学生時代に出会い、面白い! と思った。あれから30年の長い期間に渡り、東海林さだおさんのエッセイは愛読している。食べ物に関するものが多い。新刊本をチェックしているわけではないが、書店に行った際、目につくところに著書があると買ってしまうのだ。最近もそんな流れで文庫本を購入。早速読んだ。4~5年前の「オール讀物」に掲載されたのをまとめた”花がないのに花見かな”。おなじみの文章なので大変読み易い。だけど、残念な事に以前の面白さは感じられなかった。ダラダラしているように感じられたり、中途半端に終わっていたり。特に違和感を覚えたのは~銭湯をハシゴする~の項目。最後のページはイラストとのバランスも悪く、話しも曖昧な終わり方。これでよく担当者がOKを出したな、と思えた。もっとも東海林さんほどの方には編集者も強くは言えないのでしょうけどね。次の項の~対談 樹海で死ねたら~の文中に「僕、今、72歳なんですよ」とあった。そーだよね、こちらが学生時代に既に先生、と呼ばれる立場にあった方。そこまでの高齢者になられているとは思わなかったが、年齢からすればあの文体も仕方ない? ただそれはそれで彼に失礼じゃないかと複雑な心境に陥った。