桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

祝勝会

2011-05-25 | Weblog
昨日は、記者会見後、支援者、弁護団と一緒に喜びを分かち合った。
勝つのは楽しいもので、参加者は増えて、会場に一杯だった。
壇上に勢揃いした弁護団。支援者があり、この先生方があればこその勝利だった。

喜び

2011-05-25 | Weblog
無罪判決を受けて外に待っ皆さんのところに行ったらば、何重にも重なる人垣。俺の喜びを自分の喜びとしてくださる皆さんを見ていて、俺は幸せ者だと思った。
判決前、裁判所前にいたらば、フッと俺の前に紙袋を差し出す男性。見たらば、中学生時代の恩師だった。俺はどうしようもない奴で、この恩師のカメラを借りて質屋に入れてしまったり、先生には迷惑を影通したが、先生宅に俺が忘れたらしいアルバムがあったとご持参くださったのだ。
恩師が来てくれた喜び、忘れていた昔の思い出の写真を手にした喜び、だった。

嵐の1日

2011-05-25 | Weblog
昨日は雨の中、朝から取材のテレビ局や新聞社が来て朝飯も満足に食べられなかった。
自動車の修理が終わらず、修理工場の大型ワゴン車を借りて来ていたので、それで土浦へ。
土浦駅には、何とか行進出発の10時前に着いた。
駅のペデストリアデッキには、沢山の支援者と取材者がいて、皆さんにご挨拶するのが大変だった。
行進して裁判所に着くと、それからが、また取材の嵐。動くたびにカメラや記者が付いて回り、人を探すのもままならなかった。
午前11時に記者に囲まれての会見。杉山が来て12時にも裁判所前で会見した。
裁判所に入る時には、何人になったろうか、2百人以上の支援者が揃い、圧巻だった。
菅家さん、川畑さん、柳原さん、石川さんの冤罪事件仲間や事件関係者も来てくれた中、午後1時半の、少し前に開廷し、無罪を言い渡された。
初めは嬉しくて、身体が軽くなったような喜びが湧いてきたが、最後のころは、だんだんと裁判官に腹が立った。
事実認定で、全く偽造や証拠隠しに言及しない。いかに騙されたとは言えども、俺たちに誤った判断をした裁判所なのに、平然としているばかりか「これで閉廷します」と言って、昂然て法廷を見渡して座り続ける3裁判官を見て、本当に腹がたった。
でも、判決日に喜んでくださる皆さんを思って耐えた。
布川事件が無実になったのは、検察が隠し続けた証拠が明らかになったからではないか!そこに言及もせず、何が無罪なのだ!と、今でも腹立たしい思いだ。
こんな判決だから検察は裁判所を舐めるのだ。
無罪になった喜びの中、改めて国賠を闘う意志を固めた。