桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

サンデュさんの国賠裁判

2017-10-17 | Weblog
泉大津市のコンビニ窃盗事件の犯人にされ、アリバイが明らかになって無罪判決を受けたラップ歌手のサンデュさんは、冤罪を作った責任を明らかにするために警察と検察を訴える国家賠償裁判をした。
なぜサンデュさんが犯人にされたかと言えば、コンビニの自動トビラの外側にサンデュさんの左手の指紋があったからだ。入口から見れば左側。自然に左手が触れば指紋を遺す位置にだ。
若いころにヤンチャしたらしいサンデュさんの指紋は警察に記録されていたから、アイツだ!となったのだろう。
でも、捜査は、そう単純に決め付けては困るよね。
当然だがコンビニには防犯カメラがある。犯人がコンビニ店の内外を彷徨く姿、レジから右手で現金を盗って逃走する姿があった。
サンデュさんが犯人として逮捕された後、もちろん無実を訴えた。友人と自分の家にいたこと、友人と携帯で写真を撮ったこと、犯行時間には友人の女性から電話があって話したこと、これらは捜査の過程で警察に把握されたはずだか、ひたすらに指紋の一致に引き摺られた警察の捜査は、それらの捜査を行わないで無視した。更に、検察も、何れもアリバイ成立に繋がる事実の捜査を行うことなく起訴し、300日も拘束し続けたのだ。
サンデュさんは、そのコンビニ店に事件の5日前に行っていた。ラップ歌手のサンデュさんは、そのときはアタマの中でラップを刻んでいたのだろう。舞台に立っているかように、コンビニに入りながら両手を広げてドアに触れたんだよ。
このコンビニ店の防犯カメラ。警察は捜査しなかった。何んと、サンデュさんの母親が自ら調べてはっきりした。そして、サンデュさんの携帯にあった、自宅で撮った犯人の犯行時間の映像も見つけたんだよ。
それでアリバイ成立。
サンデュさんが逮捕されたとき、もちろん警察に携帯も取り上げられた
。携帯の中身、警察は調べないの?
コンビニ店の防犯カメラ映像、調べないの?
サンデュさんの携帯には、犯行時間帯に友人の女性と話した記録もあるよね。
大体、防犯カメラ映像にある犯人の姿を調べれば、入口ドアの外側にあった指紋と犯人の行動から、果たして逃げるときに付けられるか、判るでしょ?
さて、お立ち会い、アナタがコンビニ店に行ったとして考えて欲しい。店から出るとして、右手には盗った金を持ち、早く逃れようとして、左手でドアを開けたとしょう。持つ位置は、どこ?
たとえ外側に触れたとしても、防犯カメラ映像と比較すれば、位置の特定は可能だよね?
国賠裁判での判決は、警察に5日前に遡って捜査する義務はないとして、訴えは棄却。今日の高裁判決も、全く同じだった。
母親でも調べられたアリバイだよ?アリバイが成立して冤罪が明らかになっても、その冤罪に作った警察と検察に責任がない?
これでいいのかねぇ。警察と検察の仕事が、いかに重要でも、間違った仕事をして無責任でいられる組織があって良いはずはない。
こんな判決を書く裁判所こそ、警察や検察に冤罪作らせるのだ。
大阪高裁第8民事部、山田陽三、種村好子、中尾彰、アナタたちは裁判官の能力はない。即刻、辞めるべきだね。