スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

ユキチャン&認識と意識

2024-05-15 19:12:45 | 名馬
 羽田盃を勝ったアマンテビアンコの母はユキチャンです。父はクロフネ。祖母はウェイブウインド
 2歳7月にデビュー。芝の1200mで14着。12月にダート1200mの未勝利戦で勝ち上がると,3歳3月に芝2000mの特別戦で2勝目。フローラステークスに出走して7着になると関東オークスに向かい,重賞初制覇を達成しました。ジャパンダートダービーは競走除外。クイーンステークスが9着,シリウスステークスが8着,秋華賞が17着。ここからはダート戦に的を絞り,クイーン賞で2着となり3歳戦を終えました。
 4歳になってTCK女王盃に出走して2着。エンプレス杯が6着でマリーンカップも6着。これでJRAから川崎に移籍しました。
 転入初戦のTCKディスタフは3着。クイーン賞で重賞2勝目をあげました。
 5歳初戦のTCK女王盃も制して重賞3勝目。マリーンカップで3着になった後,川崎マイラーズを9着と大敗し,現役生活を終えることになりました。この年はNARグランプリの最優秀牝馬に選出されています。
 白毛は遺伝子の突然変異で発生する毛色なので,かなり少数。その白毛馬で初めて日本で重賞を勝ったのがこの馬でした。白毛ではありませんが,2020年の小倉2歳ステークスとファンタジーステークス,2021年のチューリップ賞,2022年のシルクロードステークスと京王杯スプリングカップとセントウルステークスを勝ったメイケイエールはユキチャンの孫になります。近親にも多数の活躍馬が出ていますから,血統背景は申し分ありません。子孫からはまだ活躍馬が出る可能性がありそうです。

 國分がいうように,スピノザは意識conscientiaと人間の本性natura humanaを関連付けています。ただ,僕のように意識を無意識との対比で解する場合は,このことは当然であるという要素を含んでいますので,そのことについても説明しておきます。
 スピノザは,人間の本性を人間の精神mens humanaと等置することがあります。このとき,人間の精神がある事物を認識するcognoscereといわれるなら,その認識cognitioが意識化されるということ,他面からいえばその認識は無意識にとどまるわけではないということは前提されているといえます。前もっていっておいたように,スピノザは無意識という概念notioを有していないのですから,観念ideaと観念の観念idea ideaeの関係を,僕と同じように考えていたわけではありません。一例をあげれば,第二部定理四三は,現実的に存在する人間の精神のうちにXの観念があるなら,Xの観念の観念もあるのだから,その人間は自身がXの真の観念idea veraを有しているということ,いい換えればXの真理veritasを知っているということを疑い得ないといっていますが,これなどはその典型といえるでしょう。つまりスピノザは基本的に僕たちの精神がXを認識するというとき,僕たちの精神というのを積極的に解すれば,つまりこの文章の主語は僕たちの精神であるということを強調すれば,その精神がそれを意識しているということを前提しているのです。ですからある事柄が人間の身体humanum corpusとだけ関連しているのなら,それを人間の本性と関連付けることはできません。衝動appetitusは人間の身体だけでなく人間の精神とも関連するから,それを人間の本性ということはできますし,実際にスピノザはそのようにいうのですが,このときにはその衝動がその衝動を有する人間の精神によって認識されていて,その衝動が意識化されているということがそもそも前提されているのであって,このために意識化された衝動である欲望cupiditasが人間の本性といわれることになるのです。
                                        
 國分は人間を突き動かす力potentiaにその本性をみようとするなら,衝動の概念だけでも人間の本性を説明するのに十分だったといっています。これはあたかもスピノザが衝動を人間の本性とは規定していないというように読解することができますが,これは誤りerrorです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする