金曜の夜。
バスに跳ね飛ばされました。
信号のない横断歩道で、
見事に吹っ飛ばされしてしまったようで。
「ようで」って、
他人事みたいな書き方をしているのは、
衝突した瞬間の記憶が完全に抜け落ちていたから。
気がついたら救急車に乗っていて、
隊員さんが自分の頭をぎゅっと押さえていた。
それは止血のためだと判ったのは、
またそれから少し経った、病院に着いた頃。
「これはひどいねえ」
という医師の言葉を聞きながら、
点滴が打たれ、頭部のCTを撮る。
ちょっと痛いですよ、と言われながら、
頭皮が縫い合わされていった。がちゃんがちゃんという音が響く。
胸が痛いと主張したら、もう一回撮りましょうと、
今度は首から下のCTを撮る。肋骨が折れていた。
ひと通り、処置が終わったあと、
「どうしますか?」と言われる。
当然入院かと思いきや、
「帰れるなら帰ってもいいですよ」と。
頭部のCTには問題がないとのことで、
帰っても大丈夫とのこと。
でも、立ち上がると胸部の猛烈な痛みとめまいがして、
これはダメだと思い、入院しますと告げる。
「わかりました」と看護師さんが
長い綿棒みたいなものを持ってくる。
「ちょっとごめんなさいねー」と鼻の穴に突っ込んできた。
そうか。PCR検査か。頭の縫合より痛いんですけど。
もしコロナだと隔離入院になるらしい。
検査の結果が出るまで待機。
そのあいだに医師と話す。
自分を跳ね飛ばしたのは、シャトルバスだったという。
運転手は人が横断歩道を歩いているのに
気がつかなかったらしい(あとになって、
その運転手は目視が遅れた、と)。
思い出した。そのシャトルバスは普段から目にしていて、
駅から離れたマンションの住民の送迎をしているバスだ。
信号のない横断歩道でも、ちゃんと歩行者を見て
いつも止まってくれていた印象があった。
だから自分は安心して横断歩道を渡ったのだと思う。
——PCRの結果は陰性。
「HIVとB型C型肝炎の検査もしました」と。
いまの病院はどこでも入院するときは
これらの検査を必ずするものらしい。
でも、いつのまに採血されたんだろう。
頭から血はどくどくと出ていたんだろうけど。
もろもろの検査はすべて陰性で、
まさかこんなときに、いろんな結果が判明するとは。
ここまで書いたら、ちょっと疲れたので。
続きは追って書きます。たぶん。