桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

給費金制度裁判

2015-03-18 | Weblog
医師試験に合格した人には、インターンとして研修中にも金は出る。何と呼ぶのかは知らないが、見習いとは言え、医師になる人を育成するために国家として賃金を支払うと言うことだろう。
法治国家として、法曹を担う人物を育成すると言う意味で、司法試験合格者にも修習中に賃金を支払っていた。あの戦争後の混乱期でも「明日の日本を担う人物を育成するために必要だ」として給費金は支払われていたが、裁判員制度が作られたときに、これが廃止された。
法科大学院に通う学費、修習生として過ごす時間に必要な費用、それらは一千万にもなることから、貧乏人は法曹にはなれなくなる。給費金廃止は憲法違反だとして訴訟指定日弁護士さんたちがいて、 今日は口頭弁論日だった。
俺の裁判と同じ1階の大法廷だったが、傍聴人は10人を越える程度だった。
裁判員制度などを検討した審議会では、殆んど協議されないままに廃止が強行された経過を弁論した今日は、国家百年を計じられない官僚や経済人の浅はかさに国家を託す危うさを思わされた。
国家の重要な使命の1つは若者の育成にあろう。若き才能を育て、明日の日本を担う足る人物を作ることほど、国家として重要な使命はあるまい。
そこを放棄する自民党政治の国家理念の無さには、ただただ呆れるだけだ。
次回は5月13日午後2時。皆さん、傍聴を!

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