Days of taco

やさぐれ&ヘタレtacoの日常と非日常

距離感の勝利

2011年02月23日 | 映画など
『ソーシャル・ネットワーク』のことをもう少し。

主人公のマークが女の子にフラれる冒頭。
差別意識丸出しの性格が浮き彫りにされる。
観客(自分も)が共感できそうもない残念な主人公は、
しかし、コンピュータとシステムにかけては天才的であり、
世界を席巻するフェイスブックを開設する。

主人公と同様、
周りの登場人物も視野が狭すぎたり、
繊細すぎたり、少々パラノイアだったりと、
どうもシンパシーを抱きにくい人たちであり、
そんな若者たちが集まって、画期的なSNSを立ち上げても、
肝心なところで繋がれないというか。



実際のフェイスブックの設立メンバーがどうだったかはわからないけど、
映画の作り手たちは、彼らを肯定も否定もしない、
微妙な距離を保ちつつ、淡々とカメラでとらえるだけだ。

この距離感。監督のデビッド・フィンチャーは62年生まれ。
もっと若い監督だったら、いい意味でも悪い意味でも
登場人物の内面に入り込んだ映画になったと思われる。
賞賛するでもなく、茶化すでもなく。突き放すでもない。そんな映画。

ビートルズの曲が絶妙なタイミングで使われており、
思わず唸ってしまった。どこに使われているかはお楽しみということで。
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2 コメント

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Unknown (denkihanabi)
2011-02-27 02:46:25
いや、フィンチャーくんは、世代に関わらずいつもそうなんだ。今回はそれがうまくハマったと感じた。彼は、ゾディアックを追う記者にも、子どもを守るジョディにも、エイリアンと闘うリプリーにも、感情移入させない=できないんだ。フェイスブックの彼のように。
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Unknown (taco)
2011-02-27 11:02:31
そうなのか。
フィンチャーって今ひとつ食わず嫌いなんです。
『ソディアック』とか『パニックルーム』とか見てみようかな。
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