Days of taco

やさぐれ&ヘタレtacoの日常と非日常

彷徨と咆哮

2024年03月02日 | 映画など
三島有紀子監督「一月の声に歓びを刻め」を見る。
カルーセル麻紀と哀川翔、
そして前田敦子がそれぞれ主演するオムニバス。
語りの少ない映画だなあと。
だからこそ饒舌に伝わってくるものがあるというか。


カルーセル麻紀演じる母親(本当は父親)は、
死んだ我が子への悔恨にさいなまれる。
哀川翔演じる父親は、
帰郷した娘が妊娠していたことを知り動揺する。
前田敦子演じる女は、昔の恋人の葬儀に出たあと
自らの性被害について語り出す。

この3つの物語に繋がりはないが、
登場人物たちの悔恨のあとにうっすらと写し出される
希望のようなものに、見る者は少しだけ安堵するだろう。

そんなテーマらしきものを考えるよりは、
カルーセル麻紀が雪まみれの洞爺湖をひたすら歩き、
哀川翔が牛に餌をやりながら悩みを訥々と語り、
前田敦子がモノクロームの大阪の町を彷徨い、
男買いに至るさまを見て、何を感じるか。どんなことを思うか。
すべてのショットと台詞に意味がありそうで、
何度も見て、咀嚼したい衝動に駆られる映画。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 厚切りこそ我が人生 | トップ | 甲州街道はもう春なのさ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

映画など」カテゴリの最新記事