スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

いわき金杯争奪戦&同一視

2021-02-28 19:10:45 | 競輪
 いわき平記念の決勝。並びは飯野‐庄子の北日本,朝倉-森田-河野の関東,村田-鷲田‐西岡の近畿で隅田は単騎。
 まず森田が前に出たのですが,内から飯野が上昇すると引きました。さらに外から鷲田と庄子も上昇。鷲田が引いたので飯野の前受けに。3番手に隅田,4番手に朝倉,7番手に村田という周回になりました。残り3周のバックから村田が上昇開始。前までは上がらず朝倉の横で蓋をする形に。ホームで朝倉が引き,4番手に村田,7番手に朝倉という一列棒状になってバックに。打鐘前から朝倉が発進。ホームで庄子の牽制を受けたためにてこずりましたが,バックでは河野までが出きりました。すぐに反撃してきたのは単騎の隅田。森田が合わせて番手から発進。森田の牽制もあって隅田は一旦は浮く形。ただこの関係でコーナーで内が開いた上に森田の自転車が故障したこともあり,横に何人かが並ぶような隊形で直線に。森田の外からよく伸びた鷲田が突き抜けて優勝。横並びとなった森田,河野,隅田,村田が直線で落車してしまったため,落車の外に進路を取っていた庄子が2車身差の2着で大外を回った西岡が4車身差の3着と大波乱の結果。
 優勝した福井の鷲田佳史選手は記念競輪初優勝。この開催は直前の全日本選抜に参加した選手が不在でしたので,FⅠでも優勝候補とはいえないような選手たちでの記念競輪になりました。ですから開催前から混戦は必至と思われていました。決勝を走った選手の中では,飯野,森田,鷲田,隅田の4人が比較上は脚力上位。その中で森田が茨城勢の間に入り,栃木の隅田が単騎という並びになりましたから,森田が優位かなとは思えました。実際に展開はそうなったのですが,朝倉が飯野を叩くのに手間取ったため,すぐに隅田が反撃してくることに。このあたりが森田にとっては誤算だったのだろうと思います。その間隙をやはり脚力は上の鷲田がついたという結果だったといえそうです。

 スピノザは書簡六十四の中で,思惟の属性Cogitationis attributumの直接無限様態は絶対に無限なる知性intellectus infinitusといっています。当然ながらこれは無限知性を意味します。よって,第一部定理二一の論証Demonstratioでスピノザが例示していることから推理して神の観念idea Deiが何であるのかということを結論するのなら,神の観念は無限知性を意味するということになるでしょう。
                                   
 スピノザの哲学では,知性というのは観念の集積のことを意味します。したがって無限知性とは,無限に多くのinfinita観念の集合体であると解して間違いありません。また,無限様態modus infinitusというのは無限でありかつ永遠aeterunusではありますが,様態ですから所産的自然Natura Naturataに属します。よって,神の観念が何であるのかということについて,第二部定義三が要請していると思われることについては,神の観念を無限知性であると解しても,クリアされています。
 こうした理由もあり,僕は神の観念というのを,無限知性と同一視してきました。とくに,神が有する神自身の観念というのは,無限知性であると解していました。なので,スピノザが第二部定理八で神の無限な観念といわれるときにも,それを無限知性であると解してきたのです。そしておそらくこれは僕に独自の解釈なのではなく,そのように判断している識者というのも多いのではないかと思います。
 柏葉の論考の中心的な対象は,この神の無限な観念というのを,無限知性と同一視してよいのかという点にあります。それだけにこの論考は,僕は今まで気付いていなかった視点をもっているものだったのです。ただし現状は,「存在しないものの存在論」を離れ,神の観念が何であるのかということは多様な解釈がスピノザの哲学においては可能であるということを示そうとしていますので,神の観念を無限知性と同一視することに対する難点については後で詳しく考察することにして,さらに別の解釈の可能性を示していくことにします。
 第一部定理二一の論証でスピノザが神の観念という語を用いているとき,岩波文庫版では畠中尚志による訳注がつけられています。それによれば,神の観念という語は,スピノザの哲学では二様の意味に解することができるという主旨のことがいわれています。

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