旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

気になる長野北部地震の被災地

2014-11-26 10:31:32 | 


 冷たい雨が降っている。昨夜は屋根を打つ激しい雨音に何度も目が覚めた。深度6弱の強震に襲われた長野北部を、雨の災害が襲っていないか心配だ。

 前回も書いたように、あの日私は小春日和の里山で美味しいりんごを摘んで、心豊かな時を過ごした。その後も至福の時は続いた。セーラさんのおすすめもあり、松代町の温泉に浸かろうと車を進めていると酒販店が見つかる。立ち寄ってみると、予て飲みたいと思っていた酒千蔵野の「川中島」があったのだ。
 それは坂口酒店という店で、聞けば酒千蔵野の蔵はすぐ近くにあるとのことだ。この蔵の美人杜氏千野麻里子さん名入りの銘酒『鞍骨城』を購入した。酒名は、中世にこの地を治めた清野氏の居城の名をとったという。酒米「ひとごこち」を59%まで磨いた特別純米酒で、説明書きにある通り、「味わい深く旨味とコクのある酒」であった。
 加えて、坂口酒店さんの絶妙なご案内を受けて「効能抜群、ひなびた温泉宿」一陽館の湯にたっぷり浸かった。宿の説明によれば、日本5指に入る効能で、「効能を保つために、入浴後は水浴びはもちろん、24時間は風呂に入るな」という。源泉の上に構えたという7メートルの湯舟といい、茶褐色の露天風呂といい、これぞ湯治場、という雰囲気であった。
 長野を訪ねる人に助言を一つ。「長野インターに乗り入れる前に、坂口酒店でその地の酒を買い、一陽館で一風呂浴びるべし」


 ただ、このような至福の時を過ごしただけに、地震を避けて東京に逃げ帰ったようで、長野の人に申し訳ない気がしてならない。地震が、温泉を出て6時間後の出来事であっただけに。


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