桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

黄門さま

2011-05-17 | Weblog
水戸駅北口には、助さん、角さんを従えた黄門さまが立っている。
何時も見ているが、昨日、さりげなく見ると、何と黄門さまがマスクをしていた。
きっと放射能騒ぎを皮肉った人の仕業だろうが、寄って写真を撮ったらば、その左手にはタバコが挟んであった。
やるねえ、このイタズラ。取材者と笑っていたらば、通りすがりね若者が「布川事件の桜井さんですよね」と言う。そして、検察を徹底的にやっつけてください、と。
あんなにストレートに話をされたのは、初めてだった。黄門さまが会わせてくれたかな?

怖いねぇ

2011-05-17 | Weblog
俺は警察に恨みはない。警察に証拠のでっち上げや改ざんを行われて犯人にされた。それで長い獄中生活を強いられたのだが、強いられたお陰で、ありきたりの生活では得られないモノを得られたと思っているからだ。
でも、だからと汚い警察に対する怒りがないわけはない。
何をしても「社会の治安と平和、正義を守るため」と称して許される、その組織の傲慢さに、激しい怒りを抱いている。だから、昨夜のような警察官たちの人を小馬鹿にした態度を目の当たりにすると、怒りが現れてしまうようだ。
これも今だから、昨夜の程度で済むが、無罪になったらばどうだろうか。
きっと自分で押さえられない怒りが爆発するかも知れないと知った。自戒しなければいけないね。
昨夜は、自分自身の明日に、また怖さを知った夜だった。