Days of taco

やさぐれ&ヘタレtacoの日常と非日常

身分と格差と長澤まさみ

2006年10月29日 | 映画など
『涙そうそう』を見る。
ええ、そうですとも。長澤まさみが目当てです。
逃げも隠れもいたしません。
普段、小津だゴダールだと言っている(そうでもないけど)、
僕という人間がこれでわかったでしょう(って誰に言ってるのか?)。


涙そうそう(2006)

物語は、いまどきこんなのあり?
と思えるぐらい古典的だ。
お互い連れ子がいる両親のもとで育った、
血の繋がっていない兄(妻夫木聡)と妹(長澤まさみ)。
兄は高校中退の身で、気はいいが人が良すぎるため、
今ひとつ世渡りが下手な青年。
妹はそんな兄を慕いながら、勉強に励む高校生。
兄は自分に学歴がない分、
妹がちゃんとした大学に入れるよう、必死で働き続ける。

兄には医学生の恋人(麻生久美子)がいた。
恋人も、兄のまっすぐなところに惹かれており、
周りの人々にも愛されるようなキャラ、それが兄だ。
しかし、兄は事業に失敗し、次第に人生が暗転していく。
恋人との釣り合いに悩み、ついには自分から離れていく。

こんな設定の日本映画、久し振りに見た。
貧富や身分の格差を痛感させられる映画、
そんな日本映画が、この21世紀に生まれるとは。
しかし、それは時代遅れとかそんなことは全然思わない。
むしろ、格差が広がっている現代の日本には、
しっくりする設定なのではないだろうか。
実際の世の中には差別もあるし、格差もある。
それを最近の日本映画はあまりテーマにしてこなかった
というだけなのかもしれない。だから少し新鮮だ。

主役のふたりは素晴らしい。
溌剌とした元気な青年を演じる妻夫木聡。
明るく健気な妹役という、
ストレートな演技で涙をさそう長澤まさみ。
日本映画の俳優陣の実力を思い知らされた。

涙そうそう、というタイトル通り、
泣ける場面がこれでもか、と続く。
あくまでオーソドックスで、何の新鮮さもない展開だが、
だからどうした、と思えるぐらい、
気持ちよく泣かせていただきました。
コメント
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