いつ製作されたものなのかもよく分からないが北海道が舞台のドラマ”ミエルヒ”を見た。戦地でフリーカメラマンだった息子(片目を失明してカメラマンの道を断念)と幻の八つ目ウナギを捕獲しようと奮闘する老いた父の話。老いらくの恋やさびれた町から出て行こうとしない人々の葛藤などもあり。全体的にはグレーに近いカラーの話しでやや暗い。それでも希望を持って生きていかねば、とラストは明るめに終わり見終って気持ちが晴れやかになった。演じる人も地味系の北海道出身の安田顕さんとオヤジ役の泉谷しげる、この人ふたりいい味を出してる。彼らがやらなかったらつまらないドラマだったかも、と思えるほどイイ出来。老いらくの恋人の風吹ジュンやオヤジの八つ目ウナギ仲間の根岸さんも適役。あちこちに夕景の川の映像が盛り込まれ、その哀愁感が素晴らしい。最近では珍しいゆったりと見られる他にはあまりないドラマだった。映画にしてもいいくらい。この質の違いってなんだろう。商業主義に走らなければこうした名作が出来るのだろうか。もっとこの手のドラマを見たい! と切に望む。