スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

TOKYO MX賞フジノウェーブ記念&個物の原因

2014-02-26 19:26:26 | 地方競馬
 不慮の事故によって生命を絶たれた名馬の功績を称えて今年度から改称された第5回フジノウェーブ記念。エーシンジェイワンが競走除外で15頭。
 先手を奪ったのはピエールタイガー。2番手でジェネラルグラントがマーク。ヤサカファインとガンマーバーストが続き,外からサイオン,内に控えたソルテ。最初の600mは36秒4のミドルペース。
 ジェネラルグラントがかなり強気なレースをし,これにピエールタイガーも応戦したので3コーナーを回るとこの2頭と後ろの差が開きました。ピエールタイガーはコーナーの途中で一杯になり,直線に入るところではジェネラルグラントが早くも単独で先頭に。追ってきたのは内から馬群を捌いたソルテで,詰め寄ることはできたものの差すまでには至らず,着差以上の強さを感じさせるレース振りでジェネラルグラントの優勝。4分の3馬身差の2着がソルテ。4馬身差の3着は先行勢からばてずに流れ込んだサイオン。
 優勝したジェネラルグラントは昨年3月の京浜盃以来の南関東重賞2勝目。転入前,2歳のときに北海道でサンライズカップを勝っていて,前走の昨年11月に水沢に遠征したダービーグランプリも勝っているので地方重賞は通算4勝目。ここは久々の競馬であったこと,そして距離が短くなっていたことと,ふたつの課題があったのですが,難なく乗り越えました。現4歳世代ではトップクラスの能力がありますから,今日の内容であればまだタイトルを獲得していくことになるでしょう。ただ,突出しているというわけではないと思われ,連戦連勝というのは難しいかもしれません。母の父はスペシャルウィーク。伯父に2004年の札幌2歳ステークスと2005年の共同通信杯を勝ったストーミーカフェ。General Grantはグラント将軍。
 騎乗した船橋の石崎駿騎手は先週のユングフラウ賞に続く2週連続の南関東重賞制覇。フジノウェーブ記念は初勝利。管理している船橋の出川克己調教師もフジノウェーブ記念は初勝利です。

 備考はまず,無限様態が神の絶対的本性から生起することの確認から始まっています。そして個物res singularisは,その媒介によって生起するといわれています。
 これでみれば,確かに無限様態が生起する因果的必然性と,res singularisが生起する因果的必然性は,数的に区別が可能であると読解できなくはありません。とりわけスピノザがいっている媒介ということばを,道具ということばでいい換えたならば,ゲルーの主眼点はスピノザの哲学の妥当な解釈であるということになります。
 しかし,これだけでスピノザが数的に区別できる二種類の因果性があると考えていたと結論するのは,僕には短絡的に思えます。というのはスピノザはこの直後に,res singularisが無限様態の媒介によって生起するのだとしても,神なしに存在することも考えることもできないと主張しているからです。こちらの部分を重視するなら,むしろ因果的必然性は二種類であったとしても,それは表現上でそうなっているだけであり,実際は唯一であると解釈する方が妥当であるということになるからです。
 スピノザがres singularisに関して,神なしに存在することも考えることもできないというとき,res singularisが無限様態の媒介によって生起し,その無限様態は神の絶対的本性から生起するということを理由としているのではないと僕は解釈します。この論理は,res singularisの原因は無限様態であり,無限様態の原因は神であるから,res singularisは神なしにはあることも考えることもできないということになっています。しかし僕にはそのような論理をスピノザは認めないだろうと思えます。
 第一部定理二八,そしてこれをres singularisの観念に適用した第二部定理九には,消極的意味が含まれているというのが僕の考えです。それは結果の原因,その原因,そのまた原因と辿っていったとしても,その無限連鎖が継続するだけで,第一原因には到達しないということです。このことが,僕のここでの主張の根拠です。
コメント
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