桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

ほとんど報道されないニュース

2013-09-10 | Weblog
世の中には報道されないニュースが沢山あって、何事もないかのように見逃されていることも多い。
俺は、冤罪と闘い、今も警察や検察の不正を正したいと願って頑張っているから、その類いのニュースには注目しているが、残念ながら見逃されている情報が多くある。
今、 最も再審開始に近いのは大阪の東住吉事件だが、浜松の袴田事件と鹿児島の大崎事件も進展して、この両事件は、同じような話がある。
どちらも裁判所が証拠開示に積極的になり、検察に証拠開示を求めたのだが、検察は裁判所に対して、「開示を命じる法的根拠を示せ」と反発したのだ。
検察は裁判所の上位にあると増長し、完全に裁判所を見下している。甘く見ているのだ。
これまでの司法の歴史が、そういう歪みを生んで来たのだが、一般の人は、裁判所が事実を判断するために必要と考えたことに対して、検察が逆らい、証拠を提出しないなんて事実は知らない。知らないからこそ、社会に知らせるニュースにして欲しいのだが、マスコミが、この歪みを見つめる目は弛い。
結局、検察は、裁判所の命令は拒否するが、自分から進んで提出するとして証拠開示に応じたのだが、証拠を公開しない条件を付けたそうだ。
検察が「一般に公開するな」などと言うときは、必ずプライバシー侵害の恐れとか理屈を付けるが、プライバシーを侵したならば、侵した人が責任を負えば良いことだ。検察は自分たちの有罪論が負けそうになる証拠の開示を拒否する理屈としてプライバシー問題を利用しているに過ぎないのだ。
俺には大問題だと思うが、ほとんど社会には知られなくて、今日も検察は正義面をして、あっちこっちの裁判所で御高説を垂れている。

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