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【レポ金利急騰を防ぐには連銀口座マネーの積み上げが必須】米レポ金利急騰で事実上スタートしたQE4⑤

2019-10-15 00:00:02 | アメリカ

前回からの続き)

 前回、レポ市場における金利急騰につながった同市場におけるマネー不足の真因は米財政赤字の急拡大にともなう米国債の大量発行であると論じました。実際、ドナルド・トランプ政権は、昨年あたりから財政規模を急激に膨張させており、この7月にも連邦債務上限を引き上げて、さらなる財政赤字の拡大、そしてこれにともなう米国債の乱発もいとわない感じです。その結果、これからは償還額を上回る規模の起債が続くため、自ずと市中のマネーは米国債に吸収されて減少し、他の債券などにおカネが回らなくなって・・・

 ・・・といったマーケット環境で、ではレポ市場でおカネを借りたい側―――ヘッジファンドや投資銀行など―――はどうなってしまうのか。これらは顧客の投資家から預資産の換金請求を受けると、これまでは手持ちの米国債を担保として差し入れて同市場から難なく(ほんのわずかの利子負担で)資金を調達できていました。ですが上述のように調達コストが上昇しそうな今後は、かなりの場合、その負担が難しくなって、なかには手持ちの米国債などを売却せざるを得なくなるところも出てくるでしょう。そうなると当然、米国債の価格が下がり、その伴連れで社債などの価格も下がって・・・結果、金利がいっそう上がっていくことに・・・

 こちらの記事を含めて何度か指摘しているように、アメリカの国家的アキレス腱は「金利です。しかもこのアキレス腱、現トランプ政権の上記放漫的な財政政策の影響でますます脆弱化している現状です(?)。であれば、上記のレポ市場の環境は非常に危ういものといえるでしょう。このままだと、ちょっとした出来事をきっかけにレポ金利がまたも跳ね上がり、これがもとで市場モードがリスクオフに転化して株やジャンク債が投げ売られて・・・といった危機の連鎖がいつ発生してもおかしくはないわけです。これを未然に防ぐには、アキレス腱を守る―――金利の上昇を食い止めるしかありません・・・

 ・・・って、ではどうするのか?ですが・・・上記からすれば、その裏返し、ということになります。つまり、米国債が発行され過ぎたせいでマネーが枯渇して金利が上がったのだから、そうはならない―――レポ金利が上がらない―――量のマネーを、米国債を購入することによって、連銀預金口座に積み上がるくらいに生み出してやる、という手です。これ、上述した事情から市場原理に委ねていてもできないため、これを度外視できるところがする以外にありません。そんなこと―――担保としての安全性に疑問符がついている米国債をマーケットプライスよりも?高値で掴むこと―――が可能(って自己資本が毀損するから本当は無茶?)なのは・・・FRBしかないでしょう、やはり・・・

 ということで、レポ市場の動揺を抑えられるのは唯一FRB・・・の米国債買いということになりそうです・・・ってこれ、QE量的緩和策)ってことになりますけどね・・・

(続く)

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