Days of taco

やさぐれ&ヘタレtacoの日常と非日常

イボイボとボツボツ

2024年04月02日 | 映画など
セルジオ・レオーネ監督「荒野の用心棒」を見る。
ドル3部作が4Kデジタルリマスタリングで公開という。
おっきなスクリーンで大音響のなか、
いい年こいてチビリまくりの映画体験。


テレビでは何回も見ているけれど、
じつは、本作を映画館で見るのは初めて。
イーストウッドがものすごく知略に長けた
流れ者のガンマンを演じていて驚く。
それでいて、颯爽とした早撃ちと
砂埃のなか、ぬうっと姿を現すクライマックス。
この人が、幽霊のように
立つことができる個性の持ち主だと発見したのは、
レオーネ監督か、それともイーストウッド自身か。

シネスコープの縦横比を
最大限に活かしたフレーミングと
「市民ケーン」もびっくりなパンフォーカス。
そして極端なクローズアップと
ものすごいロングショットがカットバックされる
めくるめくモンタージュの連続。
そこにかぶさってくる、哀感たっぷりに
観客の体温をこれでもかと上げてくるモリコーネの劇伴。

ドル3部作はすべて傑作だけど、
この次の「夕陽のガンマン」「続・夕陽のガンマン」と、
続編になればなるほど傑作の度合いが上がっていくのは、
本作でのスタイルを極めていったからだと推測する。

とかなんとか、いかにもシネフィル的な
コトを書いてますけど、単純に面白いだけなのですよ。
元ネタの「用心棒」がいかにすぐれた
娯楽映画だったかということだけど、
黒澤明も三船敏郎も佐藤勝も偉大だが、
レオーネとイーストウッドとモリコーネもグレート。
オープニングの音楽に鳥肌が立ち、
映画が終わるまで、肌(と心)にできた
ボツボツやイボイボは治まることはなかったのです。
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