昨夜(11月12日)のNHKテレビ番組「その時歴史が動いた」を見て、改めてマーチン・ル-サ-・キングという人物の偉大さを知った。そして彼の全生涯に、今日のオバマ・・・その大統領選の勝利の背景、原点を見る思いがした。
キング牧師は、39年という短い人生を、黒人の公民権獲得のために捧げた。師は、アメリカ独立宣言(白人だけでなく「人の平等」を謳っている)に民主主義の原点を求め、インドの独立を指導したガンジ-(非暴力主義による粘り強い抵抗)に生き方を学び、差別に苦しむ黒人の先頭に立って、人種を超えた「人としての権利」を求めて、誇り高く戦い続ける。決して暴力を使うことなく、道理を尽くして・・・。
そしてついに黒人の公民権獲得につながった25万人のワシントン集会において、あの有名な演説「私には夢がある・・・」を語りかける。師は、黒人、白人を問わずすべての人種が真に平等な関係の中に生きる「夢」を追い続けた。
1963年、今から45年前のことである。
そして今年、アメリカ国民は大きく人種差別を乗り越えて、結集してオバマを大統領に選んだ。オバマは黒人初の大統領として、「黒人も白人もない。民主党も共和党もない。一つのアメリカとしてこの国を変えよう」と呼びかけ、国民は白人も黒人もなく、「そうだ、私たちはできる! Yes, We can! 」と呼応している。
キング師が生きていたら、どんな思いでこの光景を見ただろうか?
師の「夢」はまだ多くの壁を残しながらも、アメリカ国民は夢の実現に向かって「私たちはできる」と叫んでいるかに見える。
キング牧師は、あの「夢」の演説から5年後、白人の凶弾に斃れた。そこに残されたものは、次の言葉であったと昨夜の番組は伝えた。
われわれは必ず打ち勝つ(We shall overcome)
世に偽りの時代が続くことはないから
われわれは必ず打ち勝つ
私はそれを、心の深いところで信じている。
「心の深いところで・・・」と言う言葉が、私の心に深く響いた。