スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

オールエイジドステークス&個物の本性

2023-04-16 19:11:09 | 海外競馬
 日本時間で昨日の午後にオーストラリアのランドウィック競馬場で行われたオールエイジドステークスGⅠ芝1400m。
 ホウオウアマゾンは3頭の集団となった6番手の外を追走。隊列が定まった時点では逃げた馬から6馬身ほどの位置でしたが,逃げた馬が2番手以下をぐんぐんと離していくレースになったため,先頭との差は広がっていきました。コーナーを回ると追走に汲々といった様子になり,直線の入口では後方2番手に。そこから外目に出されるとそれまでの感じからはかなり伸びをみせましたが,優勝争いに加わるというところはなく,勝ち馬から概ね6馬身半差の7着でした。
 この馬は一昨年のアーリントンカップを勝って以降は,重賞で2着はありますが勝っていません。どちらかといえば先週のユニコーンライオンの調教パートナーという位置づけでもありましたから,結果は仕方がないものだったと思います。レースぶりをみると,それなりの能力はある馬で,ただ精神面には課題があるというように感じました。

 ここまでの考察の中で示してきた恐竜に共通の本性essentiaは,僕の見解opinioでは神Deusの延長の属性Extensionis attributumの中に含まれている形相的本性essentia formalisで,この観念ideaは神の無限な観念の中に包容されています。ではこの種の恐竜が現実的に存在するのかといえば,現実的に存在するわけではありません。このことは,人間に共通の本性といわれる場合の人間が,現実的に存在するわけではないと僕が考えているのと同じ理由ですから,ここで繰り返して説明することはしません。またこの恐竜に共通の本性といわれるときの恐竜は,第二部定理三七でいわれる個物res singularisではないと考えることができます。これもまた人間に共通の本性といわれる場合の人間は,個物であると考える必要はないということと同じ理由なので,ここでは説明を繰り返しません。恐竜についてこのことが人間についての場合と同じように説明することができるのは,人間も恐竜も,同じ本性を有する複数のものが存在する個物であるからです。したがって,同じ本性を有する複数のものがある個物については,すべからくこのことが妥当すると僕は考えているのです。
                                   
 このことから一般に個物の本性といわれるとき,それをどのように考えればいいのかということが分かります。ひとつは,神の属性の中に含まれているものとしての形相的本性,すなわち,同じ本性を有する複数の個物に共通するような本性です。もうひとつはそうした個物の各々の現実的本性actualis essentiaです。そしてこの現実的本性は,ふたつの仕方で考えられます。そのひとつは,神の中に永遠の相species aeternitatisの下に表現されるexprimuntur現実的本性の観念があるといわれるとき,この観念の観念対象ideatumとなっているような現実的本性であり,もうひとつは持続するdurareといわれる場合の現実的本性です。
 それでは『はじめてのスピノザ』に戻って,そこで力potentiaとしての本性が変化しつつ辿り着く各々の状態が欲望cupiditasとして作用するといわれているときの本性がどれに該当するのかといえば,いうまでもなく個々の個物が現実的に存在する,持続するといわれる形で存在するときの現実的本性です。これはこうした本性について,それが変化するといわれていることから明白です。これ以外のふたつの本性は変化はしないからです。

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