桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

はあ?

2012-03-31 | Weblog
ニューで知ったが、警察庁が「可視化の拡大」をするらしい。
「4月から試行中の内容を広げると発表した」と言うのだが、試行されている可視化は「自供事件だけ」だと言う。そして、「これを拡大して否認している事件も対象にする」と言うのだが、この内容が凄い。「否認している容疑者が自供したときから録画を始める」だって。
「おい!お前が犯人だって、もう判ってるんだよ!」「DNAがある、指紋もある、これで犯人じゃないなんて、誰が信じる?」「否認してると死刑だよ、ええ いいの?」「被害者の苦しみに代わって、俺が一発、殴ってやろか!」「おい!てめえ!警察をなめんじゃやないよ!手前みてえなクズ野郎の一人や二人、ぶち殺したって、判らなくするのは簡単なんだよ」「やらねえと思ってるのか、おい、本当にぶっ飛ばすぞ!!いい加減に自白しろ!」
あれやこれやと朝から夜中まで、無法な調べを尽くし、無実の人が苦しみに負けて「やりました」と言ってしまった瞬間、「ハイ、可視化、スタート!」ね。そして、何事もなく穏やかな調べの中で被疑者は「自白した」、これで一件落着、めでたしめでたし!
これって、そもそも可視化なのかねえ。
可視化と言うのは、どのような調べをして「自白」したものかを明らかにするものじゃないの?
警察庁の言う「可視化」とは、何十年も前から行われている「調書の映像化」でしかない。このような実体のない「可視化論」を、あたかも可視化の拡大のごとくに言うマスコミも勉強不足だねえ。

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