インフルより悪しきもの

巷でその災厄が喧伝されている新型インフルエンザだが、
仕事場で感染者が一人出てしまい、しばらく出てこれない状況に。
残ったメンバーも「そういえば熱っぽい」「セキが出るんだよね」
などという言葉が飛び交い、感染に戦々恐々の様子。

うひょひょひょひょ。

なんだ邪悪なＴ君か。
君は大丈夫だろ。絶対。

「いやいや、違うんですよ～。
　昨日からどうも腹の調子が良くなくて。
　ひょっとしてコレはインフルなんじゃないですかね～」

と、妙に嬉しそうに報告するのだった。
でもインフルで腹の調子が悪くなるのだろうか。

「どうもはっきりわからないんですよ～。
　これでも結構デリケートですからね。うひょひょ」

どこがデリケートだというのだ。
でもインフルならやばいから、近寄らないでくれ、
と言おうとした瞬間、邪悪なＴ君は怪しい笑みを浮かべ、

「ひょっとしたら、昨日、アレを喰ったからかもしれませんね～」

ラーメンの豚骨スープがついてます。

なんだこれは。
見たところ、お好み焼きとご飯のようだが。

「甘いですね～。これはＭというラーメン屋にあるメニューで、
　鉄板でキャベツと豚のクズ肉を炒めて、生卵を乗せた逸品なんですよ～。
　名付けて『スタミナジャンク定食』。うひょひょひょ」

なんだそれ。そもそも自分から
「ジャンク」と名乗る喰いモノがあるとは。
なんともまあ、恐ろしすぎる。

「うひょひょひょひょ。腹の調子が悪いのはこのせいかもしれないですね～」

そうだよ。絶対。それに決まってるじゃないか。
インフルエンザが怒るよ。一緒にするな、って。

「いや～。まさかこんなことになるとは。
　一瞬、人並みにインフルにかかると思っていたんですけどね～」

知るか。
それにしても、ジャンク定食とは。
ここに邪悪なモノがまたひとつ跋扈することに。