桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

反論に代えて

2011-05-18 | Weblog
今日の集会には、何人かの国会議員が参加した。
新党大地の方、民社党の福島瑞穂さん、自民党の丸山参議院議員。丸山さんは弁護士としてテレビ番組に出て有名な方だ。
その丸山先生、外国のことなども含めて話をしていたが、やはり裁判村の特殊住民だと感じることがあった。
日本は有罪率99パーセントを超える異常さだと言う主張に「アメリカでは有罪を認めると裁判にしない。だから、日本のように全てを裁判にするのとは数字が違う。もし全ての事件を裁判にしたらば、そう日本と無罪率は変わらない」と言った。
もし俺に発言の機会が来たらば反論しようと思ったが、残念ながら無かったので書くが、これは事実と違うだろう。
アメリカの無罪率は35パーセントもある。総裁判数は判らないが、年間に1千万件とすれば350万件が無罪になることになる。仮に、有罪を認めて裁判にならない件数を2倍ならば裁判総数は3千万件になる。それで350万件が無罪ならば、無罪率は11パーセント強だ。もし裁判総数5千万件になっても無罪率は7パーセントはあるのだ。1千件の裁判で2、3件しか無罪にならない日本の異常さをアメリカと変わらないと言う丸山先生、やはり日本テレビ、行列のできる法律相談辺りが似合いかもね。

世の中、色々!

2011-05-18 | Weblog
今日は衆議院議員会館での冤罪集会に参加した。
元自民党参議院のドン、村上正邦氏の提唱した集会らしく、今までの集会では見ない顔も沢山いた。
2時間、袴田事件の家族、袴田秀子さん、狭山事件の石川一雄さん、布川事件の我々、枚方市長だった中司宏氏。その他、コメンテーターの魚住昭氏に司会者の青木氏で始まり、何度かは発言出来るかな、と思っていたが、最初に話しただけで終わりだった。
それはそれで良いのだが、帰りに出口で受け取ったチラシが凄かった。
主義主張は個人の自由。どんな意見も、俺は良いと思うが、言ってはいけないことはあると思っている。
中絶に反対する集団のチラシだったが、そこに「多くの不可解な殺人や大水害は、堕胎された子供たちの恨みや涙によるものと高名な霊覚者はおっしゃっています」とあった。
おいおい!
何を言ってもいいけど、津波が祟りっとのは、余りに馬鹿げてないか。
こんな根拠のない話を使って脅してはダメだろう
本当に、色々な人がいるねえ。

せめての抵抗

2011-05-18 | Weblog
今朝、親しい人から電話があり、検察は無罪判決に控訴はしない方針だと朝日新聞に出ていると知らされた。
水戸地方検察庁の次席検事による、いわゆる記者レクと言われるものが行われるのが火曜日と金曜日。昨日、それがあっての記事かも知れないが、まあ当たり前と言うか、抵抗など、やりたくても出来ないのだから当然だろうと思った。
新聞を開いて記事を見たらば、やはり検察は検察だねぇ。控訴権放棄はしないで時間切れ確定にするらしいのだ。根性の腐った組織らしいやり方だと思った。
無実の証拠を隠しに隠して有罪判決をもぎ取り、証拠隠しが明らかになって無罪になったらば、普通の人間の常識は、ごめんなさいと詫びるだろう。しかし、何があっても自分たちの過ちを認めない組織は、控訴権放棄ではなくて、時間切れ無罪確定に、せめての抵抗を示したいのだろう。
詫びられない、無実を認められないならば、控訴すれば良い。その腐れ切った検察の姿を控訴審という公判で、もっと晒してあげようものを。
いや、控訴しなくても同じだ。冤罪裁判において正義の欠けらも持たない検察庁の実態を、俺は今後の闘いで広く社会に知らしめてやる。但木、樋渡、大林、笠間の歴代検事総長を相手にする闘志が、また掻き立てられる記事だった。