普天間基地の辺野古移設を最大の争点として争われた沖縄県知事選で、移設反対を掲げた翁長氏が圧勝した。名護市長選挙などに続き移設反対の民意はほぼ確定した感があるが、今回の選挙を特徴づけるものとしては、保守対革新の構図ではなく、保守も含むオール沖縄の総意として翁長氏が勝ったことにあるだろう。
すなわち、翁長氏が掲げた「イデオロギーより(沖縄の)アイデンティティー」、つまり沖縄の存在理由として「基地ノー」の意思が示されたことである。これを全国民は、日本国民としてどう受け止めればいいのだろうか。かつてない重い課題を日本国民は突きつけられたのではないか?
民意の反映の一つとして各紙の受け止め方があると思うが、今朝の読売、日経、毎日、東京、赤旗の5紙に目を通した。いずれも一面にとり上げていたが、毎日、東京、赤旗の3紙はトップ横全面抜きの見出し、読売、日経の2紙は中段縦書きの見出しでかなり違う。
また、いずれも社説を掲げていたが、その主張するところは以下のごとく相当な隔たりがあった。
・読売、「辺野古移設を停滞させるな」 … (民意は無視せよというのか?)
・日経、「今こそ政府と沖縄は話し合うときだ」 … (日経らしい良識ぶり?)
・毎日、「辺野古移設に審判、白紙に戻して再交渉を」
・東京、「新基地拒否の重い選択、『基地依存』は死語に、安倍内閣も『不信任』」
・赤旗、「県民の不屈の魂を示した勝利、『新基地ノー』揺るがず」
一つの選挙結果について、これだけの差がある。東京新聞に至っては5面にわたり詳細にとり上げており、それぞれ中味を読むほどとらえ方の差がある。国民はこれらを読みながらどのような世論を形成していくのだろうか?
じっくりと考えてみたい問題である。