桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

あり得ない

2018-07-10 | Weblog
麻原彰晃たちの死刑執行では、改めて死刑制度問題が浮き彫りにされた。賛否に色々あるが、賛成論者の多くは蚊帳の外から「やれ!やっちまえ!」だよな。
殺された人を考えろ、殺された人の家族を考えろ、殺した奴が殺されるのは当然だ!だよな。
もし俺の愛する人が殺されたならば?
辛いよな、悔しいよな、腹が立つよな、哀しいし、怒るよな。怒りまくって「殺してやる!」と思うだろうなぁ、きっと。でも、でも、死刑には反対する。
人の命を奪っての償いは存在しない。人の命は、その人限り。唯一無二の存在だ。
今回の豪雨で亡くなった人を哀しむ人を見れば判るはずだ。
人を殺した人も、また唯一無二の存在なんだよ。
命が、いかに大切かを教えて殺した責任を自覚させる。そして、償いの生涯を送らせる。命を大切にすべき共同体、国家は、そうあるべきなのだ。殺すな!を社会の規範とする共同体、国家は、そうであるべきなのだ。
7名もの人間を処刑した前日、法務大臣は、「ナンチャラ自民亭」と称する自民党の飲み会に参加して,安倍晋三たちと盃を重ねたらしい。多分、麻原たちの処刑も話題にしただろうに、笑顔で乾杯する政治屋さんたちの無邪気な嗤い顔には、命に対する真摯さは微塵も無い。
この恐ろしさを感じずに,また無邪気に殺せ、やっちまえ!と思える皆さんが羨ましいよ。

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