竹中直人主演のおっさんバンドの話。一言で言うとそうなるがこれに不治の病や母親の介護、仕事の行き詰まり、娘の結婚などが絡み、盛りだくさんの内容。竹中直人、宅麻伸、段田安則、斉藤暁、(それにしてもこの人選は渋くていいね)そして何故か稲垣潤一が加わっての青春時代懐かしのバンド再結成。ドラマー本職の稲垣さんはともかく、他のメンバーも自力で演奏していたのだから皆さん、器用ですね。ボーカルの竹中さんの歌は賛否が分かれるところか。元々嫌いではなかったので楽しみに聞いたが、ネットに書き込みがあったように聞いていられる歌唱力ではなかった。そこが残念。映画全体としては竹中さんでしか演じられない小芝居もあって面白かったけど。見直したのが宅麻伸さん。仏頂面で嫌らしいオヤジだったのが、病気を通して疎遠になっていた息子と最後に心通わせる場面はなんか、良かった。今までも何度か彼のドラマを見たがいつも温かみが感じられず、嫌な人と思っていたがこれを観て印象が変わった。気が小さく、なよなよ系の段田さんと時にカッとなりだからってそれを押し通す男らしさはない小心者を上手く演じる斉藤暁さん。この4人だから(稲垣さんは別物)いい感じで仕上がった映画。宅麻さんの元妻が稲垣さんの元妻役で出ていた(当時はまだ宅麻さんと結婚していた? のかな)ところも意外性があって笑えた。派手さはないがこじんまりとした観て良かった、と思わせてくれる作品だった。女性監督、頑張っているなー。応援してまっせ。