原作はコミックだし、あり得ないストーリーとアホばかしい感じは否めないが何故か面白い。2010年の作品、と聞いてそんなに前だったのか、と驚いた。出演者の衣装や部屋も煌びやかで見ていて楽しい。特に感心したのがのだめちゃんの衣装。上野樹里ちゃんの着こなしもいいのだが、スタイリストのセンスの良さ。色合いも鮮やかで出演者の衣装に引き付けられた邦画は珍しい。内容よりもそんなところが気になった。かっこ良過ぎて文句のつけようもない、千秋先輩。玉木宏さんが出ている映画やドラマをあまり見た事がなかったので、こんなにも格好が良かったとは知らなかった。日本人俳優にもこんな素敵な人がいたのですね。もっともあれだけかっこ良かったら持て過ぎてひとりには絞れないだろうな。だからシングル? それもいいよね、ひとそれぞれだもの。玉木さんは最近、CMもあれこれ出ていたやはり目を引く。でも、7年前はもっとキリッとしていて素敵だったんだなー。
幸せな一家が惨殺された事件を解明していく風に作られてはいたが、何とも悩ましい内容。妻夫木聡さんと満島ひかりさんをメインキャストにした映画が公開中。惨殺シーンは見たくないので映画は観に行かないが、原作を読んだ。ダラダラと名がセリフでひとりが語る独特のスタイル。作者の貫井徳郎さん(読み始めてからも作者の名前を覚えていない事に気づいた)の事は全く知らない。今までにも話題作を書いていらっしゃるらしいが、知らなかった。映画化により、書店の目につくところに平積みにされていたので手に取り、面白そうと一気に読んだ。通勤途中の電車内で読んでいたので毎日楽しみだった。終わってみれば辛いラスト。殺人事件がらみの話なのだからHappy endのわけはないか。これは作り話ではあるが実話としても成立しそうで怖い。 幸せに見える家庭にも様々な事情があり、幸せそうには見えない人には心に秘めた苦い思い出がたくさんあったりで。何が幸せで何が不幸なのか。考えてもしゃーないが、理不尽さは否めない。
93歳になられた佐藤愛子さんがテレビ出演された。どんなお婆さんになられたのかと興味がわいた。見た目は以前とあまり変わらない。肌のつやは良いし、背筋も伸びていてとても93歳には見えない。色白の顔に朱の口紅も鮮やかでとても似合っていた。年の事ばかりを言っては失礼だがあの年であんなに綺麗な人も珍しいのでは。ただ、残念だったのは声を聞いた瞬間。ああー、やっぱりお婆さんだと感じた。当たり前なんだけど声は老いていた。もっともこれは年相応なのか、或いはその位の年齢の人と比較したら若い方なのか? どっちでもいいか。見た目が若いだけに残念な気もー。本人からすれば他人が何を勝手な事を言ってんだ、となるだろう。彼女の元気で歯切れのいい文章が好きだったので、ちょっとがっかりしたのだ。文章に関しても年を経てからのものは若い頃と比べ、ややつまらなく感じられた。老いるとはそういう事。分かってはいてもかっこ良かった人がそうではなくなる寂しさ。しゃーないけど、嫌だな。