セルジオ・レオーネ監督「荒野の用心棒」を見る。
ドル3部作が4Kデジタルリマスタリングで公開という。
おっきなスクリーンで大音響のなか、
いい年こいてチビリまくりの映画体験。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4f/5f/822c1ba1739cb4055c05af977dd82fdb.jpg)
テレビでは何回も見ているけれど、
じつは、本作を映画館で見るのは初めて。
イーストウッドがものすごく知略に長けた
流れ者のガンマンを演じていて驚く。
それでいて、颯爽とした早撃ちと
砂埃のなか、ぬうっと姿を現すクライマックス。
この人が、幽霊のように
立つことができる個性の持ち主だと発見したのは、
レオーネ監督か、それともイーストウッド自身か。
シネスコープの縦横比を
最大限に活かしたフレーミングと
「市民ケーン」もびっくりなパンフォーカス。
そして極端なクローズアップと
ものすごいロングショットがカットバックされる
めくるめくモンタージュの連続。
そこにかぶさってくる、哀感たっぷりに
観客の体温をこれでもかと上げてくるモリコーネの劇伴。
ドル3部作はすべて傑作だけど、
この次の「夕陽のガンマン」「続・夕陽のガンマン」と、
続編になればなるほど傑作の度合いが上がっていくのは、
本作でのスタイルを極めていったからだと推測する。
とかなんとか、いかにもシネフィル的な
コトを書いてますけど、単純に面白いだけなのですよ。
元ネタの「用心棒」がいかにすぐれた
娯楽映画だったかということだけど、
黒澤明も三船敏郎も佐藤勝も偉大だが、
レオーネとイーストウッドとモリコーネもグレート。
オープニングの音楽に鳥肌が立ち、
映画が終わるまで、肌(と心)にできた
ボツボツやイボイボは治まることはなかったのです。
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