スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

皐月賞&共通概念の役割

2017-04-16 19:08:25 | 中央競馬
 第77回皐月賞
 発馬後の正面で前に行く気をみせたのはファンディーナ,アルアイン,アダムバローズ,トラストの4頭。この中からアダムバローズがほかの馬を制して逃げの手に。2番手にトラスト。コーナーで外を回って追い上げてきたクリンチャーが単独の3番手になり,ファンディーナとアルアインが並んで4番手。単独の6番手にダンビュライト。中団は2列あって前がマイスタイル,プラチナヴォイス,ウインブライトの3頭。後ろにペルシアンナイト,コマノインパルス,スワーヴリチャード,アメリカズカップの4頭。前半の1000mは59秒0のミドルペース。
 3コーナーを回るとトラストがアダムバローズを抜いて先頭に。外からこれについていったのがクリンチャーとファンディーナ。ファンディーナをマークするように追い上げたのがダンビュライトで内で手綱を押しながら喰らいついていたのがアルアイン。ずっと内を回っていたペルシアンナイトがアルアインの直後まで接近。直線に入るとトラスト,クリンチャー,ファンディーナと横並びに。クリンチャーとファンディーナの間に進路を取ったアルアインがそこから抜け,最後はかなり外によれたように見えましたが内外からの追い上げは凌いでレースレコードで優勝。トラストとクリンチャーの間を伸びてきたペルシアンナイトがクビ差の2着まで迫って同一厩舎のワンツー。ファンディーナの外から伸びたダンビュライトが4分の3馬身差で3着。
 優勝したアルアインは前走の毎日杯から連勝で大レース制覇。前々走のシンザン記念は6着でしたが,これは不利があったので参考外とみれば残りは3戦3勝。王道路線を歩んだ有力馬との対戦経験がないので伏兵的存在でしたが,未知の可能性は秘めていた馬。終わってみればそれだけの力があったということになるでしょう。最終コーナーでもたついていたり最後によれていたりしているので,成長する余地も残っている馬ではないかと思います。父は第65回を制したディープインパクトで父仔制覇。Al AinはUAEの世界遺産。
 騎乗した松山弘平騎手は一昨年のJBCスプリント以来の大レース2勝目。管理している池江泰寿調教師は有馬記念以来の大レース制覇。第71回以来6年ぶりの皐月賞2勝目。

 真偽の規準が外的特徴denominatio extrinsecaからみられる真の観念と誤った観念に存するのではなく,内的特徴denominatio intrinsecaからみられる十全な観念と混乱した観念のうちにあるということは分かりました。ただ,真偽の規準を必要とするのは,観念ideaが有限なfinitum知性intellectus,とくに現実的に存在する人間の精神mens humana,要するに僕たちの精神のうちにあるという場合です。ですからそれについて真偽を判定する必要があるのも僕たち自身であるということになります。この点を踏まえれば,第二部定理四〇および4つの意味が真偽の規準になるということについては,次のような疑問が提出されることになるでしょう。たとえば,原因causaが十全な観念idea adaequataであれば結果effectusも十全な観念であるということは,論理的には正しいとしても,その原因が十全な観念であるということを僕たちはいかにして知り得るのかということです。もしそれを僕たちが知り得ないとすれば,僕たちは結局のところは真偽を判定することはできないということになります。つまり第二部定理四〇は論理的に正しいというだけで,現実的には意味を有さないということになるでしょう。
                                       
 スピノザの哲学では,方法論的意味における真理獲得の方法というのが,それ単独では,いい換えれば真理veritasを獲得するということと別個の意味においては存在しませんでした。僕たちは真理を獲得することによって同時に真理を獲得する方法も知り得るのであって,それ以外の方法で真理獲得の方法を知ることはできません。いい換えるなら,もし僕たちの精神のうちに十全な観念があるのであれば僕たちは真理獲得の方法も知っているのですが,十全な観念がないという場合,他面からいえば混乱した観念idea inadaequataだけがあるという場合には,真理獲得の方法を知り得ないのです。ここから分かるように,まず第二部定理四〇が現実的に意味を有する定理Propositioとして成立するための条件として,僕たちの精神のうちには十全な観念があるということが必要になります。これについてスピノザが示しているのは第二部定理三八系です。僕たちの精神のうちには,共通概念notiones communesという十全な観念が必然的にnecessario存在します。ですから第二部定理四〇が有意味であるための最低条件は満たされていることになります。

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