桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

生還

2021-06-10 | Weblog
親しい方がコロナに感染して入院し、今日、退院した。
大したことがないと、本人からラインが来ていたし、そう心配していなかったが、そんな暢気な状況ではなかったそうで、かなり深刻だと聞いて知ってご家族に連絡したときは、あとは肺が持つか持たないかだと聞かされて愕然とした。
その人がいない俺の闘いはない。
このところ、俺の人生から祈る思いは消えている。あるがまま、なるがまま。自分の成すべきことをして、あとは総てを受け入れる。
そんな思いで生きているが、自分の力ではどうにもならない大切な人の命を思うとき、ただ祈るしかないのだと思い出したね。
俺が29年間の拘束を解かれて社会に帰ったとき、空気がキラキラと輝いていた。
看護師からエクモは使えません。意識が無くなったときに人工呼吸をするかどうか家族と相談しろと言われたそうで、今日の退院で見る街は輝いていたそうだ。
生死を見つめ、考えると、この世は輝いていると感じるのかも知れないね。
いやぁ良かった‼️

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