桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

福井女子中学生殺人事件

2016-09-09 | Weblog
昨夜は、福井女子中学生殺人事件の研究会だった。
地元からも弁護士さん、救援会の人も来て、関西の毎日放送で福井事件を映像にした里見繁さんをお招きしての勉強会だった。
この事件に付いては、もう何度も書いた。横山と言う暴力団員が覚醒剤で捕まり、自分の罪を軽くしたいために、警察の誘いに乗ったのか、自ら演出したのかは判らないが、口裏を合わせて「血だらけの前川と会った」という話を作り上げて犯人にした事件だ。
この横山、警察から自分の彼女だった女性に手紙を書いて「犯人を知らないか、俺の情報で事件が解決すれば、俺は減刑して貰えるから頼むぞ」と言っている。なのに、次第に話は変化して「血だらけの前川が自分のアパートに来た」となる。
この手紙だけでも話の怪しいさが判ろうと言うものだが、裁判官というのは仕方のないもので、この作り話に尾ひれを付けた証人を加えれば、実に簡単に信じてしまうのだ。
布川事件の弁護団だった先生は「布川が勝つならば、この福井事件は、簡単に勝てる事件だ」と語られるが、それほどにデタラメな話ばかりなのだ。
本人の自白はない、事件に結び付く証拠はない、なのに事件に存在する証拠の多くは前川さんの無実ばかりを示す。あるのは、横山を中心とした「話」ばかりだ。
昨夜も、横山が前川さんの血染めの衣類に付いて「川原に埋めた、山に捨てた、今も持ってる」などと話を二転三転させることに付いて、「こんな話を信じるなんてバカげてる」と、痛烈に感じたが、感じないのは裁判官。何人の仲間が、こんな裁判官に泣かされているだろうか。
もう30年、前川彰司さんは無実を晴らせずに苦闘している。この事件も1日も早く解決したいし、嘘を見抜く能力のない裁判官を駆逐しなければならないと思うよ。

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