スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

竜王戦&スピノザの兄弟姉妹

2024-08-17 19:25:21 | 将棋
 13日に指された第37期竜王戦挑戦者決定戦三番勝負第二局。
 広瀬章人九段の先手で相掛り。後手の佐々木勇気八段が手得をするような形に進み,先手から仕掛けました。中継を見ていましたがAIが難しいことをたくさんいう将棋で,相当に難解な一局だったと思われます。
                           
 たぶんここが勝負の最終的な分かれ目となった局面。
 実戦は☗6三銀と打ち込んでいきました。☖同銀☗同歩成☖同飛まで必然の進行。そこで☗5三歩☖6二玉として☗5五桂と攻めていきましたが☖4八桂成からの後手の攻めの方が早く,後手の勝ち筋に入りました。
                           
 第1図は☗7二銀と飛車取りに打つ手があったようです。☖6八歩成は☗同角ですぐに先手玉が寄らないので☖8二飛と逃げることになるのですが,それから6三で清算して☗5五桂と跳ねれば後手玉が寄り筋で,これは先手の勝ちだったようです。
 佐々木八段が連勝で挑戦者に。四段昇段から14年でタイトル戦初出場。第一局は10月5日と6日に指される予定です。

 それでは『スピノザ 人間の自由の哲学』の中身に関連する考察を開始します。
 第二回の中で,スピノザの家族についての吉田の解釈が記されています。これはスピノザの思想とはまったく関係ないのですが,伝記を構成するときには重要な要素になりますので,吉田自身の考え方と,そうではない考え方の比較についてここで紹介します。こうした相違が生じるのは欧米の言語慣習によります。たとえば英語では兄弟がbrotherで,姉妹はsisterです。日本語ではそれをさらに兄と弟,姉と妹というように区分するのですが,欧米言語にはその区分はありません。ですからたとえばXはスピノザのbrotherであるという記述があったときに,それがスピノザの兄であるのか弟であるのかは分からないようになっています。なのでXが兄であるか弟であるかを確定するためには,他の資料に依拠しなければならないのです。ここで吉田が検討しているのは,スピノザに兄や姉が何人いて,また弟や妹が何人いたのかということです。
 まず確定させることができるのは,スピノザには兄弟がふたり,姉妹がふたりいたということです。そして兄弟の名前はイサークとガブリエルで,姉妹の名前はミリアムとレベッカということです。
 イサークとガブリエル,そしてスピノザが産まれた順については簡単に結論付けられると吉田はいっています。これは名前そのものから結論できるそうです。スピノザの父の父,つまりスピノザの祖父,ということはこの5人の父方の祖父ということになりますが,その祖父の名前はイサークといいます。この当時,イベリア半島つまりポルトガルやスペインに住んでいたユダヤ人は,長男には父方の祖父の名前をつけるという慣習がありました。スピノザが産まれたときはすでにアムステルダムAmsterdamに移住していましたが,その慣習は受け継がれていました。したがって兄弟3人の中で最も年上なのはイサークで間違いありません。いい換えればイサークはスピノザの兄です。
 次に,スピノザの名前であるバルーフBaruchは,1619年に死んだスピノザの母の父,正確にはスピノザの母の父とみられる人物の名前であるそうです。

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