桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

DNA

2012-12-27 | Weblog
今日の新聞に、その鑑定を過度に信頼してはいけないという検討結果が公表されていた。
当然至極のことで、まあ今までの裁判では、この当然の判断がなされて来なかったことが問題なわけだけど、最高裁に付属する研究所が「過度に信頼するな」と語ったことは、大きな前進かも知れない。
その新聞記事によれば、DNA鑑定を判断するにあたって、その経過も検討するように言っているが、ここだよね、問題は。
日本の捜査は、平然と証拠の捏造がなされる。
名張事件のように、「葡萄酒の栓に付いた歯跡が一致した」として逆転有罪の死刑判決がなされた、その根拠の歯痕が倍率を操作した偽造だった例もある。しかも、歯痕の偽造が明らかにされても無罪にならない不正が、未だにに続いているのだ。
袴田事件、狭山事件、北陵クリニック事件、飯塚事件など、今も再審を求めて闘う事件から、既に解決した足利事件、松山事件、遠藤事件はじめ、捜査側が証拠の捏造を行った事件は、あまた存在する。
厳しい目で鑑定の経過を検証することは、日本の裁判では、絶対に忘れてはならないだろう。

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