 5月1日(木)の信濃毎日新聞に「松本電鉄がバス路線見直し案 3路線廃止の可能性も」との見出しで、下記の記事が掲載されました。

 

 

 「松本電鉄は30日、松本市内を中心に運行する一般生活路線バスの運行見直し案を市側に示した。

 22路線のうち3路線について廃止があり得るとしたほか、10路線で減便や経路変更、一部区間廃止などを計画。運賃100円の市街地周遊バス「タウンスニーカー」は値上げする。実施時期などは示さず、今後、市と協議を進める方針だ。



 案によると、市街地と梓川地区を結ぶ「立田(りゅうだ)」、四賀地区と安曇野市明科を結ぶ「会田」、蟻ケ崎方面の「アルプス公園」の3路線は、1台の平均乗車人数が3人に届かず「現状では路線維持は困難」と判断。代替交通も検討するとした。

 朝日、寿台、山形の3路線は利用者の少ない区間を廃止する。減便や運行経路を変更するとしたのは7路線。周遊バスは、利用客増のための「営業政策割引」を撤廃し、本来の認可運賃に戻す方針だ。



 市側は取材に対し、松電側が維持困難とした3路線を市がそのまま引き継ぐのは財政的に困難との見方を示し、代替手段を松本電鉄と協議する。

 また、周遊バスに対する市の運賃補助も難しいとし、運賃の値上げは必至だ。」

 

 いよいよ会社再生に向けて、心配していた廃止する赤字生活バス路線の路線名が出て来ました。

 

 実は、先日、同アルピコグループの川中島バスの路線バスを守るため、もっとこの問題に市民の皆さんに感心を持ってもらうにはどうしたら良いか、打ち合わせした時に、既存のバス路線の運行状況を松本と長野で比較し分析して見ました。

 

 すると松本電鉄バスは平成19年度乗降調査結果で、33路線全てが一路線15人以上の乗車密度が採算ラインと言われているのに対し、それを全てが下回っており、全路線の平均乗車密度は4.36人という情況でした。

 こうした情況に、では、なぜ松本電鉄バスが今日まで運行して来たのか疑問に思いますが、それは観光バス路線である上高地線の収益でこれらの生活バス路線の赤字を補填して来たのではないか、結果としてグループ全体で債務超過に陥ったのは、生活バス路線=公共交通という性質上、上高地線の収益で補填しているが故に、率直な見直しを提案できず、結果としてグループ全体の収支に影響を及ぼしたのではないかと思われます。

 

 一方、松電グループに統合された長野市の川中島バスは、46の生活バス路線の内21路線が赤字の情況ですが、この赤字を高速バス路線等で補っており、過去の川バス時代の会社更正法の適用の教訓から比較的経営は安定しています。

 

 長野駅構内にある長野市内バス路線図

 

 しかし、21の赤字生活路線の中には、長野駅~県庁を循環する県庁循環線や長野駅~自治会館を往復する合同庁舎線、バスターミナルから長野駅を通り私の地元の北屋島を往復する北屋島線、同じく大豆島東団地間を往復する大豆島線等々があり、アルピコグループの再生に向けて4つあるバス会社を統合するとしていることから、今後行われる長野市との協議等では、これらの赤字路線の廃止を打ち出して来る可能性があります。

 

 私は、アルピコグループの私的再生問題ではありますが、今回、松本市の生活バス路線の3路線廃止等が示されたことに、次は長野市と思い注目しています。

 そして、例えばグループ内に4つあるバス会社の経営努力や地元市町村との関係等を評価する対応をし、出来れば統合の道を選択せず、切磋琢磨したグループ内の競争の道を選択することが、今後の新しい地球温暖化対策も視野に入れた地域の公共交通の維持に繋がると思っています。

 

 しかし、「生活バス路線」と言いながら松本市では一日の全路線の平均乗車密度は4.36人、長野市では県庁循環線や長野駅~自治会館を往復する合同庁舎線が赤字という実態について、地球温暖化対策が叫ばれ地域の公共交通の維持が問題となる中、私達はもっと真剣に生活スタイルを見直し本音で将来を語る必要があるのではないでしようか。